不倫はフライデーされやすい
前回のあらすじ
ヴリドラシル編完結!
「意外といい感じで終わったぜ!」
「しっかりしろ作者。」
ヴリドラシルとの激戦から3日。メタルバンドではサリア達が机に俯き締まらない顔して寝ていた。燃え尽き症候群である。心配したヴィザルがサリアに声をかける。
「いいんですか?ヘルマさん達の見舞いに行かなくて?」
「大丈夫大丈夫。二人とも元気だったじゃん。」
「もう何もしたくない。」
「たるみ過ぎではないか?」
父上の仇討ちが出来たサリアは父の形見である剣を脇に置いて寝ている。それを見てウズメも心配していた。すると、突然扉が開きアルティネが入ってきた。
「ケンさんいる!?」
「え?ケンさんなら昨日から外出中ですけど。」
ヴィザルが答えるとアルティネは汗をかき目が泳いでしまっていた。
「何があったんですか?」
「ケ、ケンさんが…巨乳のマダムと一夜を過ごしたらしいの。」
「「「!?」」」
アルティネの発言にサリア達が起きる。
「え!?マジで!?」
「ヴィーナが昨日その巨乳のマダムと一緒にホテルに入って行ったのを見たって。」
「それでヴィーナは?」
「滝のように涙を流していたわ。」
アルティネが説明する。サリア達はワクワクして聞いているがヴィザルは冷めた顔で見ていた。
「どうせ何かの勘違いですよ。後で聞けばいいですよね?」
「ヴィーナがオリヴィエちゃんから鉈を受け取って出て行ったけど。」
「早く出てきてくださいケンさーーーん!!」
ヴィザルが慌てて電話するが応答がない。すると、サリアが指を鳴らした。その瞬間、天井が開きフィルディオとスヒュナが現れた。
「今すぐケンの居場所を特定して。」
「「御意。」」
(もう隠し扉のことは言及しないのかな?)
天井裏へと消える二人を見てヴィザルは心の中でツッコミを入れる。すると、すぐにフィルディオとスヒュナが床下からやってきた。
「早っ!ってかどこから来てるんですか!?」
「それで真相は?」
サリアが聞くとフィルディオは写真を机の上に置いた。そこには確かにケンと巨乳のマダムが一緒にいる姿が写っていた。
「•••これマジ?」
「うわぁ、マジで巨乳。」
「ケンって巨乳好きだっけ?」
「フィル、これどこで撮った?」
「カウン市のショッピングモールです。」
「それ、この前僕がオリヴィエさんとデートしたところですね。」
「ああ、隣街のショッピングモールでデート。何かある。」
サリアがニヤニヤしながらメタルバンドを出る。嫌な予感しかしないヴィザルとアルティネが急いで彼女の後を追う。
それから1時間後、ショッピングモールに着いたサリア達はケンを探し始めた。(ちなみに来たのはヴィザルとサリアとフィルディオだけで他は興味無いか他の仕事とかで来なかった。)
フィルディオが撮った場所に行ったがケンもマダムもいない。すると、ブツブツ言いながら歩いているヴィーナを目撃した。
「なんでヴィーナがいるのよ!?」
「僕が教えました。」
「お前ー!」
アルティネがフィルディオの胸ぐらを掴み振り回す。すると、ヴィーナが一方をじっと見て動かなくなっているのが見えた。ヴィザル達が彼女の目線の先を見るとケンとマダムがいた。しかも、近くには娘らしき少女が3人いた。しかも、みんな巨乳。
「いたーー!」
「ケンさ…」
「落ちくけヴィーナ!」
「お前が落ち着けアルティネ。」
慌てて噛んでしまったアルティネと一緒にヴィーナを止める。そこに呆れた顔をしたケンがやってきた。
「何してんだお前ら。」
「ケンさんこそ何して…」
「あら?ヴィザル君じゃない。」
「あれ?ウルシアさん…?」
ケンの後ろから聖ヴァルキュリア百合女学園高等部副会長のウルシア•ノルンフォードが声をかけてきた。
「•••え?墓参り?」
「そうだ。彼女はルルシア•ノルンフォード。俺がオリュンティア公国護衛騎士団団長を務めた時の仲間ノースフォード•ノルンフォードの妻だ。ノースフォードが去年亡くなったと聞いてな。ルルシアさんとその娘達と一緒に彼の墓参りをしに行く途中だ。」
「へぇ~。」
ヴィザル達が疑いの目でケンを見る。しかし、持っているのは線香や御供え用の菓子類、お清めの塩とデートじゃないのが分かる物ばかりだった。
「じゃあ、昨日帰らずにホテルに泊まったのは?」
「カブジナからノースフォードの墓までは結構距離があるからここで一晩過ごしただけだ。」
「一緒の部屋?」
「んなわけねぇだろ。」
ケンがサリアをアイアンクローする。ヴィーナもルルシア達の荷物を見てホッと胸を撫で下ろした。
「それでお前ら何しにきた?」
「ケンさんが皮を剥がされないように調査に来ました。」
「何があっ…いや、なんか想像出来たからいいわ。」
ケンがヴィーナを見て冷汗を流す。それから、ヴィザル達はケンとルルシアと一緒にノースフォードの墓参りに参加して一件落着となった。
次回予告
夏と言えば…
「「やっぱり…」」
「海!」
「山!」
「「あ“あ“!?」」




