意外と優しいのは不良あるある
前回のあらすじ
不良龍人登場!
「既に登場してますけど。」
「え?それって私?」
「よし!やろうか!」
「僕の話聞いてくれません?」
ヴィザルが話すも聞く耳をもたずと言わんばかりにカーリーンが攻めてきた。彼女はパンチを避ける。今度はキックだ。これもまた避ける。次は回転しながら尻尾で攻撃した。ヴィザルはこれも避けた。
「避けてばっかりだな!慄いたか!?」
(早く帰りたい…)
戦闘の意思が感じれないヴィザルにカーリーンはイライラしている。ならばと空に飛び上がり口から炎を吐いた。さすがにこれは避けられないだろうと思っているとヴィザルは逆立ちし回転しながら風を纏った両足で炎を掻き消した。
「や、やるじゃねぇか。」
カーリーンは急降下してヴィザルを攻撃する。ヴィザルが下がって避けるとすぐに接近して鋭い爪で攻撃する。ヴィザルは紙一重で避けまた下がった。
「あ〜もう!なんだよさっきから!避けてばっかで全然来ねぇじゃねぇか!」
「だって戦う理由ゼロですよね?」
「理由ならあるだろ!拳で語り合いだ!」
「脳筋!」
カーリーンは再び激しい攻撃を繰り出す。それもヴィザルは避け続けた。口から炎を吐くと風魔法で吹き飛ばす。雷を落とすも蹴りで弾かれる。光線ならどうだと撃つと蹴りで拡散された。
「ま、マジかよ。龍人に臆さねぇ。もしかして、知り合いに龍人がいるのか?」
「いますよ。たまに全裸にされる不憫な龍人が仲間にいます。」
「ハックション!」
「どうしたのよエレキナ?」
「いや、誰か噂してるのか?」
「なんだその龍人…」
ヴィザルがエレキナのことを思い出しながら話す。その内容にカーリーンは少し引いている。気を取り直して再び攻撃しようとするとヴィザルが一瞬で目の前にきた。
「!」
やられる。そう思い目を瞑ってしまったがヴィザルは近付くだけで何もしてこなかった。
「なんだよ。なめてんのか?」
「いえ。ただあんな理由じゃ戦う気になれないってだけです。」
カーリーンが不満そうにしていると突然彼女の両手の枷が合体し拘束された。なんだと驚いていると両足の枷も拘束されカーリーンは倒れた。ヴィザルが駆け寄るとそこにアイリスとヒルデがやってきた。
「カーリーン。明日復学するというのにもう問題起こすのか。」
「そんなんじゃねぇよ。」
カーリーンはよっこらしょと起き上がって正座する。ヴィザルはカーリーンの手枷足枷が気になって聞いてみた。
「なんですかあれ?」
「懲罰用の枷だ。カーリーンはたまにやんちゃじゃ済ませなくなるようなことしてるから。」
ヴィザルがカーリーンを見る。カーリーンは目を反らす。
「そういえばなんで留年なんかしたんですか?」
「気に入らない奴を殴ったから。」
「なんて野蛮な…」
「言葉足らないだろ。」
テキトーに話したカーリーンの代わりにヒルデが説明してくれた。
「カーリーンが訪れた国でいじめをしていた連中を殴り飛ばしたんだ。その連中のうちの1人がその国の貴族の息子でな父親が裁くと言って引き渡しを要求してきた。自分の息子がしてきたことなんか無視してな。もちろん要求は拒否した。が、カーリーンが暴力を振るったのも事実。だから、停学というかたちでほとぼりが冷めるのを待ったということだ。」
「なんだ。優しいじゃないですか。」
ヴィザルがボソッと呟いた一言にカーリーンは豆鉄砲をくらった鳩のような顔をした。
「お前、私を優しいと思うのか?」
「はい。確かに暴力はどうかと思いますけど誰かを助けたいと思った行動ならバカにする理由はありませんよ。」
「お、おう…」
ヴィザルの言葉にカーリーンは顔を赤らめそっぽを向く。
「チョロいな〜。」
「カーリーンも男耐性ないからね。」
「それにしてもヴィザルは罪な男だね〜。」
ニヤニヤしてこちらを見るアイリスにヴィザルは首を傾げる。すると、ヒルデがヴィザルに報告した。
「ヴィザル、さっき魔道具開発部の部室の前を通ったらオリヴィエが部員達と一緒に全自動皮剥き機なんて造っていたが…」
「ちょっと待ってくださ〜い!」
ヴィザルが猛ダッシュでステージから去って行く。残されたカーリーンはモジモジしながらヴィザルの背中を見ているとアイリスが彼女に耳打ちした。
「ヴィザルは優しくて大人しい娘がタイプだぞ。」
「お、おう…」
生返事するカーリーンであった。
次回予告
お嬢様と言えばあれ!
「これ僕関係ないですよね?」




