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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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レヴィア

前回のあらすじ

カグツチ魔教会はただのかませ


「・・・と言うよりオルフェウスさんが強すぎる。」

突如、卵から現れたドラゴンの首。その首は咆哮をあげるとヴィザル達を恐怖に陥れた。そんな中でもオルフェウスはすぐに触手で攻撃する。しかし、首はあっさりと触手を噛み千切りダヨンを拘束している触手も食べてしまった。


「まずい!」


オルフェウスは下がりダヨンがステージに落ちると首は卵の中に戻った。そして、ビリビリと卵の膜を剥がすように中から全裸の少女が現れた。

丸っこい童顔に額と眉毛から伸びた角、青い髪に眠たそうな緑色の瞳、鰭が付いた尻尾、そして右腕には先程見たドラゴンの首が付いていた。


「あれが、魔人・・・」


勇薙達は恐怖しながらも構えるがヴィザルは少女を見た瞬間から身体中が震えていた。ダヨンも恐怖していたがすぐに彼女に近付き手を差し伸べた。


「おお、魔人よ!そなたの力、知恵、命を私に!永遠の命と力を私に!」


少女の登場でカグツチ魔教会は大盛り上がりした。ダヨンは少女にお願いするとこちらを向き両手を上げて宣言した。


「見たか!間抜けども!今、ここで私は死を完全に克服した!私は・・・」

「うるさい。」


その時、少女がドラゴンでダヨンを食べた。両手と下半身が血を吹き出しながら倒れる。その光景を見てオルフェウス達は言葉を失った。あっさりと人を殺したのだ。


「・・・なんで私があんたのような雑魚に力とかやらないといけないわけ?」


少女はモグモグさせているとペッと吐き出した。オルフェウス達の前にべちゃっと肉片が着く。


「しかも、まずい。」


少女はダヨンだった肉片を見るとこちらを向いた。辺りが騒然し悲鳴が上がった。


「魔人って初めて見るけど凄い圧だね。」

「いや、あれは魔人じゃないです。」

「え?」


やっとヴィザルが口を開いた。彼の発言にサリアは不思議に感じていた。さっきからヴィザルは震えている。


「何、大丈夫?」

「・・・マスター!?」

「・・・以前この威圧感と同じ圧を感じたことがあります。」

「誰相手に?」

「・・・魔神ヴァルボロ。」


ヴィザルの発言にサリア達は驚愕し少女は反応した。


「へぇ、ヴァルボロを知ってるんだ。そうだよ。私は魔神、レヴィア!」


レヴィアと名乗った魔神は自分が裸だと気付くと青いベールを生成しドレスを作った。へそ出しの青いドレスを纏うと左手を前に出してヴィザル達を順番に指差した。


(ん~、さっきの触手は肉厚で美味しかったけど寝起きには重いしあの男は油濃そうだし軽く食べるなら・・・)

「・・・決めた。」


レヴィアはクスッと笑うと一瞬でエリスに近付きドラゴンの口を大きく開けた。そこに勇薙が刀で防御し払いオルフェウスが触手で攻撃する。レヴィアは触手を避け回転しながら下がる。オルフェウスは触手で捕らえたカグツチ魔教会のメンバーを出口へ逃がす。


「リブリア、お前はここを脱出し避難誘導しろ。この状況は既にピスケラ達に報告済だ。頼むぞ。」

「了解。」


オルフェウスの指示でリブリアが出口に向かった瞬間、レヴィアがドラゴンの口を開けて出口に向かって青黒い光線を放った。


《エンヴィーカノン》

「回避!」


ヴィザル達はオルフェウスの叫びで左右に避けると光線は出口を破壊しなんとクイーンメルビレイ号を貫通したのだ。警報音とともに隔壁封鎖され浸水はなんとか防ぐことができたがエンジンなどに命中し火災が発生した。


「やべぇ威力だな。」

「あれが魔神。」

「ふあぁ。寝起きだとこんなもんね。」


レヴィアはあくびしながら狙いを再びエリスに向け襲ってきた。勇薙はエリスの前に立ち雷の龍で攻撃した。


雷龍(イカヅチノオロチ)


しかし、レヴィアは口を開けて勇薙の技を食べてしまった。


「ん~、刺激的な味。」

「嘘だろ。」


勇薙の後ろからエリスとエレナが魔法で攻撃するがレヴィアは二人の魔法も食べてしまう。そこにエレキナが近付き拳をいれようとする。が、レヴィアはエレキナの拳を掴み彼女を圧倒した。


