オリジナルとか独創的なつもりでも既に存在していてパクリになってしまうのは創作小説あるある
前回のあらすじ
オリヴィエは怖い。
「そんなぁ。私は普通の乙女ですよ。」
(普通の乙女はチェーンソーを振り回しません。)
ある日、ヴィザルが書類を職員室に届けているとサリアがスマホをジーと見て何かしていた。
「何しているんですか?」
「ヴィザルか。丁度いい。これを見てくれ。」
サリアが見せたのは『スーパーノベル大賞∶秋』と記載されたサイトである。その下には大賞は賞金30万レクスとも記載されている。
「またですか。」
「今度こそ!今度こそ大賞取って賞金を手に入れる!」
「それで何を出すんですか?」
「よくぞ聞いてくれた!まだあらすじしか書いてないが見てくれ!」
サリアが意気揚々と見せる。
内容は舞台は東京、昔からアヤカシと呼ばれる異形が悪さしていた。主人公煉獄鬼銃狼は妖の王によってアヤカシにされた妹を救うため妖殺陰陽隊に入る。というものであった。
「•••タイトルは?」
「ズバリ…『妖滅の刃』だ!」
「却下。」
ヴィザルは無慈悲にサリアの書いた小説を削除する。
「NOooooooo!何するんだ!?」
「何400億に便乗しようとしてるんですか!?こんなんじゃ4億すらいきませんよ!」
「そんなぁ〜!」
ガクッと項垂れたサリアはまた作成中の小説を見せた。
「これならどうだ!『転生したらネズミだった件ですが何か?』異世界に転生すると何故かネズミになっていた高校生が主人公だ!」
「それ、話が進むにつれ人間になってネズミの設定どこいった?になるやつですよね?」
「うぐっ!」
「しかも、スライムや蜘蛛の二番煎じですよ。」
「ガハッ!」
無情にもまた消去するヴィザル。
「だ、だったら魔王と呼ばれた少年がロボットと一緒に宇宙に旅出し友達を作るってのは!?」
「とうとうマガジンにまで喧嘩を売りましたか。」
「じゃあ役立たずと言われ追放されたが実は凄い魔法を持っていてその仲間にざまぁするやつは!?」
「ありきたり過ぎてつまらないですね。」
「ドジな少年のところに未来から来たロボットがいろんなアイテムでいろいろしてくれるってのは!?」
「とりあえず青タヌキに殴られてください。」
案を出し続けるサリアだがどれもどこかで見たような設定だったためヴィザルは却下した。サリアは机にうつ伏せになり不貞腐れた。
「そもそもさ〜、受賞している作品だって多少どこかのパクリなんだしさぁ〜、ちょっとぐらいパクってもオマージュって言えば良くない?」
「身も蓋もないこと言い始めた!」
「よし!」
ヴィザルの制止も聞かずにサリアが小説を書いた。小説が完成し満面の笑顔になるサリア。嫌な予感しかしないヴィザルにサリアは小説を見せた。
「これでどうだ!」
「え〜と、何々…”元殺し屋の男子高校生が異世界に転生すると何故か悪役令嬢になっていて学園から追放されると魔神の実を食べ最強の魔王になって追放した学園にざまぁしてハーレム築いてのんびりスローライフを楽しんでいく。“•••入れ過ぎだろぉ!!」
「そう!タイトルは『元殺し屋の高校生悪役令嬢になる!〜勇者が通う学園から追放されたけど最強の実で最強の魔王になったので今更戻ってと言ってももう遅い。美少女軍団と一緒にざまぁしながらスローライフ満喫します!〜』だ!」
「長い!長過ぎる!前より長い!っていうかどんだけハーレムとざまぁ好きなんですか!?」
「投稿っと。」
サリアはヴィザルがダメ出しする前に小説を投稿した。案の定というかやっぱりこの小説は結局大賞どころか入賞すらなかった。
次回予告
他のクラスの美少女達が登場。
「まともな人でありますように。まともな人でありますように…」




