再戦
前回のあらすじ
遂に革命が始まる。
「ギラージェとタルタロスを殺さない限り終わることはない。」
革命が始まる少し前
ヴォルネスト城地下に囚われていたサリア達のところにタルタロスがやってきた。
「気分はどうだ?」
「最悪。」
「だろうな。」
タルタロスはフッと笑い檻に凭れかかった。しばらく会話がなく静観しているタルタロスに痺れを切らしたエウリアが話しかけた。
「こんなことしても無駄よ。すぐに私達の仲間が助けにけるんだから。」
「もうそこまで来てる。」
「あんた、凄い余裕ね。」
「もうすぐで革命が始まる。その間俺はここに来ないから安心して仲間を待つといい。」
タルタロスがそう言っていると爆発音がした。革命が始まったのだ。ここまで爆発音が届いたのを確認するとタルタロスは思い詰めた顔で地下室を出る。
(もし、死ぬのならあいつに•••)
タルタロスはヴィザルを思い浮かべ戦いに望んだ。
そして、今に至る。
タルタロスの前にヴィザルが来た。タルタロス討伐に参加していないはずのヴィザルが来たことにウズメは不審に思っていた。すると、ヴィザルは爽やかな顔でタルタロスに衝撃の言葉をかけた。
「タルタロスさん。僕と勝負してください。」
「はぁ!?」
ヴィザルの言葉にウズメは呆れた。それを聞いた革命軍は呆気にとられ帝国兵は爆笑し始めた。ウズメがヴィザルに近付き胸ぐらを掴む。
「馬鹿か!?タルタロスは私達で倒す!お前に何ができる!?」
ウズメが激怒して怒鳴るがあの時と違う真面目なヴィザルの目を見て黙ってしまう。それを見たタルタロスが帝国兵と一緒に笑い始めた。
「ハハハハハハハハハ!いいだろう!」
笑っていたタルタロスがヴィザルの勝負に乗った。それを聞いた帝国兵が呆気にとられた。ウズメもタルタロスの返事に驚き手を離す。タルタロスは背中に翼を生やして空を飛ぶ。
「来い!既にステージは用意した!」
「はい!」
「ちょっとタルタロス様!」
タルタロスが飛んでいく。その後をヴィザルが追いかけていく。帝国兵はタルタロスの行動に驚き焦った。ガルド達も驚いている中、ケンは気にせずに帝国兵を倒して行った。
「行くぞ。」
「待て!少年はいいのか!?それに何故タルタロスが少年の勝負に乗ったのかも謎だ!」
「ヴィザルとタルタロスの間に何があったのかは知らん。が、決心したあいつを信じてやるのが仲間だ。」
ケンが先に進む。ガルドは悩んだ。確かにヴィザルがタルタロスの相手をしてくれるならかなり楽になるし被害も少なくなる。しかし、ヴィザル1人でタルタロスに勝てるとは思えない。タルタロスの強さを知っているガルドだからこそ不安が募る。
ガルドが悩んでいるとウズメが隣に来た。彼女もヴィザルのことが気になっているようだ。
「ヴィザルは私が追います。ボスはこのままギラージェのところへ。」
「•••分かった。」
ガルドはヴィザルをウズメに任せて城に向かう。ウズメはヴィザルを追って戦火の中を走って行った。
ヴィザルはタルタロスを追って走る。飛んでいるタルタロスを革命軍が下から攻撃するがあっさり返り討ちにされた。ヴィザルは帝国兵の攻撃を避けながら追いかける。すると、マキナが並走してきた。
「•••マスター、手伝います。」
「いや。僕1人で勝つ。マキナはオリヴィエさん達を守ってほしい。」
「•••了解しました。」
マキナは走るのを止め言われた通りオリヴィエ達を守るためオリヴィエ達を探しに行った。
ヴィザルがタルタロスを追いかけているとタルタロスが向かう先にガテレンで初めてタルタロスを見た処刑が行われたコロシアムが見えた。タルタロスが中に入って行く。ヴィザルがコロシアムに近付くと入口が岩石で塞がれていた。すると、コロシアムの入口を塞いでいた岩石が崩れ入れるようになった。ヴィザルは深呼吸して入る。ヴィザルが入ると入口が再び岩石で塞がれた。
ヴィザルはコロシアムの中を進んでいくと所々が岩石で塞がれていた。ヴィザルは行ける道を探して歩いているとコロシアムのステージに出た。そして、ステージの中央でタルタロスが待っていた。
「待っていた。」
「はい。」
ヴィザルは剣を構える。タルタロスも氷で剣を作って構えた。すると、タルタロスはステージとコロシアム全体に電刑檻を張った。
「これで邪魔は入らなくなった。存分に勝負しよう。」
「はい!」
二人は口角を上げ微笑むと同時に走り出した。
次回予告
再びタルタロスと激闘するヴィザル。今度はタルタロスを救うために力を振り絞る。
「絶対に負けられない戦いが始まる。」




