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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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ヴィザルVSタルタロス 〜思いを貫いて〜

前回のあらすじ

ヴィザル対タルタロスもいよいよ大詰め。


「「絶対に勝つ!」」

 革命が続く。戦火の煙が至る所から上がる。多くの命が消えた。怒号、爆音、叫び声、様々な音が交じり合う中、ヴィザルとタルタロスの間だけ静かであった。それを見守るオリヴィエとウズメも黙っている。

 しかし、何故だろう。緊迫した空気のはずなのに二人は笑っていた。互いに敵であり殺し合いをしているはずなのに二人はどこか楽しそうに話し合っていた。

 そして、二人は笑ったまま再びぶつかりあった。武器はない。魔法もない。ただ己の拳で殴り合うだけだった。鈍い音だけが二人を包む。すると、タルタロスの拳を紙一重で避けたヴィザルが拳に風を纏いタルタロスの鳩尾にアッパーを叩き込んだ。


「まだ終わらんぞ、俺は。」


 タルタロスは炎を纏った足でヴィザルを蹴り飛ばした。そして、地面を隆起させステージ上に幾つもの障害物を生成した。タルタロスは障害物の上に立ちヴィザルを見つけると指から光線を発射して攻撃した。ヴィザルも障害物を盾にしながら接近する。タルタロスはそれ対し雷を放って障害物ごとヴィザルを吹き飛ばす。それでもヴィザルは進み続けた。今度はタルタロスの攻撃の雨を掻い潜りタルタロスが立っている障害物を蹴りで破壊した。

 二人の激闘にオリヴィエとウズメが魅入ってしまう。その時、ウズメは殺気を感じ振り返って刀を振るうが刀が真っ二つに切られてしまった。反応が遅れたオリヴィエも後ろを振り向くが杖を切られてしまう。すると、何もなかったところから男が姿を現した。


「透明化魔法か。」

「その通り。タルタロス様が何処ぞの雑魚ガキと互角だぁ?バカ言うな。ありゃタルタロス様が遊んでいるだけだ。ここでお前らを嬲り殺しあのガキを殺ればエボルハントのシソウ様の名が永遠に残るぜ。」


 シソウは剣を舌舐めずりしながら二人を下卑た視線を送る。狙いをオリヴィエに決めたシソウは剣を振り下ろす。その瞬間、オリヴィエは持っていた鉈で剣を受け止めた。


「え?鉈?なんで魔導士が鉈なんて持っているんだ?」


 シソウが焦っているとウズメが拳を作って接近した。


「一芸だけじゃ生きていけんぞ。」


 オリヴィエが剣を破壊しウズメがシソウの顔面を殴り飛ばす。シソウは吹き飛ばされあっけなくKOされた。シソウを倒した二人は再びヴィザルとタルタロスの激闘を見る。

 二人が見ると別の障害物に立っていたタルタロスがステージいっぱいに水を満たしていた。ヴィザルはなんとか障害物に上がって逃れる。


「《水死刑(ブラックマリン》」


 タルタロスは水を操ってヴィザルを攻撃する。ヴィザルはなんとか避けるが足場がなく遂に捕まってしまった。ヴィザルを捕まえたタルタロスは球体状にして浮かべる。


「「ヴィザル!」」


 二人が焦って叫ぶ。このまま上昇するとヴィザルを捕らえた水球が電刑檻(エレクロフィールド)に衝突すると電気でヴィザルが感電死してしまう。それよりも早くヴィザルが溺死してしまう危険もある。

 二人はなんとかして入ろうとするも電刑檻(エレクロフィールド)を破ることが出来ない。アイリスのように穴を空けることも出来ない。

 ヴィザルは苦しんでいるとオリヴィエとウズメが視界に入った。二人を見たヴィザルは力の限りを振り絞って竜巻を起こし炎を放って水球を破壊して障害物に降りた。


「はぁ…はぁ…」


 息を整える。タルタロスは再び水を操作してヴィザルを攻撃する。今度は障害物を先に破壊してヴィザルが空中に飛ぶように促した。その目論見通りヴィザルは障害物が破壊された瞬間にジャンプした。そこに向かって水柱を飛ばす。


