ラッキースケベは学園あるある
前回のあらすじ
学園物名物決闘。
「どうせ主人公が勝つやつ。」
「確かにそうだけど言い方!」
クラス対抗戦が終わりミロの森から出て来たヴィザル達の前にフリスタンが拍手しながらやってきた。後ろにほサリアとアルティネ、アイリス達がいた。
「見事。凄かったよヴィザル。」
「ありがとうございます。」
オリヴィエとリリエスタから全力で逃走していたヴィザルはぜぇぜぇ言いながら礼を言う。オリヴィエも落ち着きを取り戻したのかさっきまでの黒いオーラは消えていた。
「大丈夫かヴィザル?」
「今までで一番命の危機を感じました。」
「そこまで!?」
「オリヴィエ、大丈夫?」
「はい!もう大丈夫です!」
「そ、そう。」
さすがのアルティネもオリヴィエが心配になっている。ニコニコのオリヴィエを余所にアイリスがヴィザルに寄ってきた。
「千里眼魔法で見ていたぞ。素晴らしい闘いだった。」
「ありがとうございます。」
(授業は?)
「特に茨を避ける動きは感服するほどだったぞ。」
「はい。私の薔薇吹雪を紙一重で躱す動きは見事でしたわ。」
アイリスとリリエスタがヴィザルを褒める。
「あ〜、あれか。実は以前触手魔法を使うオルフェウスさんと戦ったことがあったのでそういうのに慣れてました。」
「触手魔法!なんだその被虐心をくすぐる魔法は!?」
「会長、節度を保ってください。」
ヘルフィリーがアイリスの頭を叩いて我に戻す。
この後はフリスタンが対抗戦の評価をして授業が終わりそれから何事もなく一学期が終わろうとした。
•••別にネタがなくなったとかじゃないからね。
終業式も何事もなく終わり今日から夏休みが始まった。生徒達はそのまま寮で過ごしたり帰省する予定みたいだ。
そんな中ヴィザルがいるFクラスは何か計画していた。計画を立てたのはフェルトリーネのようで担任のヒスイやサリア、アルティネが教室にいた。
「明日ほとんどが帰省しちゃうから今日ヴィザルンとオリヴィエちゃん歓迎会その2をクラスだけやりまーす!」
「また?」
「今度は夏らしく海でバーベキューだ!」
ノリノリで話すフェルトリーネ。もうバーベキューセットや肉などの食材、そして水着が用意されていた。
「さぁ、今からやろう!」
「「おぉ!」」
「え、これ私達もやるの?」
ヒスイが自分を指差して強張らせる。フェルトリーネは笑顔で首を縦に振る。続いてサリアとアルティネに指を差す。また、笑顔で首を縦に振る。そして、ヴィザルとオリヴィエに指を差す。もちろん、笑顔で首を縦に振る。
「全員参加!折角だからみんな水着でバーベキューだ!」
「私、仕事があるから•••」
「ロゼっち。」
フェルトリーネが指を鳴らしロゼリアが植物を召喚して逃げようとするヒスイを捕らえた。
「こういう時だけチームワーク発揮するの何なの!?」
「じゃあ、私達は更衣室で着替えるからヴィザルンはここで着替えてビーチで待っててね~!」
ヒスイと一緒にサリアとアルティネも連れて行ったフェルトリーネはウインクしてヴィザルに告げる。1人残されたヴィザルはフェルトリーネが置いていった紙袋を開ける。
「•••」
ブーメランパンツ
「•••履けるかぁ!」
しばらくして水着姿のフェルトリーネ達がビーチにやってきた。ビキニにワンピース、ハイレグレオタードにスク水と様々の水着に着替えたフェルトリーネ達が楽しそうに走ってきた。中には初めて男に水着姿を見せるため恥ずかしがっている子やいい年して露出の多い水着にされて赤面しているヒスイ達がいた。
フェルトリーネ達がやってくると案内役を務めていたメシエ(もちろん水着姿)とサーフパンツのヴィザルが待っていた。
「あれ?私が用意した水着は?」
「いや、実は海が近いと聞いてたので水着を持参してました。」
「ちゃっかしてるというより海で遊ぶ気満々だったろヴィザル?」
赤いビキニを着たサリアが聞くもヴィザルは無言で目を反らして答えなかった。その間にパラソルやらバーベキューやらの準備を終えたエリル達がヴィザル達を呼んだ。
「よぅし!じゃんじゃん肉持ってこーい!」
「タダ飯にありつけるからってめちゃくちゃ元気ね。」
それからみんなでビーチバレーや水泳勝負、ビーチフラッグを楽しんだりバーベキューで賑わった。
全部に参加しヘトヘトになったヴィザルがパラソルの下で座る。目の前にはまだまだ元気のあるレミル、日焼けしたくないと別のパラソルの下で涼しんでいるロゼリア、日焼け止めを塗っているヒスイ、バーベキューの肉を食べ続けているサリア、蟹に土下座しているヴァレリア。
「•••え?あの人何やってるの?」
ヴィザルが土下座しているヴァレリアを見ているとオリヴィエが隣に座った。彼女は花柄のバンドゥビキニを着てヴィザルに擦り寄る。
「どう?似合うかな?」
「う、うん。凄く似合ってる。凄い綺麗だよ。」
珍しく積極的に寄ってくるオリヴィエにヴィザルは股間を隠しながら下がり褒める。
「たまにはこういう日があってもいいかもね。」
「そうだね。」
ヴィザルは空を見て答える。今までアイアンガイアに入ってからというのもマスターズやエウリアのためにヴォルジャーノ帝国に行って革命したりマキナのためにオルフェウスやガッチェスと戦ったり父親を殺した暗殺クランのメンバーを倒したりと波乱万丈な日々だった。
そんな日々を忘れてしまうぐらい今は平和だった。大きな事件もなくゆっくりとした時間を過ごしている。
すると、ビッグウェーブがきたためフェルトリーネがサーフィンを始めた。しかし、風魔法で勢いをつけすぎたのかビッグウェーブを越えてこっちに落ちてきた。
「わぁ〜!止めて〜!」
「ちょっと待って!」
なんとかしてうけとめようとするもヴィザルとフェルトリーネが激突してしまう。倒れる2人。ヴィザルは体を起こして頭に手を置くと何故かブラを持っていた。恐る恐るフェルトリーネを見るとブラの無い彼女が赤面しながら涙目でこっちを見た。密着しているため彼女の柔らかい胸が直で感じとれた。
「か、返してくれないかなぁ。」
「あ、え、あ••••」
ヴィザルは青ざめ首を横に向けるといつの間にか鉈を持ったオリヴィエが黒いオーラを放ちながらニコニコしていた。
「ヴィザル君。そういうお約束はダメでしょ。」
「待って!これ、僕が悪いの!?別に邪な気持ちないから!」
ヴィザルはブラをフェルトリーネに返し全力で浜辺を走って逃げた。オリヴィエがそれを追いかける。それをサリアが肉を食べながら見ていた。近くにはアルティネとヒスイもいる。
「平和だね〜。」
「そう!?」
「やっぱりあの子恐いのだけど•••」
こうして、何事(?)もなく夏が始まろうとしていた。
「サリア先生。」
「ん?どうしたフェル?」
次回予告
久しぶりに学園外の話です。
「ついでに懐かしのあのキャラも登場するぜ!」




