ライバル同士の共闘は胸が熱い
前回のあらすじ
大乱闘スマッ◯ュブラぐほぉっ!
無言で殴るヴィザル。
「ちょっと待って。どうやって、あらすじを殴ったの!?」
ヘルマ達の乱戦が終わった。
『あ、どうやら乱戦が終わったみたいですね。』
『そうですね。しかし、凄いですね。今大会はアイアンガイアのケン・アレスザード選手といい、バースロット・ヨルムガンド選手といい、勇薙進一選手といい、どうなっているんだといいたいぐらい凄い選手達がいますね。』
『えぇ、まだ目立っていませんけどインドライガもワイルドビーストやギガントタイタンのメンバーを次々と倒していますからね。』
『これからも見逃せない戦いが見れそうですね!』
廃墟ゾーンのショッピングモールの中にインドライガがいた。インドライガは歩いているといきなり後ろに尻尾で攻撃した。すると、いきなり尻尾に貫かれている男が現れた。
「なんで、わかった?」
「第六感。」
男はそのまま退場した。
海洋ゾーンの小島の一つにカリスティがいた。彼女の周りには縛られた女性達がいた。そう、カリスティはラスト・ワン・オデュッセイアが始まってからずっと男は倒し、女は拉致していたのだ。
「やっぱり、エンジェルフォースの女の子は可愛いわね。私もエンジェルフォースに入ろうかしら?」
「ん~!ん~!」
エンジェルフォースのメンバーらしき女性は全力で首を横に振っている。よく見ると拉致された女性の中には天桜の狐やレジェンドドラゴンのメンバーもいた。
カリスティが愛でていると後ろから男が現れた。
「まるで淫欲の塊だな。」
男は着物姿で蒼い鞘を腰に携えていた。そこから刀身が海のように青い刀を抜いて構えた。
「我は海神海翔。邪を斬る狐の一員として淫魔をここで討つ。」
ここにカリスティvs海神の戦いが始まろうとしていた。
各地で戦いが始まっている中、ある場所に一人の女性がいることにホルンが気付いた。
『あれ、トロイタワーの屋上にエレキナ・レダニウス選手がいますね。』
そう、そこにはエレキナがいたのだ。エレキナはトロイタワー内部の相手全員倒して屋上に上がったのだ。
『そうですね。』
『あの~。実は気になることがあるんですが、以前からエレキナ・レダニウス選手の露出徘徊の噂が跡を絶たないんですけどどういうことですか?』
ピクッ
『それは多分、カリスティさんのせいだと思います。』
『え、どういうことですか!?』
ピクピクッ
『実はある理由で外で全裸になったエレキナさんをカリスティさんが相手の服装を変える変装魔法で服を着させていたんですがこの変装魔法に細工をしていたんだと思います。』
ピクピクピクッ
『それはどんな細工ですか?』
『アイアンガイア以外の一部の人にはその魔法が見えなくなる細工です。つまり、一部の人にとってはエレキナさんが全裸で堂々と歩いているように見えるんです。』
『な、なるほど。』
『あ、あの~その話は今は止めた方がいいのでは?』
『え?あっ。』
アテリナに言われホルンがトロイタワーの屋上を見ると全身から真っ赤なオーラを放っているエレキナがいた。
「カ~リ~ス~ティ~!」
『や、ヤバい!エレキナ・レダニウス選手が怒りの頂点に!そりゃそうですよねぇ。』
『ちなみに、その写真ならいっぱい持ってますよ。』
『何、火にガソリンを注いでいるんですか!?』
『すでに裏では好評発売中です。』
『バカー!』
実況を聞いてしまったエレキナが空を飛びながら辺り一面に光線を放った。その光線は無差別に周りを破壊してそこにいた人達を次々と焼き払っていった。
「どこだ!出て来い、カリスティ~!」
さらに、エレキナは光線の他に炎魔法を隕石みたいに降らして全てのゾーンに攻撃を始めた。
『これ、ホントにヤバい!このままだとトロイランドが壊滅してしまいます!』
『これで既に参加メンバーの3割ぐらい消えましたね。』
『こ、これがインドライガ・ペンドラグーン選手と同じ龍人の力・・・』
しばらく撃ち続けた後、エレキナは静かになった。
『あれ?いきなり止まりましたね?』
「・・・カリスティを抹殺した後にこの世界を滅ぼす。」
『魔王みたいなこと言い出した~!』
『仕方ないですね。既に、エレキナさんの全裸露出徘徊写真は国中に出回っていますから。』
『本当に何してくれているんですか!?マジで世界を滅ぼしかねない勢いでトロイランドを破壊してますよ!』