「あ、竜人もいたんだ。」

「なにこいつ、私以上の力があるなんて・・・」


圧され気味になっているエレキナの援護のためにサリアが炎で無数の拳を作ってレヴィアを攻撃した。それに合わせてオルフェウスも触手でレヴィアを攻撃する。そして、マキナと勇薙が一斉にレヴィアに向かって必殺技を繰り出した。


「《ケラウノスバースト》!」

「《雷薙叢雲剣(ミカナギノムラクモノツルギ)》!」


爆発とともに勇薙達は下がり構える。爆煙が徐々に晴れ影が見える。そこには少し焦げただけのレヴィアが咳き込みながら立っていた。


「おいおい、こんだけやってもピンピンしてんのかよ。」

「冗談きついぜまったく。」

「あ~、今のでやっと目が覚めた。」


腕を伸ばして背伸びしたレヴィアはドラゴンの口からさっきよりは威力が低い光線を連射してきた。勇薙達は避けながら攻撃の隙を伺った。レヴィアは右に避けたエレキナやエリス達に狙いを定めるとオルフェウスが触手で拘束した。

そこに勇薙達が再び攻撃を仕掛けようとするとレヴィアは力強くで触手を引き剥がして全包囲に光線を発射した。


《リヴァーウェーブ》


オルフェウスが触手で防御する。すると、レヴィアは狙いをオルフェウスに決めて襲ってきた。オルフェウスも背中から触手を生やし右腕から蛇、左手から有刺鉄線を出して応戦する。


「やっぱあんたが一番強そうね。」

「そりゃありがとさんよ。」


オルフェウスは右腕のドラゴンに気をつけながらレヴィアの隙を作ろうとする。サリアはレヴィアがオルフェウスと交戦している間にヴィザルに近付いた。


「大丈夫か、ヴィザル!?」

「え、ええ。」

「・・・マスター、今はあの魔神をなんとかする方が先です。」

「なんとかってどうやって魔神を戦うんですか?」

(そこまで怖れるってヴァルボロってどんだけヤバい奴なのよ。)


汗を流し震えているヴィザルを見て段々汗を流してきたサリアがヴィザルをマキナに任せて戦闘に加わろうとした瞬間、オルフェウスがレヴィアにやられた。

背中の触手も蛇も有刺鉄線も破壊され尻尾で叩きつけられたのだ。それと同時に勇薙とエレキナも壁に吹き飛ばされた。


「お兄ちゃん!」

「お兄様!」

「なんなんだよあいつ。マジで強すぎる。」

「これが神に近い魔人の力か。」


勇薙は心配して近寄ったエリスとエレナの頭を優しく撫で立ち上がるがかなりのダメージを負い足がふらついていた。エレキナも立ち上がって口から光線を吐くがレヴィアが放った光線に押し返され倒れた。その隙にオルフェウスは転がりながらレヴィアと距離をとって彼女の足元に大きな魔方陣を描くとそこから眩い光を放ってレヴィアを攻撃した。


《全星88天・グランドクロスゲイザー》


オルフェウスはよろよろと立ち上がり息を整えた。その時、煙の中から首が飛び出しオルフェウスに噛みつこうとした。オルフェウスはとっさに触手を出して首を受け流す。


「・・・うん。今のはちょっと効いたかも。」

「船内だから威力は抑えていたとは言え、余裕で立ってられると自信なくしちゃうぜ。」

「・・・」


オルフェウスが新たに触手を出して構えるがレヴィアは天井を見たまま動かなくなった。何を考えているのか分からず警戒しているといきなり天井に向かって光線を発射した。


「な、何してんだ!?」

「あんた達を食べるのは後、まずは食べやすい奴から食べて元気になってから相手してあげる。」

「それを僕達が許すと思うか?」

「だから、ここでこの子達の相手してて。」


そう言ってレヴィアはドラゴンの口から多数の卵を吐き出すと卵から魚人みたいな魔人が産まれてきた。


「じゃあね~。君達はジェシュラと遊んでね~。」

「待て!」


勇薙達が追いかけようとするがジェシュラの大軍が邪魔してレヴィアを追うことが出来なくなってしまった。

次回予告

レヴィアの登場で船上はパニックに


「パニック映画のお手本みたいな展開だな。」

「こんな時ぐらい真面目にして下さい。」

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