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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
241/406

集う者達

前回のあらすじ

とうとう始まった謎の大樹の調査クエスト。前回のクエストでゼウラルを失ったサリア達は仇討ちを胸に大樹に向かう。


「•••」

 謎の大樹調査のためアイアンガイアはトリネコ地方に向かう。その道中、エンジェルフォースのメンバーが乗っている馬車と出会った。


「あ、アルティネ。」

「サリア!あんたも呼ばれたの?」

「そうだ。」

「なんかいつもと雰囲気違くない?」


 いつも接しているサリアと雰囲気が違うことに戸惑うアルティネ。その隣にはギガントタイタンが乗っている馬車が通りかかった。マスターのギガストロがサリア達に気付く。


「どうした?」

「ギガストロ。サリアがいつにもまして真剣な表情してるのよ。」

「明日、雪でも降るんじゃないか。」


 二人がコソコソ話している間もサリアは真っ直ぐ行き先を見つめている。事情を知らないアルティネ達に話そうかどうかヴィザル達が迷っているといくつかのテントが建てられているのが見えた。どうやら集合地に着いたようだ。

 ヴィザル達が降りるともうとっくにレジェンドドラゴンやオールドマギア、シルバーホークにワイルドビーストと錚々たるメンバーが着いていることに気付いた。さらに、奥にはバルウェイン達セブンやイシリス、アイリスにハリアーやブラダマンテまでいた。


「凄いいっぱいいる。」

「そりゃ今回は10年前のリベンジでもあるからな。」


 ヴィザルが感嘆しているとケンが肩を叩いて話してくれた。すると、ケンに気付いたバルウェインがこっちにやってきた。


「ケン。あの時の屈辱を晴らす時が来たぞ。」

「ああ。サリアまやる気十分だ。」


 ケンが後ろをチラッと見る。サリアが目を瞑り深呼吸しているのが見える。いつもと違う真剣なサリアにアルティネ達は話しかけ辛そうだった。すると、オリヴィエがヴィザルに近付いて聞いてきた。


「サリアさん。どうかしたんですか?」

「えっと、それは…」

「話していいぞヴィザル。」


 聞こえないように小声で話しているはずなのにサリアにほ聞こえていた。ヴィザルほ驚きつつも許可が出たので渋々話す。


「実はこのクエスト、以前にもあってその時にサリアさんのお父さんが亡くなったんです。」

「え•••」


 オリヴィエと一緒に後ろにいたアルティネも驚く。そして、気まずそうにサリアを見つめる。


「思ってたより重かった。てっきり高額だから受けたのだとばかり•••」

「10年前…謎の大樹…なるほど。このクエストか。」


 ギガストロがスマホの画面をアルティネに見せる。それは当時のクエストのこと、そのクエストによってゼウラルが亡くなったことが記載されていた。それを見たフレアガルドが割り込んできた。


「そうそう。そのクエストだ。当時まだ魔聖七天王(セブンに入りたての俺が受けたクエストだ。悔しかったよ。何も出来なかったんだから。」


 いつもと違い神妙な顔のフレアガルドにヴィザルが驚いているとカシャっと音が鳴った。ヴィザルが振り向くとフィルディオがいた。


「いたんですね。」

「まぁね。10年前のリベンジクエストということで僕以外の記者もいっぱい来てますよ。」


 フィルディオがチラッを見た先には大量の報道陣がいた。10年前のこともあり見たことない局の報道陣もいた。


「今回はカブジナ、いやオリュンティア公国だけではなく他の国からも報道陣が来ているんですよ。」

「そうなんだ。」


 ヴィザルが報道陣を見ているとバルウェインとインドライガが報道陣の前にやってきた。それを見るや否やフィルディオも写真を撮るため二人のところに向かった。

 バルウェインとインドライガが報道陣の質問に答えたりこれから行うクエストの内容を話している。それよりもヴィザルはペンダントを見つめるサリアが気になった。ヴィザルがジーと見ているとそれに気付いたサリアがペンダントを見せる。中には幼いサリアと男性が写っていた。


「この人が私の父親だ。」

「凄いカッコいい人ですね。」

「だろ。母親を事故で亡くした私にとって唯一の家族だった。まぁ今はアイアンガイアのみんなが家族だけどね。」


 サリアはペンダントを仕舞い準備する。バルウェインとインドライガの説明が終わりそろそろ出発するようだ。皆、馬車や車に乗りバルウェインの後を追う。しばらく進むと一際大きい樹が見えた。それを見たケンは黙って睨んでいる。


「あの時と変わってないな。」


 ケンがボソッと呟く。これからオリュンティア公国のほぼ全てのクランを巻き込んだ大規模な戦闘を覚悟して…

 そして、その様子を遠くから見ている1人の魔神の姿もあった。

次回予告

謎の大樹の前まできたヴィザル達。早速調査に乗り出すのだが•••


「やはりこうなったか…」

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