女体化はエロ漫画あるある
前回のあらすじ
花粉症はキツい。
「俺も花粉症なんだよね〜。」
「本当にキツいです。」
「な…なんじゃこりゃー!」
その日はヴィザルの叫びから始まった。
「どうしたヴィザル!」
サリアが部屋に入るとスラリとした少女が立っていた。
「誰だ貴様!?」
「ヴィザルです!」
「ヴィザルは男だ!」
「朝起きたらこうなっていたんです!」
「どこの女体化エロ漫画の始まり方だよ!」
サリアが改めて少女を観る。確かに髪色や目の色、雰囲気はヴィザルにそっくりだ。
「•••私をお義姉さんって呼んでもいいんだぞ。」
「ヴァリス兄さんは渡しません!」
「本物だ…」
「どういう識別方法!?」
本物と納得したサリアは事情を聞く。しかし、ヴィザルにも分からないという。昨日は普通に男だったからその日の行動を思い出す。そこに騒ぎを聞きつけたオリヴィエがやってきた。
「どうしたのヴィザル君!?」
「あ、オリヴィエさん。」
「•••誰ですか!?」
「ヴィザルです!」
「このやりとりさっき体験した。」
サリアが事情を話そうとするとオリヴィエの後ろからフェルトリーネがやってきた。
「どうしたの?」
「あ、フェルさん。」
「•••誰だ!?」
「ヴィザルです!」
「もうさっき見た!何回やるつもりだ!?」
ここで悩んでも仕方ないのでヒルデのところに相談しにいく。ちなみにオリヴィエとフェルトリーネはそのまま授業に出た。
「え!?マジ!?ヴィザルが女の子!?超ウケるー!」
「が、学園長、はしたないですwww」
涙を流して大爆笑するヒルデと彼女を注意するも笑いを堪えているメシエにヴィザルは呆れていた。一応事情を話すもヒルデ達が知るわけがない。どうしようか悩みのタネながら保健室に向かう。
「ヴィ、ヴィザルが女の子に…」
「もういいですそれ。」
口を抑え笑いを堪えるツルキにヴィザルはまた呆れる。
「まぁ、見た感じ病気の類じゃない。」
「となると考えられるのは…」
「誰かの魔法か陰謀…」
「ヴィザル、昨日を思い出してくれ。」
サリアに言われたヴィザルは頷き昨日の出来事を教える。
朝起きて普通に授業して帰って寝た。
「•••以上ですね。」
「何の情報もねぇ!」
「もっと詳しく話せ。」
サリアに言われ詳しく教える。
授業は普通の数学、魔法工学、神歴学(寝てた)、保健体育、国語(寝てた)、魔術学…休み時間もみんなと話したりアテリナに連れ回されたり特に変わったところはない。そして、放課後…
「ヴィザル様とこうしてお茶を御一緒出来て嬉しいです。
リリエスタと一緒にカフェで飲んでいた。その後、リリエスタが先に帰ると机の上に置いてあったピンク色の瓶を飲んだ。それから寮に戻り宿題やら風呂やら夕食やら済ませて就寝した。
「ざっとこんな感じですね…」
そう言ってヴィザルは瓶を見る。
「「「•••それが原因じゃねぇか!」」」
サリア達が叫びながら同時に蹴り飛ばす。ヴィザルは?を浮かべサリア達を見る。
「なんで不思議そうな顔で見るの?絶対リリーが作った薬のせいじゃん。」
「あいつは何を作ったんだ?」
リリエスタに呆れるサリア達。そこに当の本人であるリリエスタが保健室に入ってきた。
「すみません!ここにヴィザル様が…」
「•••」
「失礼しました!」
「確保ー!」
逃げようとするリリエスタをサリアが捕まえる。そこに今度は噂を聞きつけたアルティネがオリヴィエ達と一緒に来た。
「本当にヴィザルが女の子になっていたのね。」
「なかなか美人じゃない。」
「ホントだ!」
アルティネの後ろからグリムとアテリナが顔を出す。ヴィザルは面倒になったと思いつつ縛り上げられているリリエスタに話を聞いた。
「なんですかこれ?」
「それは女性の魅力を上げる薬ですわ。一応試作品ですのでまだ試していなかったのですが…昨日無くしてしまいもしかしてと…」
「なんで女性の魅力を上げる薬が女体化させる薬になったんだ?」
「今ならヘルマさんの気持ちが分かる気がする。」
自分の体中を弄り確かめるヴィザル。その姿がなんとも言えないサリア達は顔を背ける。ツルキがヴィザルを止め話を進める。
「それでこれはどうしたら治る?」
「分かりませんわ。まだ試作品なので。でも効果はそんなに長くはないはずなので…」
「元に戻るまで待てと。」
「そうなりますわね。」
仕方ない。そう思いヴィザルは今日1日欠席という形にした。これで一安心…そう思っていたがこれがさらなる混乱を招くとはこの時は誰も想像していなかった。
次回予告
リリエスタの薬でさらに面倒なことに!
「勘弁してください。」




