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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
238/406

自由研究は本当に自由

前回のあらすじ

エウリアは意外と賢い。


「本当なサリアさんって賢いんだ。」

「え!そこ!?」

 ある日ヴィザルは竜厩舎の中にいた。


「自由研究でドラゴンを題材にしたまでは良かった。けど、いざドラゴン探しとなるとなかなか見つからない。ならば、ここにいるドラゴンを調べてレポートすればいいのだ!」

「何ブツブツ言ってるのよ。」


 あるドラゴンの前で独り言言っているヴィザルに後ろからエレキナが話しかける。ちなみに彼女は今ボンテージ姿だ。

 そう。ここは競竜が行われるカブジナワイバーン競竜場の隣にある竜厩舎だ。そして、ヴィザルの前にいるのが以前いろいろとお世話(?)になったマケナイデというワイバーンだ。


「それよりヴィザル。隣にいる子達誰?」

「え?」


 エレキナに言われ隣を見るとエルディアレがお友達と一緒にヴィザルを見ていたのだ。


「なんでいるの!?」

「ディックに会いに来た!」

「ディック?」

「このワイバーン。」


 そう言ってエルディアレはマケナイデを指差した。


「え?ディック?マケナイデじゃなくて?」

「マケナイデは芸名みたいなもので本名はディックだよ。」


 ワイナードがヴィザルに説明する。それに続いてエルディアレも説明してくれた。


「元々竜人は人に変身したドラゴンと人との間に産まれた種族だから親戚がドラゴンなんて普通にあるんだよ。」

「238話目にして新設定か。」

「いろいろと危ないメタ発言は止めなさい。」


 どうやらマケナイデことディックはエルディアレの遠縁らしくドラゴンをみたいというお友達のために会いにきていたようだ。


「それでヴィザルお兄ちゃんは何のためにきたの?」

「!」


 エルディアレのお兄ちゃんという一言にヴィザルは激震した。今まで末っ子であったためお兄ちゃんなんて呼ばれたことないヴィザルにとって新鮮な響きだった。

 ヴィザルはエルディアレ達に良いところを見せようとスケッチブックやカメラを取り出しカッコつけて答えた。


「ドラゴン観察。」

「へぇ~!ヴィザルお兄ちゃん凄い!」

「いやぁ~。」

(小学生って純粋におだてるの上手いよね。)


 エルディアレ達に囲まれて鼻の下を伸ばすヴィザル。そのままマケナイデのスケッチを始める。ヴィザルは真面目にドラゴンの生態観察をしているのだが、ボンテージ姿で調教師と一緒にいるエレキナやマケナイデや他のワイバーンと遊んでいるエルディアレ達が気になってなかなか進まない。


「ワイナードさん、競竜のワイバーンってどうやって決めているんですか?」

「基本はオス。人間でいう成人してからのワイバーンの中から才能がありそうな子を採用しているよ。」

「へぇ~。」


 ヴィザルは紛らわせるためにワイナードにいろいろと質問をした。ワイナードも快く答えてくれる。その間にエレキナがマケナイデを調教、エルディアレ達はヴィザルの観察をしていた。


「•••こうやって競竜選手とワイバーンの絆を深めて競竜に臨んで行くんだよ。」

「なるほど。大変参考になりました!ありがとうございます!」

「いえいえ。サリアさんによろしく言ってください。」

「はい!」


 ヴィザルは元気良くお礼を言って去って行った。その日のうちにレポートにまとめる。はずが何故かエルディアレ達も一緒にメタルバンドに来ていた


「•••なんでいるの?」

「ヴィザルお兄ちゃんを観察しようと!」

「•••」


 ヴィザルは恥ずかしそうの俯く。エルディアレ達はヴィザルの周りに座って一緒に宿題や自由研究を始めた。その様子を陰からエウリア達が見ていた。


「誰あの子達?」

「ヴィザルにあんな知り合いいたか?」

「多分留学先の生徒達ですよ。」

「かわいい娘達ね。挨拶しに行きましょう。」

「カリスティさんはここで大人しくしてください。」


 ヘルマがカリスティを抑え離れる。エウリアとヴァンガスがヴィザル達を覗いていると1人の女の子がヴィザルに何か話しかけている。どうやら、分からない問題を聞いているようだった。しかし、ヴィザルは問題を見たまま固まってしまった。


「ちょっと待て。まさか、小学生の問題が分からない?」

「ヴィザルって小学5年生より賢くないかもね。」


 二人がそ~っとヴィザルの後ろから問題を見る。それは小学生の問題とは思えないレベルの難しい問題だった。それを見たヴァンガスはスーッと立ち去ろうとするのをエウリアが止めた。


「待ちなさい。あんたも小学5年生以下よ。」

「待て!それ絶対小学生がやる問題じゃねぇ!」

「っていうか二人ともいたんですか!?」


 びっくりして振り向くヴィザル。エルディアレ達も二人に気付き手を振った。


「ヴィザル。このレベルならこの前教えた覚え方があるでしょ。それを使いなさい。」

「忘れました。」

「1回しばく。」


 エウリアが杖でヴィザルをぶん殴る。それからエウリアに再びキツく教えられたりエルディアレ達に質問攻めされたりといろいろ大変な目に合ったがなんとか自由研究を終えることが出来た。


「•••よし!やっと終わった!」


 ヴィザルは喜んでレポートを確認する。内容は『競竜選手とワイバーン』。それを見たヴィザルは固まった。


「あれ?最初と自由研究の題材が違ってるような•••まぁいいか!」


 こうしてヴィザルの自由研究は終わった。

次回予告

久しぶりに魔聖七天王(セブンのメンバーが登場。


「だ~れだ?」

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