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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
260/406

体が入れ替わるとやってみたいことがある

前回のあらすじ

いろんな漫画で見てきた精神入れ替わり回


「何番煎じだよこれ?」

 急いでサリア(inカリスティ)を捜索するエウリア(inサリア)達。3つのグループに別れてカブジナ中を探す。ちなみに、シスターズは例のマシンをゲルドに持って行っている。


「あのやろ〜。この状況に慣れるの早すぎだろ。」

「絶対ヤバいこと企んでるでしょ。」


 エウリア(inサリア)とカリスティ(inエウリア)がブツブツ言いながら探す。後ろではヘルマ(inケン)とクロアもいる。

 どれだけ探しても見つからない。しかも、慣れない他人の体で動いているためいつもより疲れが早くきてしまっていた。


「このままじゃ埒が明かん。親父!ビール1杯!」

「エウリアちゃん。サリアの真似事かい?」


 エウリア(inサリア)が店でビールを頼んでいた。


「何やってんだてめぇ!」

「私の体ーー!!」

「しまったー!」


 いつものノリで蹴り飛ばす。しかし、今のケンの体はヘルマでありサリアの体はエウリアになっているためいつもの勢いで蹴れば当然こうなる。

 ヘルマ(inケン)は慌てて壁に突き刺さっているエウリア(inサリア)を引き抜く。頭から血を流して気絶しているエウリア(inサリア)。大急ぎで応急処置するヘルマ(inケン)。それを何事かと見ているギルガ。


「何してんだお前ら?」

「あ、ギルガ。」


 ギルガに気付いたクロアが質問する。


「なぁ、カリスティ見なかった?」

「そこにいるだろ。」


 ギルガは呆れながらカリスティ(inエウリア)を指差す。


「いや、そうじゃなくて…えーっと…」

「サリアを見なかったか?」

「なんか雰囲気違くないか?•••そういえばサリアの奴、あの店から出てたな。ウキウキで。」


 ヘルマ(inケン)に戸惑いつつギルガはある店を指差した。その店は大人の玩具やグッズなどを販売しているモザイクだらけの店だった。


「「「何してるんだあいつーー!!」」」


 一方


「なんでこいつと組まなきゃなんねぇんだ?」

「それはこっちの台詞。」


 互いを睨んでいるエレキナ(inヴァンガス)とヴァンガス(inエレキナ)。その後ろで面倒だと思いながら着いて行くアルティネ。すると、そこにジルフレイムがやってきた。


「ねぇあんた達。」

「なんでざますか?」


 エレキナ(inヴァンガス)を蹴り飛ばすヴァンガス(inエレキナ)。


「なんで私がそんなドラキュラみたいな口調になってるんだ?」

「てめぇ、こうだっただろ。」

「んなわけないだろ!」

「何してんのよあんた達?」

「なんでもないガンスよ。」


 ヴァンガス(inエレキナ)を蹴り飛ばすエレキナ(inヴァンガス)。


「おい!俺をオオカミ男みたいな口調にしてんじゃねぇ!」

「お前、狼男だろうが!」

「そうだけどそうじゃねぇ!」

「ちょっと待って。このままだと私がフンガーって言わないといけなくなるじゃない。」

「だから何してんのあんた達!?」


 ジルフレイムが二人の間に割って入る。


「それで何があったのよ?」

「ア、アルティネもいるのね。あんた達、サリア見なかった?」

「見てない。ってか今探してる。」

「そう…」

「どうしたの?」


 アルティネが聞くとジルフレイムは気まずそうに話し始めた。


「さっきサリアがエンジェルフォースのメンバーを次々とナンパしていたみたいなの。しかも、ラブボに連れ込もうともしていたらしい。」

「「「何やってんだあのバカーー!」」」


 一方


「あの…ウズメさん?」


 ケンの体を触りながらぼ~っとしているウズメにヴィザルがさっきから声をかけているが反応なし。仕方なく体を揺すってやっと反応してくれた。


「大丈夫ですか?さっきから黙ってますけど。」

「ヴィザル…」

「はい?」

「私、この体のままでいいかも。」

「ちょっと待って!?」


 ウズメのカミングアウトにヴィザルが多慌てで説得する。


「いきなり何頓珍漢なこと言っているんですか!?」

「いや、聞いてくれ。高身長、がっしりした体格、剣士向きの筋肉、まさに私の理想の体なのだ。」

「でも男ですよ!?」

「構わん!」

「ダメでしょ!ヘルマさんも何か言ってください!」


 1人では説得は無理だと判断したウズメ(inヴィザル)はヴィザル(inヘルマ)に応援を求める。が、ヴィザル(inヘルマ)も自分(ヴィザル)の体をまじまじと見ていた。


