授業中にハプニングが起きるのは学園あるある
前回のあらすじ
3年生の勝ち
「盛り上がりがない…」
「そんなことないよね!?」
「それより私達の出番が…」
ある日、ヴィザル達はヒスイの授業を受けていた。
「今日、皆さんにしていただく魔法はスティールです。」
そう言うとヒスイは手を伸ばしてスティールと唱えると教壇に置いてあったボールペンが彼女の手元にきた。
「スティールはこうやって離れたところにある物体を手元に寄せる魔法です。」
「スティールって盗むって意味ですよね?なんか犯罪臭がするといいますか…」
「そうですね。スティールは元々ある盗賊が瞬間移動を改造して作った魔法です。その盗賊はスティールを使って数々の盗みを働きました。でも今では暴徒が持つ武器などを離れた場所から押収するための魔法として多くの警察組織が採用しています。」
ヴィザルの質問にヒスイが答える。説明が終わると2人一組になるように指示した。みんな、ヴィザルと組みたいと言ったがオリヴィエの目を見てヴィザルの相手をオリヴィエに譲った。
ヴィザルとオリヴィエがペアになりお互い向き合う。すると、ヒスイがヴィザルとオリヴィエのもとに来た。
「そういえば、オリヴィエちゃんはこの前の対抗戦でスティールを使ってましたね。」
「はい。」
「じゃあオリヴィエちゃんは大丈夫ね。ヴィザル君に教えてあげてね。」
「分かりました。」
ヒスイが他の生徒のところに行く。オリヴィエはやる気満々でこちらを見ている。杖を持ってヴィザルの前に出す。
「ヴィザル君早速やりましょう!まずはこの杖をスティールしてください!」
「は、はい。」
ヴィザルはヒスイのように手を伸ばして唱えてみるが杖は動かない。何度も試してみるがスティールは発動しない。
「ヴィザル君、スティールは遠くにある物体を手元に瞬間移動させる魔法なの。だから、瞬間移動する時に自分が行きたい場所を思い浮かべるように物をどこに移動させたいのか頭に浮かべるの。」
「は、はい。」
オリヴィエのアドバイスを聞いてもう一度手を伸ばして唱える。すると、杖が少しだけ動いた。しかし、これでは瞬間移動ではなくただの移動だ。
「ん〜。物体を動かす魔法を瞬間的にやるって感じかなぁ?」
オリヴィエが手本を見せるように手を伸ばして唱えるとヴィザルの後ろに置いてあったヴィザルの筆箱が一瞬でオリヴィエの手元に移動した。ヴィザルはそれを見て拍手する。
「さすがうちの学校の優等生。」
ヴィザルに褒められ照れてしまうオリヴィエ。ヴィザルもオリヴィエのようにスティールを唱えるがなかなか上手くいかない。チラリと周りを見るとエリルやロゼリアのように上手くいく生徒もいればフェルトリーネのようになかなか上手くいかない生徒もいた。何故上手くいかないのか考えているとオリヴィエが覗き込んでこた。
「うわぁ!」
「ごめんヴィザル君。…そうだ!杖以外ならいけるかも!ヴィザル君、私が持っている物から好きな物をスティールしてみて!」
そう言ってオリヴィエはペンや教科書などいろいろ持ってヴィザルの前に立った。ヴィザルもそれなら出来るかもと再び手を伸ばして唱えた。その時、窓から入ってきたいたずらな風がオリヴィエのスカートをめくる。
「スティール!」
ヴィザルが唱えると同時に見てしまった。オリヴィエは顔を紅くしてヴィザルの手を見る。ヴィザルも手を見るとピンクと白の縞模様のパンツを握っていた。
「ヴィ、ヴィザル君…」
「ヴィザルン、それはないよ…」
オリヴィエは恥ずかしがり近くにいたフェルトリーネ達は若干引いた。ヴィザルもヤバいと判断し土下座してパンツを返す。その時またいたずらな風が吹きオリヴィエのスカートをめくってしまった。その瞬間を見てしまったヴィザルは固まっている。オリヴィエは顔中真っ赤にしてパンツを取り返し叫びながらヴィザルを杖で殴打した。
「オリヴィエちゃん、取るのは物であって命じゃないよ。」
ガスッ、ゴスッという鈍い音とヒスイの注意する声だけが聞こえていた。
次回予告
学校の昼休み定番のあれ!
「小学校とかなら結構見ますね。」




