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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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君達の時代

前回のあらすじ

エリル率いる学園のモブ達登場。


「「「モブって言わないでください!」」」

「行くぞ!」


 ケンが叫ぶ。それに合わせてみんな返事して突撃する。バルクはケンの一撃を受け止めると全身から電撃を放ってエリル達を近付けさせないようにする。


「戦闘のコツその1、相手のペースに乗らないこと。常に自分のペースで戦え。」


 そう言って辺り一帯に電撃を放った。


「まずいな。周りには俺達しかいないから攻撃し放題。それに加えて施設の電気設備がショートしないように調整してある。自分の強みを分かってやっている。」

 

 ケンが周りを観察している。この場にいるのはケンとバルクと聖ヴァルキュリア百合女学園の関係者のみ。そのためケン達は互いを気にしながら戦わないといけないがバルクは全員敵なため同士討ちなんて気にすることなく攻撃出来る。


「どうした?これで終わるつもりはないだろ?」

「もちろん。」


 ケンは雷で刀を作ると炎と雷の二刀流で挑んできた。バルクは再び雷を放つとその雷を刀に溜めて重い一撃を打ち込んだ。


「なるほど。」


 バルクは感心すると今度は左腕をロケットパンチのように飛ばしてケンの腹を殴った。そのまま振り回しフリスタン達を薙ぎ払った。


「戦闘のコツその2、相手の情報を正確に掴むこと。戦いにおいて情報は大切だ。こちらの情報は掴まさせず相手の情報を掴む。」

「それには同意だ。」


 ケンはまた接近すると今度は蹴りで対抗してきた。バルクが蹴りを防ぐと猫獣人の生徒がバルクの背中を引っ掻いた。


「委員長!」

「良し!」


 それに合わせてエリルが剣を振り回して水の刃を複数飛ばした。それもバルクに命中する。その光景を見てフリスタンは不思議に思った。


「避ける気がない?」

「無駄だ。俺の皮膚はマキナチタンという古代金属で出来ている。あの程度、問題なく耐えれる。」


 フリスタンはケン以外の攻撃を防御しなくなった。これはケン以外の攻撃は大したことないと判断したからだろう。

 ケンは刀と体術を駆使してバルクに挑む。バルクもエリル達の攻撃を無視してケンを狙う。その時、空からエレキナが来てバルクに蹴りを入れた。バルクは咄嗟に右腕を変形させて防ぐ。


「エレキナ!」

「安心して。カリなら縛ってゴミ箱よ。」

「よし。」

「よし!?」


 2人の会話を聞いた女生徒がびっくりする。そんなこと気にせずエレキナはバルクに突撃した。バルクは雷魔法の弾丸を連射する。エレキナは一切避けず弾丸を受けたまま突撃しバルクの顔を掴む。そのまま手から炎魔法を放って燃やした。


「す、凄い…」

「さすが龍人…」

「それでも耐えるかあの男。」


 エレキナの一撃を受けてもバルクは立っていた。フッと笑いエレキナの腕を掴むとブンブン振り回した。そのままケンに向かって投げる。ケンはエレキナを受け止め状態を見る。気持ち悪くなったのか吐きそうになっているだけのエレキナを確認するとその場に座らせる。エレキナが吐いているうちにバルクに詰め寄る。


(さっきから同じ攻撃、同じ突撃…何か策があるのか?それとも待っている?)


 バルクがケンの行動を考察する。すると、背中に痛みが走った。


(何故!?マキナチタンが破られたというのか!?)


 バルクはエリル達の行動を振り返る。彼女達はずっとバルクの背中を攻撃していた。


(まさか!さっきから同じ位置を的確に攻撃していたのか!)

「その顔は気付いたようだな。」

「お前の策か?」

「いや、彼女達の策だ。俺はそれを気付かれないようにしただけ。」

「参った。まさか、取るに足らない存在と侮っていた連中にここまでやられるとは。」


 バルクは今まで無視していたエリル達も警戒し電撃を放つ。その結果、情報が増え対応が遅れ始めた。しかも、ケンも背中の一点を狙って攻撃してくるためさらにリソースを割かれてしまう。


(やると俺自身がショートしてしまうがやむを得ない…)


 バルクが再び詠唱すると地面に巨大な魔法陣が現れた。その時、ケンが地面を殴って魔法陣を破壊した。


「何!?」

「戦闘のコツその3。常に冷静であれ。どんな状況でも狼狽すれば判断力は落ちる。」

「しまった!」


 バルクは後ろを振り返ろうとするとエレキナが突進してきて取っ組み合いになった。そして、動けなくなったバルクの後ろからエリル達が来る。バルクは背中からミサイルを発射するとフリスタンが全て斬った。


「行けエリル!」

「ここからお前達の時代だ。」


 フリスタンとケンに激励されエリルは剣に炎を纏わせ背中の傷に渾身の一撃を叩き込んだ。


「《バーニングスラッシュ》!」


 エリルの一撃はバルクの背中に大ダメージを負わせバルクを倒した。エリルは疲れたのかフラフラしているとケンが支えた。


「ナイスファイト。」

「ありがとうございます。」


 ケンに支えられながら座るとバルクが仰向けになった。


「負けたな。確かに俺達のようなアナログは終わる時代かもな。」


 そう言って懐から封筒を出した。


「この中に指令が入っている。」

「それ、本物だろうな?」

「間違いなく本物だ。」


 フリスタンが封筒を受け取り中から指令書を出す。そこに書いていたのは…


「おいおい…そんなのありか…」


 エクスゲームはまだ始まったばかりだ…

次回予告

次はオリヴィエ達のバトルを書きます。


「今度こそ簡潔に…」

(あ、多分また長くなるやつだこれ…)

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