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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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魔人復活儀式

前回のあらすじ

ヴィザル達の恥ずかしいシ◯ー


「ホントあれどうにかした方がいい。頭おかしすぎる。」

「同意。」

ヴィザル達が潜入している時、パーティー会場では大塚と月読が周りを警戒しながらオレンジジュースを飲んでいた。すると、大塚が嫌な顔をして一点を見ていたので月読も見るとそこにはケンがいた。


「あいつもいるのかよ。ってことは他のアイアンガイアのメンバーもいるってことよな。」

「あいつだけには会いたくない。あいつだけには会いたくない。あいつだけには会いたくない・・・」


月読が目を反らして頭を抱えているとケンがこちらを見て近付いてきた。二人はすぐに顔を反らして見ないようにする。すると、ケンは二人の後ろを通り過ぎその先にいるポニーテールの女性に声をかけた。


「久しぶりだな。」

「げ、ケン!」


女性は嫌な顔をしてケンを見た。彼女はオリオナ。ゾディアックアルゴの副マスターであり彼女も以前マキナをめぐってケンと戦った過去がある。


「なんであんたがいるのよ?」

「招待されたんだ。」

「へぇ。」

「なぁ、全く別の奴と話してんだが。」

「そっちがいい。私達に関わらないようにした方がいい。」


大塚と月読がオリオナと会話しているケンから離れようとした瞬間、月読の肩に手をかけたクロアがニヤニヤしながら話かけてきた。


「あれ~?マスターズで私を煽ったくせに逃げた卑怯者じゃん~。」

「最悪!一番会いたくない奴に会っちゃった!」


顔を覆って涙ぐむ月読にクロアが追い討ちをかけているとケンが拳骨でクロアをしめた。


「珍しいな。こんなところで会うとは。」

「そうですね。国自体違うのでもう会うことないと思いましたよ。」

「なんだ。知り合いか?」

「昔ちょっとな。」


クロアを抱えたケンがオリオナと話していると後ろからシャッター音が聞こえてきた。後ろを振り向くと目をキラキラさせたフィルディオがカメラを持って立っていた。


「お前もいたのかい。」

「はい!今回はクイーンメルビレイ号の取材のために乗ったんですけどまさかこんなところで会うなんて偶然ですね!何か惹かれ合うものがあるのかもしれません!」

「偶然だろ。」


フィルディオが大塚やオリオナを巻き込みクイーンメルビレイ号そっちのけでケン達に取材をし始めた。

その一方で潜入したヴィザル達はカグツチ魔教会に参加しているメンバーを見て驚いていた。


「あの人、タクラン運輸の取締役よね?」

「それだけじゃない。電子機器企業の重役に有名大学教授、ギルケニアの軍人、バラドーナの市長候補、政財界の大物までいやがる。そして・・・」


オルフェウスは参加している面子を見回りながらステージに立つ男を見た。その男の後ろには禍々しい卵みたいな物体がありドクン、ドクンと脈打っていた。


「何あの気持ち悪いの?」

「あれが魔人か。それより前にいるあの男、大手アウポーラ病院の院長ダヨンだ。」

「とうとうおそ◯さんにまで喧嘩売ってきたな。」


ステージにいる白衣をきた男ダヨンは参加している者達に向かって熱くスピーチを始めた。


「諸君!この時、この場にいる者達は世界一幸せな者達だ!諸君は全ての人々が抗うことができない災いは何だと思う?そう、死だ!死は最高の頭脳があろうとも最新鋭の医療技術があろうとも全ての人間が抗うことができない厄災!だが我々カグツチ魔教会はそれを完全に克服した!」


熱く語るダヨンが後ろの卵を紹介する。卵は脈打つごとに少し光り中に影が見える。


「喜びたまえ!今日、この時を持って魔人は我々に全ての叡智と力と永遠の命を与えてくださるのだ!」

「「おぉー!」」

「いや、無理だろ。」


周りが一斉に歓喜する中、オルフェウスは冷たい視線を送ってツッコミをいれた。ヴィザル達も同じ気持ちで周りの人達を見ていた。


「なんで宗教ってこういうのを信じるのでしょうか?」

「・・・バカだからです。」

「マキナ、はっきり言ってやるな。例え事実だとしても。」


呆れた顔で周りを見るヴィザル達。勇薙はカグツチ魔教会の狙いを阻止するためエリスとエレナに小声で指示した。


「エリス、エレナ、二人はこっそり脱け出してみんなに報告、揃い次第摘発するぞ。」

「分かった、お兄ちゃん。」

「お兄様もお気をつけて。」


エリスとエレナが出口に向かって少しずつ下がりチャンスを伺っていた。その時、


「面倒事は嫌いなんでね。」


オルフェウスが瞬く間に触手を召還してダヨン達全員を一網打尽に縛り上げた。一瞬のことなので捕まったダヨン達はもちろん作戦を立てていた勇薙達やヴィザル達も唖然としていた。


「は、早っ!僕達の作戦とか全く意味なかったんだけど!」

「お兄ちゃんのカッコいい姿が見れたのに邪魔しないで!」

「何故俺は怒られてんだ?」


エリスの言葉を軽く流すと仮面を外してダヨンに近付いた。


「な、何なんだお前達は!?」

「なぁに、面倒事が嫌いなだけのただの傭兵だ。」

「何カッコつけてんだ。」

「お兄ちゃんの方が100倍カッコいいんだからね!」

「あんた達黙ってなさい。」


ダヨンの横を通り過ぎ卵の前に立つオルフェウス。すると、先が鋭い触手を数本召還し卵に突き刺した。


「な!君は何をしたのか分かっているのか!?それは我々人類が望んだ夢の・・・」

「魔人に頼った時点で人類は終わってるよ。医学ではできないことはある。が、魔人の力に頼ったお前は医者じゃない。ただのバカだ。」


オルフェウスをダヨンをチラッと睨むと再び卵に召還した触手を刺した。卵からは青色の液体がドロドロと流れ出ている。


「ま、まぁこれで一件落着。この話も終わったってことで・・・」

「メタいから止めてください。」

「それに終わってねぇ。」


メタ発言するヴィザルに勇薙が突っ込んでいるとオルフェウスが冷や汗流しながら話を区切った。


「「?」」

「確かに卵には刺さった。中にいる何かにも命中した。が、その何かには刺さらねぇ。」

「そんな、リーダーの触手でも攻撃が通らないの。」


オルフェウスの発言にリブリアが戦いていると卵の脈動が激しくなった。そして、卵の中からドラゴンのような生物の首が飛び出した。

次回予告

ついに魔人が誕生する。


「いや、あれは魔人じゃなく・・・」

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