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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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エクスゲーム

前回のあらすじ

不穏な空気が流れる修学旅行3日目


「まぁ、ヴィザル達は知らないんですけどね。」

 修学旅行4日目

 昨日はなんともなく見学が終わり食事も終わりヴィザル達は罰として風呂掃除と反省文も済ませた。そのためクタクタで朝起きても疲れが取れない。ヴィザルが大きく欠伸をしているとフェルトリーネが隣に来た。彼女も眠たいようで欠伸していた。


「おはようヴィザルン。」

「珍しく元気ないですね。」

「うん…反省文がキツかった〜。今日はなんかやる気でないかも。」


 2人が大広間に入る。そこではオリヴィエが待っていた。ヴィザルが座ると隣に座って朝食を食べる。朝食が終わるとヒスイとフリスタンが壇上に上がった。


「今日はグループに別れて好きなところを見学する日だ。」

「見学する場所はマクガフィン戦争資料館、未来と科学博物館、ファウスト社歴史博物館以外の博物館、資料館ならどこでもいいわ。」

「時間は10時から17時まで。昼食は各グループで好きにとってよし。何かあったら私達に報告するように。」


 ヒスイとフリスタンが説明を終えるとサリアが箱を運んできた。それをテーブルの上に置く。


「それじゃあ、グループは今からくじ引きで決めるから。」


 ヒスイの言葉にみんな驚愕する。


「なんで!?」

「グループどうするのだろうって思ってたらそんなのありですか?」

「だって好きに作ってって言ったらみんなヴィザルと組みたがるでしょ?」


 ガヤガヤ文句言う生徒達をアルティネが一言で黙らせる。やっぱりというかみんなヴィザルと組みたがっているのは事実だった。と、いうことでヒスイ達が5、6人のグループをくじ引きで決めた。その結果…


「よ、よろしくお願いします。」


 ヴィザルはオリヴィエとフェルトリーネと初めて話す双子の女の子と猫耳の少女の3人と組むことになった。


「やったー!ヴィザルンと一緒だー!」

「元気出ましたね。」

「ヴィザル君と同じグループ…これも運命ね。」


 テンション爆上げのフェルトリーネとオリヴィエに抗議するリリエスタ達。しかし、不正はやってないとフリスタンが鎮める。

 結局、変わることなく自由見学が始まった。ヴィザルグループはどこにするのか話し合いながら街中を歩く。それとついでに自己紹介もした。


「え、えっと、ヴィザルです。よろしくお願いします。」

「はい!よろしくなのです!」


 最初に元気良く返事してくれたのは金色に赤のメッシュが入ったツインテールの女の子だった。彼女は銀色に青のメッシュが入ったツインテールの女の子と手を合わせ自己紹介をした。


「冒険科Eクラスのシャムエラ•アウティネスなのです!」

「同じく冒険科Eクラスのネルシエル•アウティネス。シャムエラの姉…なのです。」


 シャムエラ、ネルシエル姉妹が自己紹介する。それに続いて猫耳の少女が自己紹介した。


「マズル•サンライト。私は1人で勝手にするから好きにして。」

「ヴィザルン、あれがツンデレ?」

「いや、ただの集団行動が苦手な人ですね。」

「•••あなた達、背中に気を付けなさい。」

「静かに起こるタイプだ!」


 マズルが先々行ってしまう。一応グループ行動のため先々行くマズルを無理矢理連れてどこに見学しに行くか考える。すると、フェルトリーネが行ってみたい場所があると言ってヴィザル達を連れて行った。


「•••ってなんでここー!?」


 フェルトリーネが連れて来たのはSM博物館だった。博物館内は三角木馬や数々の鞭などの道具やSMの歴史を知らせる資料、さらには体験コーナーまであった。


「やってみようヴィザルン!」

「却下です!却下!」


 顔を赤くしてキョロキョロするアウティネス姉妹。ヴィザルと鞭を交互に見るオリヴィエ。なんでこんなことにと呆れ下を向くマズル。そんな彼女達も連れてフェルトリーネは体験コーナーへと向かう。


「オリヴィエさん、それ僕に使おうなんて思わないでくださいね。」

「ギクッ!」


 ヴィザルがオリヴィエに釘を刺しているとモニターが突然変わりウェルテルが映った。


『本日はマクガフィンにお越しいただきありがとうございます。本日、お越しいただいた皆様にちょっとしたゲームをご用意しております。』


 ウェルテルはそう言ってモニターをマクガフィンの全体図に変えた。


『ゲームの名前はエクスゲーム。ルールは逃げるターゲットチームと捕まえるハンターチームに別れハンターチームがターゲットを捕まえある場所に連れて来たらハンターチームの勝利。ターゲットチームはハンターチームから逃げながらマクガフィン内にある指令をクリアしたら勝利となります。』

「へぇ、あの人そんなゲーム考えていたんだ。」


 フェルトリーネがモニターをマジマジと見ている。


『チーム分けは自然と出来るでしょう。そして、勝利した景品は…マクガフィン永久利用券。』

「マジ!?」

『これがあればマクガフィンでいつでもいつまでもVIP対応になります。ちなみに、先着2名まで。』


 ウェルテルが見せたVIP券にみんな目を輝かせていた。それもそのはず今話題の超一流企業が運営する一大プロジェクト都市を永遠に利用出来るのだから。


『それではターゲットをお教えます。ターゲットはこの少年です。』


 そう言ってウェルテルはモニターにターゲットを映した。マクガフィン空港から出て来たヴィザルだった。それを見たヴィザル達は思考を停止させていた。


「あ、あれ?見間違いじゃなかったら僕ですよね?」

「う、うん…ヴィザル君よね…」

「ヴィザルンがターゲット…」


 ヴィザル達が呆然としているとモニターとヴィザルを交互に見た周りの人達の目が正しくハンターと言わんばかりに光った。


「な、なんで〜!?」


 ヴィザルはオリヴィエ達と一緒に捕まえようと襲ってくる人達から逃げた。

 この瞬間、マクガフィン中を巻き込んだゲームが始まった。

次回予告

遂に始まるエクスゲーム。そのターゲットとなったヴィザルに容赦なく襲ってくるハンター側の人達。そんな中でも彼に味方してくれる人達もいた。


「さぁ、任せて!」

「不安しかないです。」

「なんで!?」

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