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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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口約束には気を付けろ

前回のあらすじ

可哀想なことにヴィザルはアイアンガイアに加入しました。


「可哀想って言わないでください!」

ここはカブジナの北にある遺跡。そこにアイアンガイアのメンバーが全員集合していた。

「ここがその依頼の遺跡ですか?」

「そうだ。確か名前は三内○山遺跡らしい。」

「大丈夫ですか、その名前!?訴えられませんか!?」

「そもそもそんな名前じゃない。シュルポス遺跡だ。」

「全然、名前違うじゃないですか!」

「あれ?」

サリアにツッコミを入れるヴィザル。メンバー達はその後に遺跡に入った。

遺跡の中を進むと3本の別れ道があった。

「どうします?」

「とりあえず、別れて進もう。」


右の道

ヴァンガス、エレキナ、クロア


中央の道

サリア、ヴィザル、エウリア


左の道

ケン、ヘルマ、カリスティ


この編成で行くことになった。

「じゃあ、行くぞ。」


中央の道

「凄い暗いですね。」

「そうだな。懐中電灯じゃここまでが限界か。エウリア、頼む。」

「わかったわ。」

エウリアが持っている杖をかざすと杖の先が光出した。その結果、遺跡の中が明るくなり、大量の蟲型のモンスターがいるのがわかった。

「・・・うわぁ~。」

「スカラベじゃないだけマシだな。」

「いや、そういう問題じゃないと思います。」

「ヴィザル、あんたは私を全力で守りなさい。」

「あ、エウリアさんってやっぱり蟲が苦手なんですね。」

「やっぱりって何!」

エウリアが叫んだ瞬間、モンスターが三人に襲ってきた。

「来た~!」

「行くぞ、ヴィザル。」

「はい!」

ヴィザルは剣で向かってくるモンスターを斬り倒し、サリアは腕に纏った炎でモンスターを一瞬で燃やしていた。

「サリアさんって強いんですね。」

「な、今までなんだと思っていたんだ!?」

「ギャンブル中毒者。」

「それは事実よ。」

「ぐふっ!」

「あ、倒れた。」

そのまま三人はモンスターを倒しながら進んだ。


進んでいると一際大きい部屋に出た。そこはヴィザル達が入ったところの他に二つの扉もあった。

三人が部屋の中を調べているとヴィザルは部屋の奥に奇妙な文字が彫られた壁を見つけた。おそるおそるその壁を触ってみた瞬間、その壁が急に開きだし、ヴィザルはその中に倒れながら入ってしまった。

「ん?どうした、ヴィザル?」

「あれ、ヴィザルがいないよ。」

二人が見るとそこには壁だけがあった。


「う~ん。ここはどこだ?」

ヴィザルが起き上がると暗い場所だった。手探りで道を進んでいくと少し明るい場所に出た。

その奥を見ると大量の管や鎖、蔦に繋がれたり絡まったりしている少女がいた。ちなみに、全裸だった。

「何これ?」

ヴィザルが近づいて見るとその少女は急に動き始めた。

「・・・我が名、ゼウス・エクス・マキナ。」

「ゼウス・エクス・マキナ?」

「・・・名は?」

「え!?僕の名?えっと僕はヴィザル・オルディタンテって言います。」

「・・・認証。ヴィザル・オルディタンテ、我がマスターに。」

「えっ。マスター!?」

ヴィザルが驚いていると少女は無理矢理、蔦などを引きちぎり倒れた。

「えっと、どうしよう。」

ヴィザルは仕方なく少女を背負って来た道を戻った。戻っていると最初にいた行き止まりに着いた。ヴィザルがどうするか考えていると少女は壁を見て何か呟いた瞬間、壁が開いたのだ。ヴィザルが外に出ると、


全裸で土下座するエレキナの姿があった。

「何があったんですか!?」

「それはこっちのセリフだー!」


ヴィザルが居なくなってすぐ

「ヴィザル、どこだ!」

「返事しなさい!」

二人が探していると扉の一つを破壊してエレキナ達がやって来た。

「おい~~!エレキナ、何やってんの!」

「何って扉を壊しただけだけど。」

「ちょっと、なるべく遺跡は壊さないようにしてくれない!」

「無理。開け方がわからないんじゃ壊す以外方法ないじゃん。」

「悩んだらすぐ壊す癖やめてくれない!そのせいでいろいろと請求されているのよ!」

「じゃあ、あの扉を壊す以外でどうやって開けろと?」

「え?」

「だから、どうやってあの扉を開けるのよ。もし、壊す以外で開けることが出来たら全裸で土下座してあげる。」

エレキナがそう言った瞬間、もう1つの扉が普通に開いて、ケン達が出てきた。

「凄いですね。どうやって開けたんですか?」

「扉に書いてあった通りにやったら開いた。昔の技術は凄いな。文字の通りに魔力を込めたら開く仕掛けになってた。」

「・・・」

「ん?どうした、お前ら?」

沈黙が続いていた。


「と、言うわけだ。」

「なんか、運が悪いと言うかタイミングが悪いと言うか。」

エレキナは全裸で土下座しながら涙を流していた。

「もういいんじゃないでしょうか?」

「いや、いい機会だ。これから、エレキナが何か破壊する度に全裸土下座させるつもりだ。」

「待って!悪かった!悪かったからそれだけはやめてください!」

「そんなことよりヴィザル、背中のなんだ?」

「そんなこと!?」

ヴィザルは事の顛末を話した。

「ゼウス・エクス・マキナ?聞いたことないな。」

「この子、どうするの?」

「本来なら依頼主に出した方がいいと思うけど。」

「ヴィザルをマスターって言ってたんだろ。じゃあ、ヴィザルのもので良くね。」

「なんて、雑な。」

「もうそれでいいんじゃないか。」

「え?」

「ヴィザル、責任持って養いなさい。」

「嘘ですよね!」

「それにしても可愛いじゃねぇか。」

ヴァンガスが少女に触ろうとした瞬間、

「・・・自己防衛開始。対象を排除します。」

口からレーザー光線を放った。

「危ねぇ!何すんだ!」

ギリギリ手が焦げただけで済んだヴァンガスは少女に文句を言った。

「で、でも誰も大怪我しなくて良かったですね。」

「そうだな。・・・なんか焦げ臭くないか?」

「え?そういえば。」

ヴィザル達が臭いの元を探しているとキレイに畳まれたエレキナの服が燃えていた。

「・・・」

「・・・ぎゃーっ!」

「なんか散々ですね。」

「どうするの、これ!服が、服が~!」

エレキナがあわてて消すが服は炭になっていた。

「何してくれてるの!このポンコツ~!」

「待ってください、エレキナさん!裸丸見えです!」

少女に掴みかかるエレキナをヴィザルは赤面して目を瞑りながら落ち着かせていた。

結局、エレキナはカリスティの変装魔法で服を着て帰ることになった。



「あの、何故カリスティさんはニヤニヤしながらエレキナさんを撮っているんですか?」

「あいつのことだ。ろくでもないことだろ。」

スマホでエレキナを撮影しまくっているカリスティを見て不思議に思うヴィザルだった。

次回予告

ついに、あの人が登場!


「誰だよ!」

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