生徒間に派閥があるのも学園あるある
前回のあらすじ
別に要らない回だったかも。
「作者がそれ言う!?」
ヴィザルが目を覚ます。暗い部屋にいる。動こうとするが両手が拘束されていて上手く立ち上がれない。段々と暗闇に目が慣れると両隣にオリヴィエと天草がいた。二人ともヴィザルと同じしように拘束されている。
「オリヴィエさん。起きて。」
「えっと、ここは?」
オリヴィエが目を覚ますと天草も目を覚ました。二人も今の状況を確認していると電気が点いた。眩しくて一瞬目を閉じるが徐々に面倒くさいを開けるとそこには数人の女生徒がいた。
金髪の如何にもお嬢様な少女がリーダーらしく彼女の周りには取り巻きらしい少女達がいる。金髪の少女はヴィザルに近付くとヴィザルの顔をジーと見た。
「な、なに?」
「•••」
少女はヴィザルを見て溜息をつく。天草は少女達をジーと見ている。
「確か高等部魔術科1年のラーミャ•アレクサンドラだな。」
「さすが生徒会長。高等部の生徒も知ってるのね。」
「それでこれ何?」
ヴィザルが聞くとラーミャはあっさり答えてくれた。
「私達は共学化反対派よ。目的はもちろん共学化阻止のため。だからあんたをここから追い出すために脅迫するのよ。」
「正直に喋った。」
「うちの学園は正直者が多いからな。」
ラーミャがしまったと口を塞ぐがもう遅い。自分達の目的がバレたためラーミャは開き直ったのかペラペラと喋り始めた。
「私達はこの学園に男がいることを許さない!ここは淑女の楽園。ここにいるみんなは男がどういう者か知らないの。そんなところに男なんて野蛮そうな者を入れてみなさい。あっという間に楽園が崩壊するわ。」
ラーミャの言葉に周りの少女達もうんうんと頷く。中にはヴィザルを怖がって隠れている少女もいた。
「本当はあんたに痴漢や窃盗とかの濡れ衣を着せるつもりだったけど、その、良心がちょっと痛んだしもしそんなことになったらあんた追放される前に惨い死に方するかもと直感で思ったから止めてあげたわ。」
「ありがとうございます!」
ラーミャがオリヴィエ見ながら話す。オリヴィエは何も言わずにジト目でヴィザルとラーミャを交互に見ている。
ちなみに、ヴィザルがもし痴漢なんてことになれば間違いなくオリヴィエに粛清されていたであろう。
ラーミャはゆっくりとヴィザルを警戒しながら近付いてくる。そして、前のめりになり顔をヴィザルに近づけた。
「とにかく!あんた、ここを出ますって言いなさい。それと共学化に反対と学園長に言ってくれない。」
「それ僕が言ったところで変わらないと思いますけど。」
ラーミャがヴィザルに脅迫(?)していると突然扉が開いた。そこにアイリスやサリア達、教師と思われる女性がいた。その女性はラーミャ達を見るや否や彼女達の頭上に小さい拳状の岩石を作り頭にぶつけた。ラーミャ達は頭を抑え蹲る。
「やっぱりお前達だったか。確かに気持ちは分かるが拉致は駄目だろ?」
「さすがフリスタン先生。生徒のこと良く分かってますね。」
「ヴィザル、オリヴィエ、大丈夫か?」
サリア達がヴィザル達を解放する。その間にフリスタンがラーミャ達を外に出して正座させた。
「よく分かりましたね。」
「なんかあのラーミャって子は前から男がくることに反対していたからもしかしてといろいろ探していたんだが。」
サリアはそう言ってヴィザル達を出すと場所が体育館の裏手にある誰も使ってない倉庫だと分かった。
「まさかこことは思わなかった。」
「ここは今は使ってない旧体育館倉庫だ。老朽化で近いうちに取り壊す予定なんだがこんなところに連れてたとは。」
アイリスが詳しく説明する。無事解決(?)したのでアイリスはヴィザル達を体育館に連れて行く。
「とにかく、今日からしばらくはこの学校で暮らすのだ。楽しんでもらわないとな!あ、もしハメを外して粗相するようなことがあったら、分かるよな?」
「はい。全身の皮を剥がされあそこを斬り落とされます。」
「いや、さすがにそこまでしないから!」
「オリヴィエさんに。」
「オリヴィエさん!?」
土下座するヴィザル。鉈を竹刀のように素振りするオリヴィエ。それにドン引きするアイリス達。
ラーミャ達はこの時確信したことが2つあった。
1つはヴィザルは絶対この学園で生徒達に危害を加えないこと。
そして、オリヴィエを怒らせたらいけないことだった。
次回予告
ヴィザルのドキドキ女子校生活がスタート!
「いろんな意味でドキドキです。」