「《最大火力オーバーボルケーノトルネード》!」


 ヴィザルは水球を破壊した時の要領で炎の竜巻を足に纏い踵落としをした。すると、炎の竜巻は水を蒸発させ障害物を破壊し爆風がステージを包む。

 オリヴィエとウズメは目を瞑ってしまう。それからおそるおそる目を開けるとステージの中央でヴィザルとタルタロスが立っていた。


「•••ヴィザル。お前は凄い奴だ。」

「あ、ありがとうございます。」


 タルタロスもかなりの魔力と体力を使ったのか息が荒い。すると、深呼吸して仁王立ちした。


「ヴィザル。今から俺の全身全霊ありったけの必殺技を撃つ。耐えてみろ。」

「はい!僕も全力で相手します!」


 タルタロスは静かに笑うと両手を胸の前でパンッと合わせた。その瞬間、黒い波動がコロシアム中、いやガテレン中を包み皆、恐怖した。ヴォルネスト城にいたケン達も全身が震え上がった。


「•••」

「え、何!?」

「これはタルタロスだ…」


 エウリアがしゃがみ込んでガクガク震えた。ケンは自分を鼓舞しエウリアをヴィーナ達に任せて目の前の部屋に入る。そこにはウェイルとエンジンが戦っていた。


「さ、さすがタルタロスだぜ。怖くて震えが止まらねぇ。」


 ウェイルが劣勢になっているようで片膝着いて息切れしていた。エンジンが炎の刃を飛ばしてウェイルを攻撃する。そこにケンが割り込み刃を斬る。


「残りはどこだ。」

「親父と兄貴ならもう逃げたよ。タルタロスがいれば帝国の勝利は間違いないってのによぉ。」

「ケン!俺はギラージェとシュライヤを追う!ウェイル殿を守ってけれ!」

「任せろ。」


 ケンもタルタロスの波動に震えながらも刀を構え笑う。エンジンも炎を剣に纏わせて殺る気満々だ。ケンも戦闘態勢に入るとサリア達も横に並んだ。


「お前ら…」

「1人でカッコつけるな。クランマスターは私だぞ。」

「クズ王共はアルティネ達に任せた。」

「だから、俺達もヴィザルに負けんようにやろうぜ。」


 サリア達も震えを抑えながら構える。ケンはフッと笑いこっちを見てイライラしているエンジンに向かっていった。

 一方、コロシアムで間近に波動の恐怖を感じたオリヴィエとウズメほ立てなくなるほど震えていた。二人は顔を上げヴィザルを見る。


「•••!」

「これは俺が今まで殺してきた者達の憎悪だ。それを一気に放つ。俺の忌み名と共に。受けてみろ!《タルタロス》!」


 タルタロスは両手を前に出し上下に構えた瞬間黒い波動が巨大な光線としてヴィザルに放たれた。光線はヴィザルを包みコロシアムを貫通する。光線はコロシアムを貫通し戦っている革命軍と帝国軍を巻き添えにする。


(こ、これは…)


 光線に包まれたヴィザルは叫び、嘆き、憎しみを体全体に感じとった。体が悲鳴をあげる。恐怖で体が動かなくなる。少しでも気を抜くと体が朽ちていくような感覚すらある。

 それでもヴィザルは前を向く。黒い波動の中を進む。みんなを守りたい、そしてタルタロス、いやラダマンティスを救いたい。その思いが恐怖に勝った。

 そして、その思いを胸に走り出した。足に風を纏い光り輝かせた。


(見ていてください!これが僕の思いの全て!)


 黒い波動の中から光が漏れる。その光はだんだん大きくなり遂に黒い波動を破りヴィザルが出てきた。ヴィザルは光り輝く足を出しタルタロスをキックした。


「《ガイアグングニル》!」


 必殺技を破られたタルタロスは驚き防御が遅れた。その一瞬でヴィザルのキックがタルタロスを吹き飛ばした。


「•••」


 ヴィザルの必殺技をくらったタルタロスは静かに笑い倒れた。

次回予告

革命終結…


「タルタロスはもういない。」

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