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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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アイドルは才能と顔が大事

前回のあらすじ

フェルトリーネがギャグ時空の洗礼を受ける。


「初めてのバイトでこんなことになるなんて•••」

「アイアンガイアではよくあることです。」

 ある日、カブジナの隣の都市メイジャンにヴィザル、マキナ、フェルトリーネがいた。その目的は•••


「みんなー!今日はBPO47のオリュンティア公国ライブに来てくれてありがとうー!」

「パニアちゃ〜ん!」


 パニアが所属するアイドルグループBPO47のライブを観に来ていた。全力でパニアを応援しているヴィザルを見てフェルトリーネは若干引いている。


「ヴィザルンってなんかオリヴィエちゃん以外の女性には靡かないと思ったけど意外とミーハーなんだね。」


 ヴィザルがサイリウムを両手に持って振りながら応援していると1人の男がヴィザルに近付いてきた。彼はマネージャー。パニアが所属するBPO47のプロデューサーを務めている。ヴィザルがマネージャーに気付くと頭をペコッと下げた。


「お久しぶりです。」

「マネージャーさん。どうしたんですか?」

「ヴィザルさんに折り入ってお願いがあるのですが。」

「どうしたの?」

「!」


 マネージャーがヴィザルに話しかけたフェルトリーネを見た瞬間、電撃が彼の体中に走ったかのような感覚がした。マネージャーは周りをキョロキョロ見回して周りの人には聞こえないようにヴィザル達をステージ裏のアイドル控室に案内した。


「•••バックダンサーが捻挫?」

「はい。彼女、クリスちゃんが先程バナナの皮で滑って転んで足を挫いてしまいまして。」

「なんて古典的なネタを。」


 マネージャーが説明している後ろでクリスが両手を合わせてごめんとお願いをしている。


「そこでヴィザルさんが来ているということなのでサリアそん達の誰かを代役にさせたいと思っていたのですが彼女を見た瞬間、ビビッド来ました!」

「ビビッド?」


 マネージャーがフェルトリーネを指差す。自分が選ばれてないことに不満そうなマキナを宥めながらヴィザルが聞く。


「それでバックダンサーって何をするんですか?」

「パニアちゃんの後ろで彼女と同じ動きをしてもらえれば。」

「それ、かなりの練習をしないとダメなやつですよね?フェルさんで大丈夫ですか?」

「大丈夫!私、こういうの得意だから!」

「初耳ですけど!」


 不安しかないヴィザルを余所にフェルトリーネはマネージャーにダンスの映像を見せてもらっている。そこにバックダンサーの子達がやってくる。彼女達と一緒にBPO47のマネージャーらしき男性が入ってきた。


「マネージャー。代役の子が見つかったと聞きましたが彼女ですか?」

「ええ。ここまでの逸材は中々いませんよ。」


 そう言ってマネージャーがフェルトリーネを紹介しているとフェルトリーネはあっさりとダンスを模写していた。それを見てバックダンサー達は舌を巻いた。


「凄い。私達より上手いかも。」

「ダンスの才能あるよあの子!」

「さすがですね。•••ん?彼らは?」


 バックダンサー達がフェルトリーネに驚いているとマネージャーらしき男性が横にいたヴィザルを見た。すると、いつの間にかサングラスをかけたヴィザルとマキナが彼に近付きいつの間にか作っていた名刺を見せて自己紹介を始めた。


「初めまして。私、フェルトリーネのマネージャーを務めております。ヴィザルと申します。」

「•••同じくマキナです。」

「いつの間に!?」

「あ、初めまして。私は072芸能プロダクションのマネージャーのディレクターと申します。」

(紛らわしい名前。)


 ヴィザルはディレクターから名刺を受け取る。どうやら、彼はBPO47や彼女達のバックダンサーをしているアイドルの卵達のマネージャーのようだ。


「彼女は素晴らしいですね。ダンサーの才能がありますよ。」

「顔も美少女と呼ぶに相応しい。」

「うちのスーパースターの1人ですので当然です。」


 ヴィザルがフェルトリーネを自慢気に話す。そこに休憩時間に入ったパニア達BPO47がクリスを心配して入ってきた。すると、彼女達はヴィザルを見つけ笑顔で手を振ってくれた。


「ヴィザル君、久しぶり!」

「お、お久しぶりです!お、こ、これ、御近付きの御品です!」

「急にキョドり始めた。」


 パニアに土産を渡すヴィザル。その手はガクブルに震えていた。パニアの変わりにマネージャーが受け取るとディレクターがダンスを終えたフェルトリーネに目をやった。


「それで彼女は?」

「クリスの代役として急遽雇ったヴィザル君の友達だ。」

「彼女凄いよ。あっという間に私達のダンスをコピーしたもん。」

「フェルトリーネでーす!フェルって呼んでください!」


 フェルトリーネが元気に自己紹介してパニアと握手する。パニアも笑顔で自己紹介して挨拶する。彼女を見たディレクターがう〜んと考える。しばらく考えて結論が出たのかフェルトリーネの肩を掴んだ。


「頼む!一回でいいからクリスの変わりをしてほしい!」

「りょ~かーい!楽しそうじゃん!」

「センスもある。見た目も美少女。そして、あの笑顔。あの子はアイドルの才能がある!」


 ディレクターのお願いを快く了承するフェルトリーネを見たマネージャーは彼女に可能性を感じていた。そこにヴィザルが手書きの契約書を彼に渡した。


「では、こちらの契約書にサインを。うちのフェルトリーネを今後起用する際はこちらを通してもらいます。その際の契約料はこちらで決めさせてもらいます。」

「さすがアイアンガイア。金にがめつい。」

 

 マネージャーは汗を流しながらも契約書を見て問題ないと判断しサインをした。

 結果、ライブは問題無くフィナーレを迎えたが後日フェルトリーネに隠れたファンが増えることを彼らはまだ知らなかった。

次回予告

サリア達に危機が•••


「な、なんだと••••」

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