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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
33/406

女心は難しい

前回のあらすじ

サリアのプライドは1980円


「もう一声!」

「おい!」

エレキナが退治された直後

海洋ゾーンではカリスティと海神の戦いが繰り広げられていた。海神は水の刃を飛ばしたり刀でカリスティを切りながらも仲間を助けようとしていた。

カリスティも負けじと刃の軌道を変えたり多彩な魔法で応戦していた。

「あら、筋はいいわね。」

「そりゃ、どうも。」

二人が戦っているとそこにトールバスターが現れた。

「あら。」

「まずいな。」

トールバスターは二人を見た後、同じクランの仲間だけではなく縛られた女性達全員を解放した。

「相手もみんな助けるんだ。てっきり仲間以外はその場でリタイアさせると思ってたわ。」

「俺はどうも不意打ちや無抵抗への攻撃が性に合わないみたいでな。」

トールバスターは飛びながら二人を見ていると叫び声をあげながら誰かが近づいてきた。ヴィザルだった。

「助けてー!」

「どうしたのかしら。」

カリスティ達がヴィザルの後ろからオリヴィエが迫ってきた。瞳から光を失ったまま。

「待ってよ~、ヴィ・ザ・ル・く~ん。」

「怖っ!」

「オリヴィエちゃんってあんな子だったっけ?」

助けられた女性達は禍々しいオーラを放っているオリヴィエを見てトールバスターの後ろに下がった。

「ま、待ってオリヴィエさん!もう一度、ワンモアチャンスプリーズ!」

「いいよ。」

「え、えぇっと、小さい胸も需要あるよ。」

「待て。それは駄目だ。」

「違うのよ。」

そう言ってオリヴィエは雷の槍をヴィザルに向けて放った。その攻撃はヴィザルの周りにも飛んできた。ヴィザルはとっさに避け、カリスティは軌道を変え、海神は切り伏せて、トールバスターは背中の羽根で相殺した。

「待って、オリヴィエさ~ん!」

「何があってこうなったんだ!」

「多分、ヘルマのことを知ったあの子がヴィザルに詰め寄って、ヴィザルが回答を間違えたってところね。」

カリスティは冷静に海神の質問に答えた。その間もオリヴィエはいろんな角度から雷の槍を飛ばしてきた。

「このままだと彼の巻き添えで死ぬぞ!」

「いいわ。ここは私に任せて。」

「何を言っている淫魔!信じられるか!」

「待って。淫魔って何!?」

カリスティは叫んでいるヴィザルに近づいた。

「あの子の名前は?」

「え、オリヴィエ・アストライカさん。」

「OK。オリヴィエちゃんね。ヴィザル、ここからは私の言う通りに喋って。」

「わ、分かりました。」

ヴィザルはカリスティの言う通りにするとオリヴィエの前に立った。その後ろにはカリスティがいて耳打ちでヴィザルに指示した。

「オリヴィエちゃん、僕の話を聞いてください。」

「オリヴィエちゃん、僕の話を聞いてください!」

「えっ。う、うん。」

するとオリヴィエは攻撃を止めた。

「オリヴィエちゃんは今のままでも凄く魅力的です。」

「オリヴィエちゃんは今のままでも凄く魅力的です!」

黙って聞いているオリヴィエ。

「僕は今のオリヴィエちゃんが大好きです。」

「僕は今のオリヴィエちゃんが大好きです!ってえぇ~!」

「ヴィザル君。」

オリヴィエは顔を真っ赤にさせて慌てふためいていた。

「ちょっと待ってください。何でいきなり告白するんですか!?」

「ヴィザル、彼女が欲しいのはあなたが自分をどう思っているかよ。口先だけの褒め言葉より好きな人からの告白が効くのよ。その証拠にほらっ。」

カリスティに言われてオリヴィエを見ると彼女は顔を真っ赤にしたまま下を向いていた。

「で、でも僕にはまだ恋愛とかわからないですよ!?」

「あまいわね。本来なら愛してるって言うところを大好きにしたのよ。」

「そこ、どうでもいいです。」

二人が話しているのをトールバスター達はじーっと見ていた。

「なるほど、やはりこういうのは女性の方が分かるか。」

「トールバスターさんも他の男よりは女心がわかっていると思いますよ。」

ヴィザルとカリスティが話していると顔を真っ赤にさせたままのオリヴィエがニコニコして近づいてきた。

「嬉しい!私もヴィザル君が好き。」

「あ、ありがとう。」

「まさか、ここでカップル誕生とは。」

新しいカップルの誕生に周りの人達は拍手した。海神やトールバスターも周りにあわせて拍手していた。すると、オリヴィエが思い出したかのようにヴィザルに質問した。

「そういえば、何で私はマキナって子からメス猫って呼ばれたんでしょうか?」

「それはカリスティさんがそう呼べとマキナに言ったからです。」

「ちょっとヴィザル!」

それを聞いたオリヴィエは黙ってカリスティの周りから鎖を出して彼女を拘束した。

「え、ちょっと待って。助けてヴィザル!」

「は、はい!」

ヴィザルが助けようとするとトールバスターが剣を作ってヴィザルの前に立ちはだかり、つばぜり合いになった。

「ま、まずい。」

「ヴィザルだったな。諦めろ。あれは彼女の自業自得だ。」

「え?」

ヴィザルはカリスティを見ると周りに女性達が各々の武器を持って立っていた。

「ねぇ、凌遅刑って知ってる?どこかの国で行われた処刑方法なんだけど生きたまま薄く肉をそぎ落としていく刑罰なんだって。あなたにぴったりね。」

「ま、待って、お願い!」

カリスティの必死の訴えも空しく今まで拉致していた女性達から生きたまま少しずつ肉をそぎ落とされてリタイアした。

《カリスティ・ニュンペレア リタイア》

カリスティの叫び声はリタイアするまで続いていた。

「女って怖いです。」

「私も浮気されたらやってみよう。」

「!」

ボソッと呟いたオリヴィエの発言にヴィザルとトールバスターは引いていた。

「・・・頑張れ。」

「いやだー!」

ヴィザルの叫び声がその場に響いていた。

次回予告

やっとエウリアの登場です


「本当に長かったわよ!もしかしたら、作者に忘れられたと思ってたわ!」


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