『こんな理由で魔王になる人は初めて見た。』
『魔王ってこんな風に誕生するんですね。』
『違いますよ。』
実況を聞いていた人達はあわててエレキナから逃げようとした。その実況はもちろんカリスティも聞いていた。
「・・・バレたみたいね。」
「貴様が元凶かー!」
海神が構えたままツッコミを入れた。すると、口枷を自力で外した女性が大声で叫んだ。
「あなた、とにかくこの女を倒して!でないとトロイランドが滅びるわ!」
「無論。」
「いいのかしら?もし、私を倒してここからいなくなったらエレキナの怒りはどこに向くのかしら?」
「おい、元凶が自分を人質にしやがった!」
海神はそれでも容赦なくカリスティに向けて水の刃を飛ばした。しかし、カリスティはそれらの軌道を全て変え、海神に向けた。
「何!?」
海神は下がりながら全て切り、距離をとった。その間もエレキナは暴れていた。
すると、エレキナの前にトールバスターが現れた。彼は背中に純白の翼を作り出して飛んでいた。
「エレキナ君、気持ちは分かる。しかし、このまま暴走する君を見逃せない。だから、ここで君を止める。」
『おっとー!暴れる魔王、エレキナ・レダニウス選手の前に登場した勇者はシルバーホークマスター、トールバスター・スティンガー選手だ~!』
『頑張って、トールバスターさん!この国の未来はあなたにかかっています!』
「なんというか、こんな勇者は嫌だな。」
トールバスターは気まずそうに暴れているエレキナを見ていた。エレキナはトールバスターに狙いを定めたのか目を真っ赤にして口から白い煙を吐いて睨んでいた。
「邪魔をするならば貴様から滅する。」
「最早、悪鬼羅刹だな。」
「邪魔を、するなー!」
エレキナは口から真っ赤な破壊光線を放った。トールバスターはシールドで防ぎ、光線をずらした。
光線をずらしたらすぐにエレキナはシールドに着地した。そして、そのまま鋭い爪でシールドを攻撃し始めた。
「ぐっ!やはり龍人は厄介だな。」
「全てを滅する!」
エレキナはシールドにヒビを入れた後におもいっきりパンチしてシールドを破壊した。トールバスターは両手でパンチを防いだが後ろに飛ばされた。そのままトールバスターは空を飛びながらエレキナに光魔法で攻撃した。
エレキナもトールバスターを追いながら攻撃を続けた。エレキナの攻撃は廃墟ゾーンの各地を破壊していた。トールバスターもなるべく被害を出さないように防ぎながら反撃した。
『凄い!勇者、トールバスター・スティンガー選手の猛攻が魔王、エレキナ・レダニウス選手を止めてくれている!』
『勇者様。頑張ってください。』
『なんか違う小説みたいになってない?』
実況がトールバスターを応援している中、トールバスターはエレキナの攻撃を避けながら反撃を続けた。しかし、怒りで我を忘れているエレキナには全く効いていないようで光線を連射し続けている。
「普通の攻撃じゃダメか。しかし、あれを放つ隙がない。どうすれば?」
トールバスターが苦戦しているとエレキナはトールバスターに向けて口から特大の光線を放った。すると、ショッピングモールから影が出てきてその光線を一瞬で消し去った。
その影は、
「トールバスター。俺のライバルだと言われるなら同じ龍人に苦戦するな。」
レジェンドドラゴンのマスター、インドライガ・ペンドラグーンだった。
「わかっている、インドライガ。ここは一時休戦だ。二人であいつを止めるぞ。」
『おぉ~!ここでなんとレジェンドドラゴンマスターのインドライガ・ペンドラグーン選手がトールバスター・スティンガー選手の隣に並んだー!まさかのライバル同士の奇跡の共闘だ~。』
『ねぇ、これはここでしていいの?普通の小説だと最終回直前とかにやる奴だよね?大丈夫なの?』
珍しくフィルディオがツッコミを入れている中、インドライガとトールバスターは背中合わせになって一緒にエレキナを見て構えた。
次回予告
ついに、手を組んだインドライガとトールバスター。二人は暴れる魔王、エレキナからトロイランドを守りきることができるのか!?そして、オリュンティア公国の運命は!?未来は二人に託された!
「なんだこれ!?完全にあいつらが主人公じゃねぇか!?」
「でもなんか納得してます。」
「エレキナちゃん、恐いわねぇ。」
「カリスティさんのせいですよ!」