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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
210/406

酔いも甘いもほどほどに

前回のあらすじ

生徒会長同士の会話


「特に言うことはない。」

「ちょっと待って!」

「さすがに酷くないですか?」

 ここはカブジナから少し離れた町にある小さなBAR。そこにアイアンガイアのメンバー全員がいた。皆、バーテンダーの格好で仕事している。今回の依頼はコロナで寝込んでしまった店長の代理だ。それを知り合いだったサリアが受け取りヴィザル達を連れて今に至る。


「今回は何の問題もなく終わりそうですね。」

「毎回トラブルが起きるわけじゃないからね。」


 カウンターで仕事しているヴィザルとサリアが平和に終わると思って一安心していると客が来店した。


「マスター!いつも••の•••」

「•••」

「•••今日はやってないみたい。」

「ちょっと待てや!」


 BARを出ようとするアルティネをサリアが引き止める。アルティネの後ろにはオリヴィエやヴィーナ達エンジェルフォースのメンバーとアイリスがいた。


「え、何々?」

「あ、サリアさん。」

「なんだ?サリア先生もいるってことはヴィザル君もいるのか?」

「あぁ、アイアンガイア全メンバーでマスターの代わりをしているよ。」

「え!?」


 サリアの一言でアルティネが青ざめてしまった。


「ヤバい…早く帰ろう!じゃないと••••」

「ケン様〜!」

「遅かった〜!」


 アルティネが止めようもするももう遅くヴィーナがバーテンダー衣装のケンにメロメロになっていた。初めて見る姿にアイリスは目を点にしてアルティネを見た。


「何あれ?」

「アイリスちゃんには言ってなかったけどヴィーナはケンさんにメロメロなのよ。」


 アルティネに聞いてあるアイリスを見たフェルトリーネが驚いてやってくる。


「会長!なんでいるの!?」

「アルティネ先生の付き添い、というより面白そうだから来た。」

「生徒会長って自由人ですよね?」

「何を今更。」


 ヴィザルとサリアがコソコソ話をしているとアルティネ達がカウンターに付いた。


「それでマスターはどうしたの?」

「風邪だって。」

「へぇ~。まぁ、いいわ。ギムレットをお願い。」

「畏まりました。」


 アルティネが溜息付きながら注文する。注文を受け取ったケンはジンとライムジュースをシェイクしてギムレットを作ってお出しした。

 それを見たオリヴィエ達は目をキラキラさせている。初めてBARに来たようでオリヴィエもノリノリでヴィザルに注文した。


「ヴィザル君、私グラスホッパーが飲みたいなぁ。」

「わ、分かりました!」


 オリヴィエが注文するとヴィザルは厨房に入った。しばらくしてやってきたヴィザルがオリヴィエにグラスホッパーをお出しする。


「•••」

 

 グラスにいっぱい入っているバッタを見て絶句するオリヴィエ。


「•••ヴィザル君。」

「待って!グラスホッパーはバッタってマキナが言ってたんだけど!」

「そもそもなんでBARにバッタがいるのよ。」


 鉈を持ってヴィザルを切ろうとするオリヴィエを慌ててアルティネ達が止める。その様子を見ていたアイリスがサリアに注文する。


「じゃあ私はブルーラグーンをお願い。」

「畏まりました。」


 サリアはいくつかのお酒やソーダを手に取りシェイクする。そして、アイリスの前にブラッ○ラグーンの単行本をお出しした。


「ちょっと待て。」

「何か?」

「何か、じゃないよ!さっきの動きは何!?それに私が注文したのはブルーラグーン!これはブラッ○ラグーン!全然違うよ!」


 アイリスがサリアにツッコミ入れている。その間にケンが他のメンバーにちゃんとしたカクテルをお出ししている。


「ケンさん!注文お願い!」

「っていうかケンってカクテル詳しいの?」

「いや、さっきスマホで調べた。」

「それあり!?」

「ありでしょ!ってかそうしなさい!」


 アルティネはサリア達にガミガミ言いながらヴァンガスがすり替えたカクテルを飲む。その瞬間、カウンターに頭をぶつけて酔った。


「え!?何々!?」

「ヴァンガス、何飲ませた。」

「テキーラとスピリタスを混ぜた俺オリジナルのカクテル。」

「何その某ダイ○ング漫画ばりの激ヤバカクテル!?ってかなんでマスターに飲ませたの!?」

「うるさいからつい。」


 フリーラがヴァンガスに文句言っているとムクリと起き上がったアルティネが彼女の口に例のカクテルをぶち込んだ。

 アルティネが全てぶち込むとフリーラは顔を赤らめて倒れた。


「フリーラさ〜ん!」

「わらひのお酒が飲めねぇのかあ〜。」

「マズいよ!明日、大切な仕事があるからほどほどに済ませる予定だったのに!」


 オリヴィエ達が酔って暴れるアルティネを止めようと押さえたり水を飲ませようとしている。

 そんな時でもヴィーナはケンだけを見てメロメロになっているのでケンは頭にチョップしてアルティネを止めるように促した。

 魔法で植物を出して暴れるアルティネを止めるべくヴィザルやサリア達も参加する。その様子をアイリスは引きながら見ている。

 

「アルティネ先生はお酒に弱いのか?」

「いや。普通ここまで度数高いカクテル飲んだらああなる。」


 アイリスとケンが会話していると静かになった。何故なのか見てみるとアルティネが止めに入った全員をスピリタスとテキーラで酔わせ倒していた。一緒に止めようとしていたヴィザルやフェルトリーネもアルティネの蔦に絡まった状態で酔い潰れていて死屍累々としていた。

 アルティネは高らかに笑った後、目をぐるぐる回して倒れる。ケンとアイリス、厨房から一切出なかったエウリア達はその様子をじっと見ているのであった。

次回予告

 エンジェルフォースのクエストに同行するアイアンガイアのメンバー達。しかし、向かった国は独裁者が頂点に立つ独裁国家だった。そして、その国には史上最凶最悪の処刑人がいた。

 次回、”天獄革命編“始動


「あ、あれ?いつもより真面目なんだけど。」

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