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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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決闘で負けた相手が惚れるのも学園あるある

前回のあらすじ

珍しいオリヴィエの戦闘回。


「オリヴィエが戦うところ滅多に書いてないことに今気付きました。」

「•••」

「オリヴィエさん、黙ってニコニコしてないで何か言ってください。怖いです。」

 とうとうリリエスタのところに着いたヴィザル達。リリエスタの周りにほダークエルフの少女が1人だけだった。


「やっとここまで来たぞ。」

「あら、前回は開始2分19秒で全滅したのにいい度胸ですわね。」

「酷い戦績ですね。」

「•••ノーコメントで。」


 ヴィザルがエリルを見るとエリルは遠い目をして反らした。ロゼリア達も一緒に目を反らす。すると、ダークエルフの少女が槍を持ってヴィザル達の前にやってきた。


「クゥ、あなたはエリル達の相手をしてちょうだい。私はヴィザル様のお相手をするわ。」

「畏まりました。」


 クゥは返事をするとエリル達の前に立つ。リリエスタも剣を構えてヴィザルの前に立つ。


「つい先程マルロナさんが負けてしまいましたので私もすぐ終わらせたいと思いますわ。決闘、しましょう。」

「どこの学校でも決闘ってあるんだなぁ。」

「受けてくださいまし!」

「分かりました!」


 ヴィザルも剣を構える。その瞬間、リリエスタの周りから吹雪が発生し自身とヴィザルを包み込んだ。


「これは•••」

「フリージア。相手を逃さず邪魔も入らせない吹雪の檻ですわ。」


 リリエスタはクスクスと笑うと今度は氷で薔薇を作り出すと茨で攻撃を仕掛けてきた。


「《薔薇吹雪ローゼンブリザード》」


 リリエスタは茨を無数に出してヴィザルを攻撃する。しかし、ヴィザルは避ける、切る、捌くと怒涛の茨攻撃を吹雪の中凌いでいた。


(激しい攻撃だけどオルフェウスさんの触手に比べたら大したことない。)

「あら、おやりになりますわね。」


 ヴィザルの動きに感服したリリエスタは氷の礫を四方から撃ち出しながら斬り込んできた。ヴィザルもとっさに礫を切りながらリリエスタの剣を受け止める。しかし、受け止めた瞬間ヴィザルの剣が凍り始めた。


「!」


 ヴィザルは手が凍る前に剣を離したため剣だけが凍った。リリエスタは勝機と茨と礫を同時に出して突撃した。


「もらいましたわ!」

「と、思うじゃん!」


 すると、ヴィザルは両足に風を纏い逆立ちして回転しながら茨を切り礫を弾いた。リリエスタは驚きながらもヴィザルの額の魔法石に剣を突き刺そうとした。ヴィザルはそれを避け高くジャンプすると吹雪を巻き込んだ竜巻を起こしリリエスタに踵落としをした。


「《ヴァージトルネード》!」

「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」


 ヴィザルの一撃はリリエスタを吹き飛ばし吹雪を掻き消した。その瞬間を見ていたエリル(クゥとの対決で唯一生き残った)はやったとガッツポーズをした。そこにマルロナを倒したオリヴィエ達も合流する。


「ヴィザル君は!?」

「たった今、リリーに勝った!」


 ヴィザルが勝ったことでクゥは負けを認めたのか戦闘態勢を解いた。エリルやオリヴィエ達がヴィザルにやってきて抱きつく。


「よくやったぞ!」

「さすがヴィザル君!」


 喜ぶのも束の間、スマホにリリエスタを倒した表示がされていないことに気付く。どうやら、まだ魔法石が破壊されていないようだ。それに気付いたヴィザル達が倒れているリリエスタに近付くと絶句した。

 何故なら今のリリエスタはほぼ全裸状態なのだ。ヴィザルの一撃が彼女の服をビリビリに引き裂いたからである。

 ヴィザルが気まずそうに見ていると肩を掴まれた。汗を流しながら恐る恐る振り向くとニコニコしているオリヴィエがいた。


「ヴィザル君、これどういうこと?」

「偶然です!別にToL○veるを狙っていたとかそんな事一切考えておりません!」


 必死に弁明&土下座するヴィザル。すると、目を覚ましたリリエスタが起き上がってきた。クゥが慌てて自分の上着を着せる。上着を掴んだリリエスタはヴィザルを見て自分が負けたことを悟る。


「私の負けのようですわね。」

「そうだ。潔く負けを認めるのだな。」

「なんでエリルが偉そうなの?」


 リリエスタはヴィザルの前まで来た。その目はハートになっている。


「私の攻撃を見事に捌ききった剣技、剣を失っても失うことなかった強い心、そして私を倒した一撃。完敗ですわ。」

「いえいえ。」

「私•••」

「?」

「•••惚れてしまいましたわ」

「なんでだぁ!?」


 顔を赤らめて告白したリリエスタにヴィザルは大声で叫んだ。それを見たフェルトリーネ達はニヤニヤして拍手する。


「なんで!?なんでいきなり告白されたの僕!?」

「ヴィザルンは罪な男だね〜。」

「これは仕方ない。」

「強い男に惚れるは女の本望。」

「待って!これ僕が悪いの!?」


 ヴィザルが叫んでいるとオリヴィエがヴィザルの肩を叩いた。


「ヴィザル君、凌遅刑って知ってる?」

「待ってください!罪に対する罰が重すぎます!それ、死刑ですよね!?」


 ヴィザルは鉈を装備してニッコリしているオリヴィエと目がハートになっているリリエスタから全力で逃走した。

 結局、クラス対抗戦は代表であるリリエスタを倒したFクラスの勝利となった。

次回予告

もうすぐ夏休み。


「水着を書きたい。」

「邪な魂胆が見え見えですよ。」

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