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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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ヴィザルVSタルタロス 〜もう迷わない〜

前回のあらすじ

ヴィザルは決心する。例え無謀だとしてもタルタロスを救いたいと。その思いを胸に再びタルタロスとタイマンする。


「倒して救う。」

 革命が広がる。小さな革命の灯火が業火となり帝国になだれ込む。長きに渡って独裁政権を樹立していたギラージェに対抗すべく1万を超える革命軍がヴォルネスト帝国の首都ガテレンで激突する。その最中、コロシアムでも1つの決闘が始まっていた。

 ヴィザルとタルタロスが同時に走り出した。そのままお互いの剣がぶつかり合う。一瞬拮抗するがタルタロスが押し始めた。

 すると、ヴィザルは足を引いて体を反らしバックして避けた。タルタロスは勢いあまりバランスを崩して前に出る。そこにヴィザルが追撃する。


「《ヴァージストライク》」

「《グランアーマー》」


 しかし、ヴィザルの一撃はタルタロスが纏った青い鎧に防がれた。ヴィザルはすぐに下がるが今度はタルタロスが拳で追撃してきた。氷の剣と徒手空拳で追撃してくるタルタロス。ヴィザルは竜巻を自身とタルタロスの間に放って距離を取る。タルタロスもすぐにヴィザルの周りにガイアメイデンを作って挟み込もうとする。


「《見様見真似ケン流嵐旋閻魔》」


 それに対しヴィザルは刀に炎を纏いガイアメイデンを破壊すると同時に炎の渦をタルタロスに放った。タルタロスは翼を生やすと上に避けた。そのままヴィザルの真上に移動すると急降下した。


「《断頭台(メネシスフォール》」


 タルタロスが急降下しながらキックした。ヴィザルがとっさに避けるとタルタロスのキックでクレーターが出来た。ヴィザルはすぐに振り返り剣を構える。その途端、タルタロスがヴィザルの首に縄をかけて吊るした。


「《絞首刑(クロース》」

「ぐっ•••」


 ヴィザルはとっさに足に風を纏って浮遊することで窒息を逃れた。すると、今度はヴィザルの後ろに杭を生成し縄をかけ引き始めた。


「《ガロット》」

「ヴァ、《ヴァージトルネード》!」


 ヴィザルは杭を蹴って破壊し剣で縄を切って脱出した。膝を着き首を抑え咳き込む。それでも目はまっすぐタルタロスを見ていた。タルタロスがゆっくりと近付いてくる。ヴィザルの目を見て静かに笑う。


「やっぱりお前は強いよ。」

「謙遜ですか?」

「いや、俺の本心だ。そもそも革命軍は俺を過大評価している。俺も人間。疲労も痛みもある。いつかは死ぬ。ただ生きたいという願いが強いだけの身勝手な人間だ。」


 ヴィザルは深呼吸して息を整えると剣を構える。タルタロスもヴィザルを見て微笑むとギロチンレッグで攻撃してきた。ヴィザルもなんとか受け流しながらくらいつく。

 タルタロスは以前と違うヴィザルに驚いている。先日は迷いがあったために動きが鈍くなっていたヴィザル。しかし、今回はそんな迷いもなく俊敏に動けていた。


(迷いが無くなったか。しかし、殺意が感じれない。俺を救うつもりか。)


 そう判断したタルタロスは少し笑い地面を隆起させヴィザルを串刺しにしようとした。ヴィザルは体を反らして下がる。

 ヴィザルは下がると剣を鞘に仕舞い姿勢を低くして構えた。タルタロスはヴィザルの体勢を見て居合斬りをしようとしていると見抜いた。それに対抗するため左手に炎で生成した剣を持つ。そして、右足に風、左足に雷を纏い構えた。


「受けて立つぞヴィザル。」

「ありがとうございますラダマンティスさん。」


 静かに構える二人。そして、お互いの汗が垂れ地面に着いた瞬間、同時に飛び出し交わした。その様子を観客席からウズメが見ていた。ヴィザルの剣もタルタロスの剣も折れる。その光景を目にしたウズメは驚愕している。今まで誰も敵わないと言われたタルタロスをヴィザルが1人で拮抗していた。


「ヴィザル、お前•••」

「•••フッ。あの時迷っているのかと聞いたくせに今度は俺が迷ってしまってるな。このまま大人しく処刑されるのが革命軍のためだろうが俺はまだ死ぬわけにはいかない。」

「はい。僕もあなたを殺したくない。殺す以外の方法であなたを倒します。」


 二人は向き合って笑っている。何も知らないウズメが戸惑っているとタルタロスがグランアーマーを解除しローブと上着を脱ぎウズメの前まで投げた。ウズメの前に張ってあった電刑檻(エレクロフィールド)によって帝国の紋章が入ったバッジ丸焦げになる。


「ここからは処刑人(タルタロスとしてではなく父親(ラダマンティス)としてお前に勝とうヴィザル。俺の全てをお前に賭ける。」

「はい。僕も全身全霊であなたを救います。」

「な、なんなんだ•••」


 状況が飲み込めないウズメを尻目にヴィザルVSタルタロスの第3ラウンドが始まった。

次回予告

ヴィザル達が決死の覚悟で革命に挑む。そんな中、捕まったサリア達もまた諦めてはいない。


「さぁて、私達も行くか。」

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