「ヴィザル君。僕、この体がいい。」

「ちょっと待てや!!」


 ヴィザル(inヘルマ)のカミングアウトにウズメ(inヴィザル)は敬語すら使わずにツッコミを入れた。


「何勝手に人の体で満足してんだ!返せ!僕の体返せ!」

「嫌だ!折角夢にまで見た男らしい体なんだ!これがいい!」

「僕とケンさんが報われない!」


 ウズメ(inヴィザル)とヴィザル(inヘルマ)が取っ組み合いしているとマキナが二人を力強くで止めてある方向を指差した。二人はその方向を見ると人集りが出来ていた。場所は競竜が行われているスタジアムだ。ウズメ(inヴィザル)達がそこに行ってみる。


「どうしたんですか?」

「おお!お前らか!実はサリアの偽物が出たんだ!」

「偽物?」

「そうだ!このレース、ワイナードが出場しているはずなんだがそのサリアは鉄板のキタチャンブラックに賭けて当てたんだよ!」

「何してんだあの人…」


 サリア(inカリスティ)に呆れたウズメ(inヴィザル)達。その事を報告するために一度メタルバンドへ帰る。しかし、途中でヴィザル(inヘルマ)がバテてしまった。


「ヴィザル君、体力無さ過ぎ。」

「いや、ヘルマさんよ体力が異常なだけです。」


 それぞれ捜索した結果を報告する。案の定みんな頭を抱えた。事情を話すためにギルガやジルフレイムにも来てもらっている。


「何してんだあのバカ…」

「私の体で好き勝手し過ぎでしょ。」


 やっとギルガとジルフレイムも納得してくれた。みんな頭を抱えているとアルティネが挙手した。


「あのバカを捕まるいい作戦があるわよ。」


 カブジナの街をルンルンと歩いているサリア(inカリスティ)。すると、アルティネが声をかけてきた。


「サリア!」

「え、な、何?」

「何ってないでしょ?このあと一緒に温泉行く約束したじゃない。」

「あ、あぁ。そうだったわね…じゃなくてそうだったな!」

(へぇ~。サリアとそんな約束してたんだ。ちょっといいかも。)


 サリア(inカリスティ)は内心ウキウキでアルティネの後ろをついて行く。温泉施設の前まで来ていざ入ろうとした時、目の前にカリスティ(inエウリア)がいた。


「•••」

「随分ご機嫌がよろしいようで…カリ。」

「•••さらば!」

「逃がすと思うか?」


 踵を返して逃げようとするサリア(inカリスティ)をヘルマ(inケン)達が捕まえた。そのままゲルドのところへ連行し体を戻してもらう。幸い機械は正常(?)に作動しヴィザル達は元に戻った。


「言い残すことは。」

「待って!調子乗ったことは謝るから!」

「おかげでさっきまでサリアが女性好きの変態というレッテルを張られてたぞ。」


 吊るされ命乞いするカリスティ。ケン達が彼女にお仕置きしている。しかし、サリアは自分の下腹部を見て黙っていた。


「何黙っているのよサリア?あんたが一番の被害者でしょ?」

「•••なぁ、カリ?」

「な、何?」

「お前、私の体でやった?」

「••••ちょっとだけ。気持ち良かった。」

「ぬあぁ〜〜!」


 サリアがカリスティを思いっきり殴る。このことを聞かなかったことにするヴィザル達。ゲルドの工場にカリスティと勝手に機械を持ち出したことでお仕置きを受けているクロアの叫び声が響いた。

次回予告

もうすぐ夏休みも終わり!


「ヤバい!」

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