人は見た目によらない
前回のあらすじ
前回は本当にすみませんでした!
「まだ謝ってた!」
マスターズを明日に控えたある日、ヴィザルはヘルマと二人でクエスト場所へ向かっていた。
クエストの内容はモンスターに壊された家の修復のお手伝いである。
「そういえば、ヘルマさんと一緒にクエストするのって初めてな気がします。」
「確かにそうですね。僕自信あまりクエストに行きませんから。」
「ヘルマさんは普段は何をしているんですか?」
「お店でアルバイトだよ。」
「へぇ~。大変じゃないですか?その~、ヘルマさんって女の子みたいって言われたりするのでは?」
「そこは大丈夫。みんないい人でそういう偏見は一切しない人達だから。」
「良かったですね。」
「そうだ!今度、僕が働いているお店に案内するよ!」
「あ、行ってみたいです!」
「決まりだね!」
二人が話ながら歩いていると目的の家に着いた。その家は見事な一軒家みたいだったがモンスターに破壊され、見るも無残な姿になっていた。
「うわ~、これはひどい。」
「確かに。」
二人が見ていると二人の男女がやってきた。
「君達は?」
「はい!僕達は家の修復のお手伝いにきました!」
「あぁ!君達がクエストの!ありがとう!」
男は二人に握手した。その後ろで女はジーッと二人を見ていた。
「ねぇ、本当に大丈夫なの?見るからに華奢な二人だけど?」
「えぇっと頑張ってみます。」
「頼むわよ。」
「そう言うなよ。私は元冒険者のタウレルと言う。彼女は妻のマリリンだ。この前、デカイ牛のモンスターが我が家で暴れてな。モンスターは倒したが我が家がこうなって仕方なく頼んだわけだ。」
「良く言うよ。こうなったのはあんたがあのモンスターをこっちに投げたからでしょ!」
「すみません。」
タウレルは申し訳なさそうにマリリンに謝った。
「じゃあ、早速手伝ってもらうよ!」
「分かりました!」
「とりあえず、あれを俺と一緒に運んでくれ。」
そう言ってタウレルは木材やレンガなどの瓦礫を指差した。
「あれをあっち積み上げているところまで運ぶぞ。」
「分かりました!」
そう言ってヘルマは木材や瓦礫を運んだ。
一人で全部一気に。
「・・・」
「かなり重たいはずなんだけど。」
全員が言葉を失った。
「これでいいですか?」
ヘルマが易々と運び終わるとふぅって言いながら汗を拭いた。
「あぁ、ありがとう。想像よりものすごく早く終わりそうだよ。」
「良かったです!」
「さっきは疑って悪かったよ。凄いねぇ、お嬢ちゃん。」
「あ、僕は男です。」
「「・・・」」
また言葉を失った二人。ヴィザルはその後ろでうんうんと頷いていた。
「産まれた時から体が女の子みたいに育っちゃったんです。」
「へぇ~。」
「それにしても凄い力ね。」
「はい!元から力持ちなのを魔法で筋力やいろいろ強化してますのでアイアンガイアの中では一番力があるんですよ。」
「は、初めて知った。」
ヘルマの力を目の当たりにしたヴィザルはポカーンとしていた。
こうして、クエストを終わらせた二人は報酬を貰ってメタルバンドに帰った。
「何か、明日がマスターズなのにこんなほのぼの回で良かったのかなぁ?」
「ヴィザル君ってたまにメタいこと言うよね。」
そして、マスターズ当日を迎えた。
次回予告
とうとうマスターズ開催!
「行くぞ!みんな!」
「おぉ!」