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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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1人じゃない

前回のあらすじ

遂に姿を現した新たな魔神ヴリドラシル。その巨体にサリア達はどう挑むのか。


「とりあえずドラ○もん呼んできて。」

「無理です。」

 ヴリドラシル。300mを超える真っ黒い身体に背中の大樹、がっしりした四足と腕、胸には禍々しい顔が付いている。そして、左目に傷があるドラゴンのような顔をしていた。

 ヴリドラシルは地面から現れると雄叫びをあげた。そして、一番近くにいたヴィザル達を踏もうと足をあげた。


「退避退避!」


 ヴィザル達が必死に逃げるがあまりの巨体に逃げ切れず踏まれそうになる。すると、そこにギガストロがやってきて地面から土魔法で生成した巨大な腕を伸ばし足を押さえた。


「ナイス!」

「や、やべぇ。これ、長くはもたんぞ。」


 ギガストロが踏まれないように耐えている。すると、今度はフレアガルドが隣に来て氷の腕を生成し押し返し始めた。そこにインドライガがヴリドラシルの足を蹴り踏む位置をずらした。


「このまま俺達でこいつを抑える!さっさと逃げろ!」


 インドライガが叫ぶ。ヴィザル達は彼の言葉に従いヴリドラシルから離れる。しかし、サリアが途中で足を止めた。


「サリアさん…」

「ヴィザル達はそのまま避難誘導しながら逃げて。私は行ってくる。」

「言うと思った。」


 サリアがヴリドラシルの方向へ戻ろうとするとケンが彼女の隣に並んだ。


「いやいや、普通ここって止めるところじゃない?」

「お前のことだ。止めても行くだろうからな。」

「何年一緒にいると思ってあるのよ?」

「僕達はサリアさんに着いて行きますよ。」


 ケンに続いてエウリアがサリアの隣に並ぶ。そこにヴィザル達も並び結局アイアンガイア全員がヴリドラシルに挑むことになった。


「と、まぁ意気込んだのはいいものの…あれ、どうやって相手するんですか?」

「「「•••」」」

「何も考えてないんかい!」


 ヴィザルがツッコむ。仕方なくサリアが突撃しようとすると地面から蔓が伸びて行く先を防いだ。


「ストップ!サリア、まさかあんた達だけであいつを相手しようとしてないわよね?」


 サリアが振り向くとアルティネが声をかけてきた。彼女の後ろにはアイリス達もいる。


「あんた達だけじゃない。インドライガさんやバルウェインさん達も戦っている。それに私達もいるわ。」

「そのためにここに来たようなもんだからね。」

「ご安心を。後ろは私達が守りますので。」


 ハリアーがニコッと笑いエールを送る。サリアは頭を掻きはぁと溜息をつくと気を取り直してヴリドラシルを見た。その周りにはアイアンガイアだけではなくアルティネ達エンジェルフォースやアイリス、バルドにブラダマンテ達もいた、


「じゃあ、みんなで行くか!」

「「「了解!」」」

「•••それであの怪物相手になんか作戦はあるんですか?」


 士気も充分に上がったサリア達にヴィザルが質問するとみんな目を反らし黙った。


「「「•••」」」

「結局ないんかい!」

「突撃〜!」

「お、おぉ〜!」


 汗を流しながらサリアが先頭を走る。その後を追ってアルティネ達も一緒に走り出した。その様子をハリアーと一緒見ていたジルフレイムが心配そうな表情をしていた。

 一方、ヴリドラシルと交戦しているインドライガ達。インドライガの隣にきたトールバスターが弓矢で攻撃するも効果がない。


「体表が硬いな。」

「ならこれはどうだ。顕現せよ、アポロン!」

「久しぶりにあれをやるか。」


 二人は弓矢でヴリドラシルの胸に向かって同時に矢を放った。


「《アポロンアロー》!」

「《トールホーク》!」


 インドライガが放つ真っ赤な中にも金色に輝く矢とトールバスターが放つ鷹のような雷をした矢は空中で1つに合体した。


「「《ミョルニルアポロホーク》!」」


 二人の合体技はヴリドラシルの胸に命中する。しかし、爆発はしたが傷すら与えられなかった。ヴリドラシルは腕を振り回し二人を払う。今度は下からバースロットとミョルニオスが杖を構えそれぞれ水と風の魔法を放った。二人の魔法も空中で合体しインドライガとトールバスターが当てた部分に命中させた。


「若い者だけに頑張らせるのは忍びないのぉ。」

「ワシらも一肌脱がとなぁ。」


 二人は続いてマシンガンのように様々な属性魔法を撃ち続けた。それでもヴリドラシルは怯むどころか効かないと言わんばかりに嘲笑っていた。


「全然効かんとは自信がなくなるぞ。」

「そもそもデカすぎる。100年以上生きたがこの大きさは初めてじゃ。」


 二人は下がりながら何度も撃つが効いていないことに嘆いていた。インドライガとトールバスターも空中から攻撃するがヴリドラシルは何事もなく進んでいる。

 一方、ヴリドラシルに突撃していたはずのサリア達は•••


「やっぱり樽爆弾がよくない?」

「いやヘビィボウガンで…」

「穿龍棍の方が効果あるんじゃない?」

「何の話をしているんだお前らは!?」


 作戦会議(?)をしていた。

次回予告

ヴリドラシルと交戦を始めるサリア達。しかし、今までにないタイプの魔神に苦戦してしまう。サリア達に勝機はあるのか!


「狼牙鎚【食獄】で顎を狙うか。」

「その話から離れてください。」

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