独裁国家
前回のあらすじ
オリヴィエ達も飲酒してた。
「一応、未成年でも飲めるカクテルのはずなので大丈夫だと思います。」
「そもそもここ異世界だから作者の世界の法律と違うから平気平気。」
「身も蓋もないことを•••」
快晴、綺麗な青空が広がる道をいくつかの馬車が走っている。その中にはヴィザル達アイアンガイアとアルティネ達エンジェルフォース、フェルトリーネとアイリスがいた。
「う、う〜ん。あれ?ここは?」
馬車の中で寝転がっていたアルティネが目を覚ます。起き上がって周りを見ると申し訳なさそうにしているケンやサリアがいた。
「何してんの?ってかここどこ?」
「ヴォルネスト帝国の首都に向かう馬車の中だ。」
「それって私達に依頼した国じゃない。」
「そうだ。昨日、うちのバカがお前を酔わせた結果ほとんどのメンバーが酔い潰れてしまったからそのお詫びとして俺達も同行する。」
「それはありがとうね。それで••••」
起き上がったアルティネが隣の馬車を見るとカリスティとエレキナが酔い潰れて窓に凭れていた。
「あの二人はなんで酔い潰れてるの?」
「あの馬鹿共は隠れて酒飲んでやがった。」
ケンが説明するとアルティネは呆れて二人を見た。その向こうの馬車にはヴィザル達がいる。ヴィザルは窓の外をじっと見ている。一緒に乗っていたマキナやオリヴィエ、フェルトリーネとアイリスもヴィザルと一緒に外を見る。すると、古びた教会が見えてきた。
「あんなところに教会があるんだ。」
「あれはミノス教会堂。数年前まではミノスさんっていうお婆さんがシスターをしていたんだけど亡くなられてからはシオンちゃんが代わりにシスターをしているところですよ。」
ヴィザルが気になって教会を見ていると馬車の騎手の男性が教えてくれた。
「そういえば、ヴォルネスト帝国ってどんなところですか。」
ヴィザルが聞いた瞬間、男性は複雑な表情をして答え始めた。
「はっきりとはいい難いのですがあまりいい国とは言えませんね。10数年前までは立派な国でしたけど前国王が亡くなられた後に即位したギラージェ王による独裁が続く独裁国家になっています。近年、各地に戦争を仕掛けたり略奪もしたりとやりたい放題です。なので観光ならあまりおすすめ出来ません。」
男性が説明していると前に大きな壁がそびえ立っているのが見えた。どうやら、ヴォルネスト帝国の首都ガテレンに到着したようだ。
「どうぞ。こちらがヴォルネスト帝国首都ガテレンでございます。どうかお気を付けて。」
「お気を付けてってどういうこと?」
そう言って馬車は去って行く。ヴィザルは騎手の言葉を不思議に思いつつもサリア達と一緒にガテレンに通じる門へと足を踏み入れた。
次回予告
長い間独裁政治が続くヴォルネスト帝国。そこに着いたヴィザル達は地獄の処刑人、最凶の死神と呼ばれる男を目撃する。そして、その国の裏に潜む革命の灯火と偶然接触した。
「•••真面目過ぎて変なこと言えない。」




