未来を変えるのは発明と戦争
前回のあらすじ
寝不足はよくない。
「作者って寝れない時何してました?」
「チンチロ。」
「嘘でしょ!?」
修学旅行3日目
ヴィザル達Fクラスは未来と科学博物館に向かうバスに乗っていた。ほとんどの生徒がワイワイそている中、ヴィザル達だけはどんよりしていた。
「何があったの?」
「昨日、ヴィザルの部屋でフェル達が寝泊まりしていたからこっぴどく叱られた。」
女子生徒の質問にエリルが答えた。ヴィザル達はあの後、ヒスイとフリスタンに説教され露天風呂の掃除と反省文を書かされるはめになった。しかも、寝たのが朝の4時のためあまり寝ておらず睡魔が襲ってきていた。
「ハメを外し過ぎた結果だ。」
「いいなぁ。私もヴィザル君の部屋に行きたかった。」
「もうすぐ着くからね!それとヴィザル達は自業自得だから気にしない!」
ヒスイとアルティネが生徒達に呼びかける。サリアはフリスタンと一緒にEクラスに同行している。未来と科学博物館の前に着くとヒスイを先頭にして入館する。
「よろしくお願いします。」
館長を務める男性に挨拶して未来と科学博物館の見学を始めた。
一方、ファウスト社本社最上階社長室にウェルテルが立っていた。すると、社長室にマキナが入ってきた。
「久しぶりだな。」
「•••あなたは何故私を知っているのですか?」
「なんだ。俺を覚えてないのか?…そうだった。確かあの時記憶を無くしていたんだな。」
ウェルテルは机から小さな装置を取り出すとマキナに向けた。その瞬間、マキナは自分の頭を抑え膝を着いた。しばらくして立ち上がると思い出したのか目を見開いてウェルテルを見た。
「私は…」
「やっと思い出したか。そうだ。お前も俺も戦争根絶のために造られた殲滅兵器だ。ゼウス・エクス・マキナ…いや、ヨハネ。」
「ウェルテル…」
ウェルテルはヨハネと呼んだマキナに近付く。
「ゼウス・エクス・マキナは戦争で死んだ人間をベースに機械を埋め込み創り出した禁忌の存在。その第1号がお前だ。つまり、俺達はお前を元に造られた後継機というわけだ姉さん。」
「そういうことなのね。」
「お前が機能停止した時、俺達はお前の復活を実現させるため後にシュルポス遺跡と呼ばれたあの場所に生命維持装置を作りお前を入れた。まさか俺達よりも先に目覚めさせる者がいるとは思わなかった。」
「ええ、マスターのおかげです。」
マキナはウェルテルに砲塔に変化させた右腕を向ける。
「ここじゃ後片付けが大変だから移動しよう。」
ウェルテルは微笑み指を鳴らす。すると、床が光り魔法陣が現れると2人は一瞬で何もない白い部屋に移動した。
「ここなら邪魔も入らないし迷惑もかからない。」
「目的はなんですか?」
「それを知るには俺達の仲間になるか俺に勝つかだ。」
「なら後者で。」
マキナは先制攻撃として右腕から光線を発射した。マキナ対ウェルテルの勝負が始まった。
一方その頃、未来と科学博物館ではヴィザル達が見学していた。様々なロボットやアンドロイド、異世界の発明品などずらりと並んでいて圧巻だった。
「へぇ、マリアって元々は危険な場所で作業するためのアンドロイドなんだ。」
「最初はお掃除ロボットや危険な場所での作業用ロボットの開発、生産をしている会社なんだ。」
ヴィザルがオリヴィエ、エリルと一緒に博物館内を歩いている。すると、兵器や武器などが並ぶ物騒なコーナーが目に着いた。
「何これ…」
「“歴史を変えた兵器”………異世界の兵器を展示しているところみたいですね。」
気になって入ってみる。そこにはこの世界や異世界で起きた戦争の歴史とそれに関連する発明品や兵器が説明されていた。
「魔法のない世界でもこんな戦争が起きていたんだ。」
「戦車、戦闘機、戦艦…核…この世界より恐ろしいんだが。」
見たことない兵器にヴィザル達は魅入っていた。
そして………
「世界を変えるのはいつも戦争だ。この世界も別の世界も発明は戦争によってその真価を示し普及した。俺達はその最高傑作だ。そうだろヨハネ。」
ウェルテルは倒れているマキナに話しかける。ウェルテルの勝利で決着した。ウェルテルは着崩れしたスーツを直しながらマキナに話しかける。
「俺達はあんたの後継機、つまりあんたよりスペックは上だ。」
ウェルテルが再び指を鳴らすと魔法陣が現れ社長室に戻った。すると、大男、チャラい男、ボブカットの少女が社長室に入ってきた。
「やっと終わりましたか社長?」
「ああ、全員に通達しろ。明日エクスゲームを実行する。」
「了解しました。」
3人が社長室を出る。ウェルテルはマキナを抱えると窓から外の景色を見た。
「ヨハネ、お前が信頼しているマスター、見せてもらうぞ。」
そう言ってウェルテルはマキナを抱えたまま社長室を出て行った。
次回予告
とうとう始まるウェルテルの計画エクスゲーム。その内容とは…
「•••」
「•••」
「あの、誰か喋ってください。」




