誰にだって秘密はある
前回のあらすじ
結局裸
「忘れて!」
ある暑い夏の昼
ヴィザルとサリアがかき氷を食べながら休んでいた。他のメンバーは仕事だったり義肢の点検だったりと留守にしている。
「暑い〜。もう一回海行こう〜!」
「一昨日あんな目にあったのによく言えますね。」
ダダを捏ねるサリア。すると、ヴィザルほ気になったことをサリアに聞いた。
「そういえば、その右目はどうしたんですか?」
「ああ、これ?」
サリアは眼帯を外す。すると、黄金に輝く瞳があった。
「凄い綺麗…」
「だろ?見てろ。」
そう言ってサリアは深呼吸して再び目を開く。すると、今度は赤黒くなっていた。それにヴィザルは驚く。
「!?」
「驚いただろ?高揚したりすると目が赤くなるんだよ。この時になると炎魔法の威力が上がるんだ。」
サリアは眼帯を戻しながら話す。初めての情報にヴィザルはポカンとしている。
「もしかして、サリアさんも特殊体質ですか?」
「いや、父上が言うには母上の遺伝らしい。」
「そういえば、サリアさんのお母さんってどんな人なんですか?」
「さぁ?」
ヴィザルの質問にサリアは首を傾けた。
「え?」
「だって小さい頃に仕事で遠くに行ったっきり会ってないもん。」
「大丈夫なんですかそれ?」
「父上はおっちょこちょいでドジなところもあるけど子供思いで優しい母親だって言ってた…そうだ!」
サリアは2階に上がって自分の部屋に入る。しばらくすると部屋から出てヴィザルの前にボロボロの写真を出す。そこには幼い頃のサリアと若い頃のゼウラルが写っていたが肝心の母親は破れてしまい分からなかった。
「切れ端に紅い髪が写ってるでしょ。この人が私の母上のヴァリア・へラクロスだ。」
ちょこっと写っているところを指差してサリアが教えてくれた。
「それでお母さんって今何しているんですか?」
「知らない。仕事が何かも教えてくれなかったし。でも父上は母上は強いって言ってたし私の炎魔法も母上から教わったから相当強い冒険者とかかな?」
「それで顔とか覚えてないんですか?」
「覚えてない…」
サリアが頭を抱えている。すると、そこにヴァンガスとエレキナが仕事から帰ってきた。続いてケンとエウリア、カリスティとウズメ、ヘルマにクロアとマキナも帰ってきた。
「話はおしまい!さぁて飯にしよう!」
「ヴィザル、何話してたの?」
「サリアさんの謎…ですかね?」
「もう存在が謎よ。」
「そうですよね!撮っていて飽きないですよ!」
「フィル!いつの間に!?」
いつの間にかやってきたフィルディオが雑誌を届けてくれた。そこには『奇跡の生還!アテリナ姫救出!』と題していた。が、何故か写真は裸のサリア達であった。
「おいこら!何を載せてんだ!」
サリアが叫ぶ。こうしていつものアイアンガイアの1日が過ぎていった。
次回予告
ヴィザル達の身体に異変が!?
「「な、なんだこれーー!?」」




