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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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姉弟はよく似ている時がある

前回のあらすじ

自由研究って意外と難しい。


「俺が小学生の時の自由研究のテーマは味噌だったぞ。」

「嘘でしょ!?」

「今日はよろしくね〜ヴィザル。」


 今、ヴィザルは困惑していた。目の前に魔聖七天王(セブンの一人、ネフティウス・エリオンズと聖ヴァルキュリア百合女学園高等部生徒会のイシリス•エリオンズがいたのだ。

 ヴィザル達があるのは遊園地。以前、ヴィザルとジルフレイムがデート(?)していた遊園地だ。ちなみに、ヴィザルの隣にはマキナとウズメもいる。


「いきなりメールでここに呼んで何かと思えば遊園地で遊びたいから一緒に来てって。その前になんで僕のメアドを知っているんですか?」

「生徒会特権でヴィザルの留学履歴書を見たからだよ。」

「好き勝手し過ぎてません?」

「•••その怪しいメールに簡単に従うマスターもどうかと思います。」

「同意見だ。」


 仕方なくヴィザルはイシリス達を連れて遊園地に入る。早速二人はメリーゴーランドに興味津々なようでまっすぐ向かった。ヴィザル達も仕方なく後をついていきメリーゴーランドに乗る。


「•••マスター。」

「何?」

「意外と楽しいです。」

「そう。」


 前で楽しそうに馬に乗る二人。その後ろのかぼちゃの乗り物に乗っているヴィザルは虚無だった。ちなみにウズメはヴィザル達の後ろで1人寂しく羊に乗っていた。

 メリーゴーランドを楽しんだ二人はジェットコースターに向かった。ヴィザルも後をついて行くと看板に『安全バーの破壊は危険ですので止めてください』と書かれていた。ヴィザルは黙って無視してジェットコースターに向かう。


「すみませんお客様。安全のために160cm以下のお客様は搭乗出来ません。申し訳ありません。」


ネフティウス…135.7cm、イシリス153.0cm


「••••」

「••••」

「ドンマイ。」


 悲しむ二人を連れレストランで食事する。二人とも不満気に食事する。ヴィザルは雰囲気が悪くならないように二人に話しかけて気を紛らわせようとした。


「お二人って姉弟なんですよね?」

「そうだよ〜。」

「両親は?」

「二人とも別の大陸で仕事中〜。」

「好きな人っています?」

「ヴィザルかなぁ〜。」

「それは他の人に知られないようにしてください。」

「冗談だよ〜。」


 イシリスがヴィザルの質問に気さくに答えてくれる。その間もネフティウスは不満気そうだった。

 食事が終わりイシリスは満足そうにネフティウスをおんぶして園内を歩いている。その時、突如爆発が起き園内がパニックになった。


「なんだ!?」


 ウズメが真っ先に反応し騒ぎの中心に向かう。そこには銃や剣を持った男達が暴れていた。


「たった今からこの遊園地は俺達テロリストが乗っとった〜!俺達の言うこと聞かないと二度と遊べなくなるよ〜!」


 リーダーらしき男がライフルを乱射する。人々は怯え逃げ惑う。しかし、ウズメは違った。何の迷いもなくテロリストに近付くと一瞬で首にチョップして気絶させ剣を奪い取った。


「こいつ!いつの間に!?」


 気付いたテロリストがウズメを撃つがウズメは難なく避けライフルを斬る。そのままテロリスト達の武器を斬っていく。ウズメはリーダーらしき男に向かって走る。すると、男は突然分身した。


「!?」

「おいおい。人の話はちゃんと聞くものだぜぇ。お前はもう終わりだ。」


 リーダーは分身すると雷で生成した剣でウズメを攻撃した。ウズメは必死に受け流すが分身の数が多く苦戦していた。その時、ウズメの後ろから斬りかかろうとした分身をヴィザルが倒した。さらに、他の分身やテロリスト集団をマキナが一掃した。


「大丈夫ですか?」

「あ、ああ。すまない。」

「突っ込み過ぎですよ。」

「そうだな。少し焦っていたのかもな。」


 3人は背中合わせになりテロリスト集団を相手する。しかし、次から次へと増える分身に梃子摺ってしまった。その時、ネフティウスを背負ったままのイシリスが突撃してきた。イシリスは分身の肩に足かけジャンプする。


「行ってきなさいネフ。」

「は〜い、お姉ちゃん。《ドリームワールド》」


 ネフティウスは眠ったままイシリスの言葉に反応し呟くといきなりジェットコースターが現れ次々と分身を轢いて行った。


「相変わらず凄い強い。」

「あれがこの国の魔道士•••」


 ヴィザルもウズメも驚いている。次々と分身やテロリストを轢いて行く。それに業を煮やしたのか分身が一斉に雷や炎魔法でイシリス達を攻撃した。


「いただきま〜す。」

《バキュームイーター》


 すると、イシリスが口を大きく開けた。その途端、テロリスト達が放った全ての魔法が彼女に飲み込まれたのだ。


「はぁ!?」

「ご馳走さまでした。」


 イシリスは満足そうに魔法を飲み込む。


「ま、魔法を食べた!」

「私ねぇ〜満腹感が高いほど強くなる特殊体質(スペリナル)なんだよ〜。だから、なんでも食べ物に変換する魔法を生み出したんだ〜。」

「すげぇ生徒会。」


 ヴィザルは唖然として見ている。後ろでジェットコースターに轢かれているテロリスト集団は無視する。イシリスは分身を出し続けるリーダーにまっすぐ突撃した。


「いや。分かるわけがねぇ!この分身の中本体を見つけれるわけが•••」

「魔力の流れで簡単に分かるよ〜。」


 リーダーが冷汗かいて下がっているとイシリスがリーダーの前まで接近した。そして、雷を纏った蹴りでリーダーを天高く蹴り上げた。


「•••やっぱ生徒会も凄いや。」


 落下したリーダーを尻目にあっという間にテロリスト集団を全滅させた二人にヴィザル達は感嘆していた。

 それからジルフレイム達が来てテロリスト集団を捕縛する。ネフティウスとイシリスは疲れたのか仲良くベンチで眠っていた。


「こうして寝顔を見ているとやっぱり姉弟なんだなぁと思いますね。それに二人揃って特殊体質(スペリナル)なんて•••」


 ヴィザルは眠っている二人に近付く。


「・・・《ドリームワールド》」

「•••え?」


 寝ぼけたネフティウスが魔法を発動する。その瞬間、ジェットコースターがヴィザルを轢き飛ばした。


「ああ〜!!」

「ヴィザル〜!」


 ジェットコースターに轢かれたヴィザルは全治5日の大怪我(?)を負ったのだった。

次回予告

サリアの父ぜウラル・へラクロス。彼は何故亡くなったのか。その時、何が起きたのか。アイアンガイアの過去を紐解くクエストがサリアのところにくる。


「次回『悪魔が宿る樹』」

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