金か友情か
前回のあらすじ
豪華景品ってなんか唆るよね?
「そう思わない?」
「読者に語りかけるな!」
マクガフィン南東部ショッピングエリア
そこに変装魔法で別人になったヴィザル達がいた。
「助かりました。」
「いえいえなのです。」
「何故あなたが返事するのですか…なのです?」
「無理してない?」
ネルシエルの変装魔法は高度なようで周りの人達はヴィザルに気付かない。ヴィザル達はこのままウェルテルを見つけてエクスゲームの目的と動機を聞く作戦を立てた。
「ウェルテルさんはどこなのでしょうか?」
「普通に考えたら本社ビルじゃない?」
「そうですよね…ってええ!?」
突如ヴィザルの隣に現れたカリスティにびっくりする。カリスティは迷いなく変装しているヴィザルの前に顔を出す。
「よ、よく分かりましたね。」
「あら?知らなかった?私は変装魔法のスペシャリストよ。」
「そういえばそんな設定でしたね。」
「それは言ってはいけない言葉よ。」
周りに話を聞かれないように移動する。どこかの倉庫に移動すると変装魔法を解いて元に戻る。
「それでなんでヴィザル君がウェルテル主催のゲームに参加しているの?」
「分かりませんよ。いきなりターゲットになってしまったんです。」
「ふ〜ん…だったら脱出してみれば。」
「それは無理ですね。今マクガフィン情報を見てみましたけどエクスゲームが終わるまで全航空便がストップしてます。」
フェルトリーネがスマホを見せる。ヴィザル達がええ…と顔を竦めるとウェルテルからまた何かきた。
『エクスゲームを楽しんでいる皆様…』
「全然楽しめてません。」
『勝者の景品が先着2人というのは不満に思う方もいるでしょう。ならばそれに加えてターゲットを連れてきた者達全員に5万エルンを贈呈します。』
「5万エルンってことはは…800万レクス!」
ヴィザルがかなりの高額に驚いているとオリヴィエがヴィザルをツンツンしてカリスティを見るように促した。
「•••800万あればキャバクラ行き放題よね…決めた!」
「逃げましょう!」
「待って!」
ヴィザル達は急いでカリスティから逃げる。しかし、どこもヴィザル達を狙う人達でいっぱいだった。どこに逃げようか考えているとネルシエルが提案した。
「では、ホテルはどうでしょうか?」
「あ〜、確かにいいかもしれません。」
ヴィザル達はすぐにマリーナベイ・エクスに向かう。しかし、到着しても玄関には多くの人達が待ち構えていた。
「バレてる?」
「まぁ、私達が泊まるホテルなんてすぐ分かるかもね。」
ビルの陰から覗いているとヴィザル達の後ろからケンが声をかけてきた。
「ヴィザル。」
「うおっ!ケンさんか…」
ヴィザル達は驚きながらもケンの目を見る。$になっていないのを確認して安心した。
「何が起きたか聞かん。問題は何故ウェルテル社長がこんなゲームを開催したのかだ。まずはウェルテル社長を探すぞ。」
「良かった〜。サリアさんもカリスティさんも金に目が眩んでハンターになりましたから…」
「そのバカ2人は後で制裁だな。」
ケンを先頭にしてマリーナベイ・エクスから離れる。そのままケン達が宿泊しているホテルに入る。ケンの部屋で一安心するとヴィザルのスマホに着信が入った。ヴィザルが出るとヒスイが大声で怒鳴ってきた。
『何を考えているですか!いきなり変なゲームに参加するから心配したわよ!』
「あの…僕にも分かりません。なんでターゲットになったのか僕が聞きたいです。」
『分からないわけないでしょ!?自由見学は中止してみんなでヴィザルを探しているわ!今どこ!?』
怒鳴り続けているヒスイ。ヴィザルが萎縮しているとケンが代わりに電話に出た。
「お電話代わりました。ケン•アレスザードです。」
『え、えっと…ヴィザル君が所属しているクランの人ね。とにかく今いる場所を教えてください。迎えに行きます。』
「いえ、今はそれは得策ではないでしょう。」
『なんでよ!?』
「サリアのバカがヴィザルを捕まえる側になってるので。」
『何考えてるのあの人!?』
「なのでしばらくは俺が責任を持って保護しますので先生は生徒達を安全な場所に避難し待っていてください。よろしくお願いします。」
『う、うん…そ、そういうことなら…分かりました。』
ヒスイが切る。ケンはスマホをヴィザルに返すとヴァンガスに連絡した。
「ヴァンガス、今どこだ?」
『あ?あ〜サリアと一緒にヴィザル探してるが…』
ケンは黙って電話を切る。
「ヴァンガスもアウトだ。」
「もう信じれる人がケンさんしかいない。」
「いや、まだいるだろ。」
「?」
「マキナだ。」
ケンがマキナの名前を出す。ヴィザルはそれを聞いて少しだけ希望を持った。このまま待機するって手もあるがヴィザル達はウェルテルを探す事にした。
一方、そのウェルテルが部屋に戻るとマキナを固定していた椅子が破壊され窓ガラスも割れていた。
「やっぱり動くか。まぁそうじゃないとゲームにならない。」
「社長、準備出来ました。」
ウェルテルの後ろから大男、チャラい男、ボブカットの少女がやってきた。大男がウェルテルに報告する。
「よし、早速始めてくれ。頼んだぞ。」
「「「了解。」」」
3人は返事するとスッと消えた。
次回予告
ゲームが過激になっていく。
「ヤバい奴らばっかりなんですけど。」




