女性に太ったは禁句
前回のあらすじ
久しぶりのヴィザルがアイドルオタク設定
「なかなか使う機会がない。」
「もう死に設定よね。」
「この小説、そういう忘れ去られた設定多いですよね?」
ある日、風呂上がりのサリアがバスタオル1枚で体重計に乗った。最初は軽い気持ちだった。しかし、体重計に乗った瞬間、サリアはムンクのような顔になり声にならない叫びをあげた。
「緊急会議を開く。」
神妙な顔付きでヴィザル達を集めたサリア。またサリアがなんかやってると呆れているケン達。今度は何と思っているヴィザル。何が始まるのかワクワクしているフェルトリーネ。
サリアはヴィザル達の顔を一通り見ると目を鋭くして喋り始めた。
「この中で、最近体重が増えた奴、挙手しろ。」
サリアの質問にケンだけが挙手する。しかし、マキナ以外の女性メンバーは顔を下に向け黙っていた。
「わ、私は今成長期だから。」
「私はグラマラスカリスティ。栄養は全ておっぱいにいってるのよ。」
「私は龍人。脱皮すれば大きくなる。」
「わ、私は義肢にいろいろと武装付けたからその分重くなってるんだよ。」
「えっと、いきなり何言ってるかなぁ?私は別にそういうのないはずだから。」
エウリア達が苦しい言い訳をしているとサリアに用事があるのかジルフレイムが入ってきた。
「サリアいる!って何この重い雰囲気は?」
「ジル、あんた最近体重が増えたとかある?」
「いきなり何!?そ、そんなわけないじゃん!私の場合は、そ、そう!私は背が伸びたのよ!それで••••」
「•••ジルフレイムの身長は全く変化していません。」
「そこ、黙りなさい。」
ジルフレイムがマキナに軽く拳を入れる。何かサリアに用事があるようだがサリアの真剣な表情を見て何も言えずにいた。
「サリア、あんたの気持ちは分かった。けど、先に私の話を聞いてくれない?」
「ちょっと黙って永遠の150cm。」
「155はあるから!」
「そんなことより手軽にダイエット出来る方法ない?」
「運動しろ。」
サリアが案を聞くとケンが真っ先に答えた。
「してるから!ってか私達結構動いている方よ!」
「そうよ!ちゃんと運動してるから!」
「依頼がない日は1日中部屋で食べては寝てるだろ。太った原因の1つは確実にそれだろ。」
「言った!言わないようにいろいろと言葉選んだのに!」
「デリカシーないぞ!」
「それだからエンジェルのストーカー以外にもてないのよ!」
「それとこれとは違うだろ!」
とうとう言われたくない言葉をケンに言われたサリア達はケンに文句を言いながらも自覚していたようでどうすれば痩せるかを会議し始めた。
「とりあえず、運動は勿論だけど痩せる魔法の習得も欠かせないわね。」
「そうね。それにしてもお腹減ったな。ピザでも頼むか。」
会議の途中、ピザを注文しようとするサリアをヴィザルとケンが拳骨で止めた。テーブルに埋まったサリアが顔を上げて文句を言う。
「何すんだいきなり!」
「原因その2をお前がしようとしたからだろ!」
「最近、出前が多いと思いましたよ!今考えたらフェルさんが来てから寿司やらピザやらカロリー高いやつばっかり出前してましたよね!?それです!それが一番の原因です!」
ヴィザルの言葉に女性陣は頭を抱える。実際フェルトリーネが来てからは毎日パーティーのようにピザやファストフードなど脂っこいものやカロリーの高いものを食べ続けていた。
「•••フェルトリーネが来てから摂取したカロリーは約•••」
「言わなくていいから!」
「ってかさっきから黙ってるヴァンガスとヘルマも何か言って!」
「別に太ったからと言ってどうでもいいからな。」
「僕は食べてもあまり太りませんので。」
「許さん。」
「有罪。」
「ちょっと待って!」
サラッと失言したヘルマをサリア達が吊るす。それを気にせずヴィザルがサリアに質問した。
「そういえば、サリアそんに何の用ですか?」
「それよ。さっき出前頼んだピザ屋から苦情がきたの。サリア、あんた後払いするって言ってまだ払ってないよね?」
ジルフレイムがサリアに聞く。サリアは汗を流しこちらを振り向くと笑顔で応え逃走を図った。しかし、一瞬でケンに捕まりヘルマの隣に吊るされた。
「待って!もうちょい!もうちょいで纏まった金額になるから!」
「いや、あんた毎回そのピザ屋にそう言って踏倒してるでしょ?」
「丁度いい。ダイエットのついでとしてピザ屋の配達バイトやってこい。」
「嫌だー!」
ケンがサリアをジルフレイムに引き渡す。ジルフレイムはそのままサリアを引きずってメタルバンドを去って行った。結局、今後はニーズヘルグの時のような極力カロリーの少ない食事を心掛け適度な運動をするようになった。その間、サリアはピザ屋だけでなく踏倒していた他の店でのタダ働きを余儀なくされた。
次回予告
ある学校と学校の代表同士の会談
「ヴィザル達は出て来ませ〜ん。」




