究極の戦争
前回のあらすじ
とうとうウェルテルと対面!
「ウェルテルに弱点は!?」
「それは本編で言ってください。」
本来は観客やプレイヤーで賑わうはずのスタジアム。しかし、今は静けさが不気味なほどヴィザル達を包んでいた。闘技場みたいなステージにヴィザルとマキナ、そしえウェルテルがいる。
「始めようか。」
「その前になんでこんなことを?」
ヴィザルが聞く。ウェルテルは少し笑うとあっさりと話してくれた。
「君がヨハネ…いやマキナのマスターになったからだ。」
「ヨハネ…」
「彼女の本当の名前だ。エアリアル•ヨハネ。大昔の人間。そして、最初の殲滅兵器ゼウス・エクス・マキナだ。」
ヴィザルはマキナを見る。マキナは口角を上げスマイルする。
「大丈夫です。今の私はマスターに近寄るメスネコを排除するだけのアンドロイドです。」
「それはそれで怖いです。」
「同意。」
ウェルテルが頷く。ヴィザルがさらに聞く。
「もう1つ質問があります。」
「なんだ。」
「目的はなんですか?」
ヴィザルが聞くとウェルテルはマキナみたいに笑うと答えた。
「エクスゲーム。」
「?」
「これは昔俺達が参加した戦争だ。いや、俺達はその戦争で造られた兵器だ。エクスゲームで死んだ俺達はゼウス・エクス・マキナとして再び生を与えられ殺すための殺戮兵器になった。その第一号がヨハネだ。」
ヴィザルはまたマキナを見る。
「人間の進歩、進化は戦争で大きく変わる。しかし、ここ最近、いや俺達が蘇ってからはそんな戦争はほぼ起きなかった。だから、人間は廃れ技術、進化を失った。」
ウェルテルは自身の右腕を剣に変形させた。それを戻し話を続ける。
「俺の目的は究極の戦争だ。」
「究極の戦争…」
「俺達を造り利用し棄てた人間達への復讐だ。」
ウェルテルは指を鳴らす。その時、スタジアムが暗くなりステージがライトアップされた。ヴィザルとマキナがキョロキョロ見回しているとウェルテルの後ろの電光掲示板に時間が表示された。
「後2時間45分。もし、俺を倒せなかったなら全世界に普及しているマリアを兵器として起動させる。世界はパニックになる。そして、俺達の望む究極の戦争が始まる。」
「その身勝手な戦争のために犠牲になるのはあなたじゃない。」
「いや、参加する者全てが犠牲だ。来い。これ以上犠牲を出したくないなら俺を倒せ。」
ウェルテルは説得に応じる気はない。それを感じたヴィザルは説得を止め剣を構える。マキナも続いて構えた。
「さぁ始めよう。」
2人はウェルテルを倒し戦争を防ぐため走り出した。
タイムリミットまであと2時間45分…
次回予告
遂に激突。
「殲滅兵器の真の恐ろしさを教えてやる。」
「結構です。」




