ネーミングセンスは人それぞれ
前回のあらすじ
マキナはストーカー
「・・・あらすじを排除します。」
「やめて!てか、どうやって!?」
これはヴィザルの一言から始まった。
マスターズまであと2日となった今日、 アイアンガイアのメンバーは全員、本部にいた。
すると、ヴィザルがみんなにある質問をした。
「そういえば、ここって何て言うんですか?」
「?」
「いや、ずっと本部とか家とかって言ってますけど正式な名称はないんですか?」
「・・・」
全員黙った。
「そういえば、私達も本部とかって言っているわね。」
「確かにあまり気にしなかったなぁ。」
エウリア達がしゃべっていると突然、サリアが立ち上がった。
「ならば、今決めよう。題して、ここの名前を決めよう選手権~!」
「イエーイ!」
「ドンドン、パフパフ~!」
「それも口でするんですか?」
こうして、アイアンガイアの本部の名称を決める会議が軽く始まった。
「まずは一番手は私がいこう。」
最初に名乗り出たのはサリアだった。
「ここの名前はずばり、アイアンガイアネストだ!」
「ネスト?」
「そうだ。かの有名なレジェンドドラゴンのクラン本部の名前がレジェンドネストだ。それを文字ってアイアンガイアネストと名付けた。どうだ。」
フフーンと息をまいているサリアにヴィザルがさらっと反論した。
「それですとレジェンドネストのパクリになりませんか?」
「・・・」
「そうね。却下ね。」
「ぐはっ!」
サリアは案が却下され、その場に倒れた。
「次は私がいくわ。」
今度はエウリアが立ち上がった。
「私はねぇ、フェニシアキャッスルって名前を推薦するわ!」
「おいそれ、完全にお前のクランになってるだろうが!」
「そうだぞ!何様のつもりだ!」
「女王様よ!」
「やけに小さい女王様だな。」
「小さい言うな!」
エウリアの案も却下された。
「よっしゃあ!だったら俺がいってやる。」
次はヴァンガスが立ち上がった。
「ずばり、デストロイビーストだ!」
「ちょっと、それワイルドビーストのパクリじゃないの?」
「全然違う。ワイルドビーストの本部はフェンリルホールだからな!」
「でもビーストを入れるってことはワイルドビースト関係じゃないのか?」
「いいところに目をつけたな、クロア。その通り、これはワイルドビーストを撃滅するために名付けた!」
「それ完全にお前のエゴじゃねぇか!」
「そもそも、それを本部の名前にするな。」
もちろん、これは却下された。
次に提案したのはカリスティだった。
「私ならエックスガイアズって名前にするわ。」
「あれ?カリスティにしては普通ね。」
「確かに今までよりはマシよね。」
「ちなみに、なんでそんな名前に?」
サリアがカリスティに質問するとカリスティはパソコンを出してあるサイトをみんなに見せた。それは、
「この○ックスビデオズというサイトを参考にしたわ。」
明らかにR18のヤバいサイトだった。
「・・・」
「アウトーーーーー!」
ほとんどが顔を真っ赤にして下を向く中、ケンが叫びながらパソコンを閉めた。
もちろん、これも却下されカリスティは参加資格を剥奪され縛られて放置された。
「・・・○ックスビデオズを記憶回路に保存します。」
「やめてえぇ!」
何故か保存しようとするマキナをヴィザルが全力で止めていた。
「おい、エレキナ。次、お前がいけ。」
「・・・え?」
ヴァンガスに指名されたエレキナは少し考えた後、立ち上がった。
「ならば、ガイアテイルだ!」
「どういう意味?」
「それは、大地に尻尾はあるのかないのか? 永遠の謎、故に・・・」
「待ってください!それ完全に他のところのパクリですよ!下手したら訴えられて終わりですよ!」
「そもそも、大地の尻尾ってなんだ?」
エレキナの案も却下された。
すると、サリアはジーッとケンを見ていた。
「ねぇ、ケンは何か案はないの?」
「ない。普通に本部でいいと思う。」
「それじゃ何か駄目なのよ!周りって何かカッコいいじゃん!レジェンドネストだったり、フェンリルホールだったり、なのにうちだけ本部って何かカッコ悪いじゃん!」
「今更だな。」
サリアはテーブルをダンダンと叩きながら悔しそうに叫んでいた。
すると、マキナが手を挙げた。
「おぉ!マキナ、何かいい名前が浮かんだか!」
「・・・はい。ずばり、エックスフェニシアデストロイネストテイルの本部です。」
「全部くっつけたぁ!」
「っていうか、それだと私が厭らしい目に会ってデストロイされているんだけど!」
「それにその名前だとエックスフェニシアデストロイネストテイルというクランの本部になってます。」
「・・・でしたらメス猫の宿にしましょう。」
「カリスティさ~ん!」
結局、両方却下された。
「・・・」
「クロア?」
「・・・」
「どうした、クロア?」
「・・・駄目だ。何も浮かばない。」
クロアは頭を抱え俯いていた。その様子を見たサリアは何も言わなかった。
その後すぐにサリアはヘルマを見た。ヘルマは一切しゃべっていないのに気づいた他のメンバーもヘルマを見た。
「え?」
「ヘルマ~。何も言わないのは卑怯だよ~。」
「あの、僕もクロアさんと同じでいい名前が思いつきませんのですが。」
「とりあえず、何か出してよ~。」
サリアにせがまれ、ヘルマはおそるおそる案を出した。
「で、ではアイアンハウスはどうでしょうか?」
「普通だな。」
「普通ね。」
「普通。」
「・・・何のひねりもありません。」
「マキナ!?」
「わ~ん!」
みんなに普通と言われたヘルマはテーブルに俯せて号泣した。
「おい。一応、ヘルマも考えて言ったんだからそう言うな。それに今までで一番まともな名前だぞ。」
「ケンさ~ん。」
ヘルマは泣きながらケンに抱きついた。
「わ、悪かった。」
「ごめんね。」
サリア達がヘルマに謝っているとマキナがヴィザルの方を向いた。
「・・・マスター、何か案はありますか?」
マキナがヴィザルに聞いたことでヘルマを含め全員がヴィザルの方を向いた。
「そうだな。こういうのは言い出しっぺが参加しねぇとなぁ。」
「そうね。文句ばっかり言ってないでヴィザルも何か案を出しなさいよ!」
みんなに詰め寄られ、ヴィザルは考えた。悩んで考えた末にヴィザルは答えた。
「じゃあ、メタルバンドはどうでしょうか。」
「え?何それ?私達、音楽とかしないぞ。」
「いえ、そういう意味ではなく、皆さん、なんやかんや言って仲が良くて硬い絆で結ばれていますし、クラン名もアイアンガイアですので鉄より硬い鋼の絆が集うクランという意味で付けたんですけどどうですか?」
ヴィザルの発案に全員が何も言わなかった。そのまま時間が過ぎていった。
「・・・それ、採用~!」
「まぁ、いいんじゃないか。」
「何かカッコいいしね。」
「・・・この小説のタイトルにもありますのでいいと思います。」
「マキナ、メタいから止めろ。」
みんなが賛成したことでアイアンガイアの本部の名前はメタルバンドに決定した。
次回予告
今回、勝手に名前とか使ってしまい申し訳ございませんでした!
「次回予告で謝罪してる!」