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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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逃げるは恥でもないし役に立つ

前回のあらすじ

ケンは意外となんでもあり。


「今さら何も言いません。」

「そうでもないぞ。」

《ゼウス・エクス・マキナ リタイア》

「・・・申し訳ありません、マスター。」

マキナは涙目になった後、リタイアが表示され爆発して退場した。

『おぉっと!ここでアイアンガイアから初のリタイアが出た!リタイアしたのはゼウス・エクス・マキナ選手!倒したのはギルガ・フェンリオン選手!見事な早業でゼウス・エクス・マキナ選手を瞬殺しました!』

『マキナさんはアイアンガイアの一番の新入り。さすがにギルガ相手は厳しいみたいですね。』

ホルンの実況を聞いたヴィザル達は驚いた。

「マキナちゃんが倒されたの!?」

「マキナ・・・」

「ギルガの野郎。マキナの仇は討ってやる。」


「さてと、次はお前らか?」

ギルガはアルティネを見ていた。

「出来たら逃げたい。」

「別にいいぜ。俺も他の奴狙いだからな。」

そう言ってギルガは消えた。

「よ、良かったぁ。とにかく、私達も探しに行くよ。」

「はい!」

アルティネ達はそのまま北に向かって行った。

その後、ケンが砂漠ゾーンに入っていった。さらに、その後ろをシルバーホークにいたトカゲ頭の男が着いていった。

そして、ケンを見ている数人の謎の人影もあった。


山脈ゾーンにクロアがいた。

「どうしよう。私、何もしてない。」

小屋の中で寝ているとドーンと大きな音がした。外を見ると岩石で出来た巨人が歩いていた。

「何あれ?」

『おぉ! 山脈ゾーンでも大きな動きあり!ギガントタイタンのマスター、ギガストロ・ロックオーガ選手の得意技、ギガントゴーレム!前回もこれが大活躍!インドライガ・ペンドラグーン選手に破壊されるまで怒涛の勢いを見せたギガントゴーレムは今回も圧倒的な強さを見せてくれるのでしょうか!?』

「え、あれ去年も出てたの?去年のマスターズ、真面目に見ればよかった。」

クロアがギガントゴーレムを見ていると少女と目があった。その少女は綺麗な黒髪をしていた。

「・・・はじめまして。」

「・・・はじめまして。」

「・・・」

「・・・」

「逃げるが勝ち!」

「嘘でしょ!」

クロアは一目散に逃げた。少女も追いかけて炎を放ってきた。クロアはそれを避けながら全力疾走で逃げた。

すると少女はいきなりスピードを上げ、クロアの前にきた。そして、刀を抜いてクロアに向けた。

「あなた、戦う気あるの?」

「ない!」

「そこ、はっきり答えるところ?」

『お!こっちでも戦いが始まろうとしています!アイアンガイアのクロア・アングルボラ選手と天桜の狐の月読美琴選手!快進撃を続けたアイアンガイアの戦いがまた見られるのでしょうか!?』

「へぇ、あなたがアイアンガイアの。」

「何、知っているのか?」

「いえ、さっき知りました。」

「あ、際ですか。」

月読は刀を大きく振り下ろすとクロア目掛けて刃が飛んできた。

「おい!何だ、それ!?」

「鎌鼬を知りませんか?」

月読はそのまま鎌鼬を連発してクロアに攻撃をしてきた。クロアはそのまま攻撃することなく逃げた。

『逃げたー!クロア・アングルボラ選手、一目散に逃げたー!』

逃げるクロアに観客達も呆れていた。それは月読も同じだった。

「あなた、逃げるなんて恥ずかしくないのですか?」

クロアはそれでも逃げている。観客からはブーイングの嵐だった。しかし、その中でもゲルドは冷静だった。

「全く、その優しさを借金返済に使って欲しいんだが。」

クロアは山脈ゾーンの中を逃げ回っている。さすがに疲れたのか月読も攻撃の頻度が少なくなっている。

「なかなかやりますわね。マラソン選手に推薦したいレベルですわ。」

月読はそのまま今までよりも大きな鎌鼬を放った。それはクロアの左腕を切り裂いた。

「ヤバっ!」

「これで終わりにしますわ。」

月読は体力を回復しながらゆっくりとクロアに近づいている。クロアはそれでも逃げようとする。

『あの~、フィルディオさん。これはどう言うことでしょうか?クロア・アングルボラ選手は一切戦うことなく逃げていますが。さすがに、観客からのブーイングが止まりません。』

『何かを待っているじゃないでしょうか?』

『何かって山脈ゾーンにはクロア・アングルボラ選手以外はアイアンガイアのメンバーはいませんけど?』

ホルンの実況を聞いたクロアはニヤリと笑った。

「サンキュー、実況!」

『?』

すると、クロアは逃げるのを止めて月読の方を向いた。

「やっと逃げるのを止めたのですね。」

「おぅ!だって、この辺りに仲間がいたら巻き込むかもしれないじゃん!」

そう言ってクロアは右手を変形させた。

「え?何ですの、それ!?」

「気付かなかった?私の四肢は義肢だぞ。」

クロアは右手を大砲に変形させると光線を発射した。

むちゃくちゃ特大の光線を。

その光線は月読を外し後ろの山に命中すると山が跡形もなく吹っ飛んだ。そして、リタイアの声が続出した。

「・・・」

その様子を見ていたブーイングした観客達は黙ってしまった。それは、月読も同じだった。

「あちゃー、制御しづれぇなぁ。今度はもっと威力上げよう。」

「・・・」

月読はそーっと後退りした。すると、クロアはニヤニヤしながら大砲を月読に向けた。

「あれぇ?逃げるの?逃げるなんて恥ずかしくないのですかぁ?」

「うっ!ひ、卑怯ですわ!そんなの認めていいのですか!」

「じゃあ、あれ見ろよ。」

クロアに言われ、見てみるとギガントゴーレムが光線を放ちながら山脈ゾーンを歩いていた。

「・・・」

「なっ。ここじゃあなんでもありだぞ。」

「あ、あの~リタイアしたいんですが。」

「あれ、逃げるの?さっきまで子兎を追い詰める密猟者の顔をしてたくせに。」

「そこはせめて獅子と言ってください!密猟者ってひど過ぎません!?」

「それと私は別に逃げても恥ずかしくないぞ。」

月読が叫んでいるとクロアは今日一番の笑顔で光線を放った。月読はとっさに避けて一目散に逃げていった。

「ちっ。逃げたか。」

クロアはそのまま山脈ゾーンの中を歩いて小屋を見つけるとその中に入り寝た。

『・・・あの~、これはどう言うことでしょうか?』

『クロアさんの四肢はある人に頼んで作った兵器ですよ。その気になればトロイランドなんて吹き飛ばせますよ。』

『何なんですか、アイアンガイア!?なんでこんなクランが今まで日の目を浴びることがなかったんですか!?』

『多分、性格に問題があるからでしょう。』

『いいんですか、その見解で?』




実況を聞いたアルティネ達は黙って山脈ゾーンから逃げた。

次回予告

遂にあの兄弟喧嘩が再び


「兄に勝るおと・・・」

「兄さん、それ止めましょう。」

「らりるれろ、らりるれろ!」

「どうしたんですか、兄さん。兄さ~ん。」

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