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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
202/406

クラスにトガッた子がいるのも学園あるある

前回のあらすじ

やっと話が進む。


「特別編とかしているからです。」

 ヴィザルチームが松下を撃破する前

 オリヴィエもフェルトリーネやサリー達とチームを組み森の中を進んでいた。途中、Eクラスの生徒達が襲ってくるがなんとか対処できていた。


「ホントにこんなコソコソ作戦で大丈夫なの?」

「少なくとも脳筋突撃よりは大丈夫です。」


 突撃出来なくて不満そうなフェルトリーネ。すると、サリーがホッとした表情でオリヴィエの肩を掴んだ。


「良かった。まともな判断が出来る人が来てくれて。」

「どうしたの!?」

「私も前々から突撃作戦を反対していたけど誰も聞いてくれないのよ。」

「あなたも苦労しているのね。」


 涙を流すサリーを優しく撫でているとヒューという風切音が聞こえてきた。オリヴィエ達が音がした方角を見ると大きな岩石がいくつも飛んできた。


「回避〜!」


 生徒の1人が叫ぶとみんな避けたりシールドを張って防御した。飛んできた方向を見ると小高い崖の上からさっきの岩石がまた飛んできた。オリヴィエ達はすぐに1つに固まり全方位にシールドを張って防御した。


「何あれ?」

「あれはマルロナの適当メテオよ。」

「その名前、大丈夫?それもそうだけど私達の位置が分かるの?」

「マルロナは千里眼魔法が使えるからここ見えるのよ。」

「それ、早く言ってくれない。」


 かなりの遠距離からの一方的な攻撃に防戦一方のオリヴィエ達。それを崖の上からマルロナが千里眼で見ていた。


「このまま押し切る。けど一応念のため•••」


 マルロナはそう言うとさつとは違う何かを撃ち込んだ。それを見届けると自身の周りに土魔法で壁を作り出して観察した。

 一方、防戦一方のオリヴィエ達は砲撃が来ないうちになんとか打開策を練ろうと会議していた。


「ねぇ、エリル達のところはどうなってるの?」

「応援呼べないの?」

「あ〜、さっきケイシー達がやられた。エリルもヴィザルンも連絡しても出てくれないし〜向こうでも何かあったみたい。」

「それじゃあヴァレリアのテイムを使ってみたら。」


 クラスメイトの1人が大人しそうな少女を見て提案する。


「テイムって?」

「北の大陸にあるテイマーという職業の人が使うモンスターと契約して使役する魔法。ヴァレリアはそのテイムが使えるのよ。」

「世界には凄い魔法があるのね。」


 オリヴィエが関心しているとヴァレリアが三つ目の鷲みたいなモンスターに土下座して頼み込んでいた。


「お願いします!後で何でも言うこと聞きますから契約してください!」

「ホントに大丈夫!?不安しかないけど!」


 土下座してお願いしているヴァレリアを心配していると周りに気配を感じた。フェルトリーネ達も感じたようですぐに背中合わせになって警戒するとマルロナが撃ち込んだ何かが着弾した。その何かが段々と形を変えゴーレムが現れた。

 それを確認したオリヴィエ達はすぐに土下座しているヴァレリアを連れて離れた。


「ねぇ。オリヴィエさんって繊細な魔法が得意よね。」

「ええ。」

「ならあのゴーレム相手してくれない?」

「そういえばサリーの魔法って見たことないけどどうしたの?」

「え、あ〜。私の魔法はその、ね。」


 サリーが目を反らせる。フェルトリーネ達も目を反らしてゴーレムを相手する。そこにマルロナが再び砲撃をしてくる。


「確かにあのゴーレムを倒せるのはサリーだけだと思うけど•••」

「けど?」


 ゴーレムの攻撃を防御しながらサリーを見るがサリーは魔法を撃つのを躊躇っていた。すると、ゴーレムがシールドを破壊した。砲撃を風魔法で捌いているフェルトリーネのところにゴーレムが襲ってくる。その瞬間、オリヴィエとサリーが同時にゴーレムに向かって魔法を放った。サリーの炎魔法がオリヴィエの魔法ごとゴーレムを消し炭にしてミロの森の一部を燃やした。


「•••え?」

「や、やってしまった。」


 サリーの撃った魔法の威力に絶句したオリヴィエ。


「サリーの魔法って全て高威力、広範囲、一撃必殺の火力ロマン魔法なんだ。だからこんなところで撃つとこうなるんだよね〜。」

「強いんだけど扱いに困るというか•••」


 とっさにサリーの後ろに行ったフェルトリーネ達がオリヴィエに説明する。サリーはやってしまったと言って汗を流している。マルロナが警戒しているのか砲撃してこない。そのうちに何か思いついたオリヴィエがみんなに今考えた作戦を伝えた。


(静かになった。何をしてくるのかしら。)


 千里眼で監視していたマルロナは読唇術でオリヴィエ達の会話を聞こうとするもみんな口を手で隠しているため分からなかった。彼女達の作戦を探ろうとしているとフェルトリーネとサリーがこっちに向かって走り始めた。

 2人はそのまま崖下に行くとフェルトリーネの風とサリーの炎を組み合わせた即席の魔法でマルロナを攻撃した。


「まずいわね。」


 マルロナは下がって攻撃を避ける。そのまま砲撃の位置を変えようと移動すると後ろから影が通過した。何の影かと上を向くとヴァレリアがテイムした鷲のモンスターに乗ったオリヴィエがいた。


「しまった!」


 フェルトリーネとサリーの魔法に気をとられてしまったマルロナはとっさに地面から岩石を砲弾に加工して発射した。オリヴィエは鷲みたいなモンスターから飛ぶと砲弾の雨を避け杖から氷の弾丸を放ってマルロナの額の魔法石を破壊した。


「そ、そんな•••申し訳ありませんリリー様。」


 魔法石を破壊されたマルロナはそのまま仰向けに倒れた。そして、華麗に着地したオリヴィエがポーズを決めた。


 そして、ヴィザル達がとうとうリリエスタのところへ到着した。

次回予告

リリエスタと交戦開始。


「そして終わり。」

「ネタバレ!?」

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