消えたアテナスター File7
前回のあらすじ
聞き込みは足でやるものだ。
「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きているんだ!」
「ここにはレインボー◯リッジなんてないけど。」
「その前にそれもパクリだからね!」
メタルバンド
聞き込みを終えたアイアンガイア探偵団が集合し報告を行っていた。
「・・・以上の点からジストさんは犯人ではないかと思います。」
「そうだな。窃盗と放火が同一人物ならな。」
「確かに窃盗の犯人と放火の犯人が一緒じゃない可能性もありますね。」
「でも盗まれた日に放火だから同一人物と考えた方が良くない?」
ヴィザル達が会議していると扉を勢いよく開けてジルフレイムが入ってきた。
「あんた達、何勝手に捜査してんのよ!?」
「いいでしょ?」
「良くないわよ!ケイティと海藤以外の重要容疑者全員、私達が聞くとあんた達にも同じこと聞かれたって言ってたわよ!」
珍しくカンカンに怒っているジルフレイムがホワイトボードに書いてある情報を見て机に手をつき頭を抱えた。
「しかも、私達と同じくちゃんとした捜査になってるし。」
「凄いでしょ。」
「凄いけど邪魔。」
とりあえずサリアに拳骨をかまして調査した結果を黙って見るジルフレイム。しばらく見るとはぁ、とため息をついて再びサリアに拳骨をかまして口を開いた。
「・・・ホントにあんた達の調査力に驚くしかないわ。仕方ないから私達の調査結果も少しだけ報告するわ。」
「マジ!?」
「今回だけ!今回だけだからね!」
「それ今後も仕方なく協力するツンデレポジションのセリフ。」
「黙ってなさい!」
ボソリとつっこんだサリアに3つ目のたん瘤を作ったジルフレイムはホワイトボードに自分達が調査した結果を書き込む。
「私達の調査で分かったのはここまでよ。」
「さすが警察。私達より調べてる。」
「当たり前でしょ。」
マジックガーディアンに感心しながら新たな情報を見ているヴィザル達。新たにケイティの事情聴取の結果や事件当日の状態が詳細に記されていた。
「まず、ケイティ・ヴェンターだけど彼女の自宅を家宅捜査したけどアテナスターは発見出来なかった。それと彼女の証言からやっぱり盗める可能性が一番高い人がケセウスってところかな。」
「じゃあその時の様子を見ます?」
ジルフレイムが説明するがまだ情報が足りないらしく捜査が難航しているとフィルディオがカメラを持って発言した。
「え?撮ってたの?」
「はい。」
「「「・・・じゃあなんで言わなかったんだ~!」」」
「すみません!忘れてました!」
うっかりしていたフィルディオに総ツッコミしたヴィザル達は早速事件当日の録画を見る。アテナスター展示室が映るとヴィザルが一回止めた。
「ジルフレイムさん、この花瓶は今も見つかってないんですよね?」
「ええ。って言っても他の花瓶も黒焦げだから判別は難しいと思うわ。そもそも、なんでそんなに花瓶が気になるのよ?」
「なんとなく。」
ヴィザルは再び映像を再生した。映像には展示ケースの前で会話するジストとケセウス。ヴィザル達と会話する海藤の後ろでアテナスターをただじっと見ているケイティ。いきなり起きる停電。エルフの男が光魔法を使った瞬間、鳴り響く警報。すぐに点灯する展示室。急いで部屋に入るオバール達。そして、アテナスターが偽物だと言ったオイアと驚くジスト達。
「・・・これじゃあ盗んだ方法が分からんなぁ。」
「あの暗闇で誰にも気付かれずにケースの中からアテナスターを盗めるのか?」
「ケースには魔法を阻害する特殊な粒子が含まれたガラスを使用しているから魔法を使った盗みも不可能。」
映像を何回も繰り返して見ているがアテナスターを盗んだ瞬間が映ってないと諦めモードに入っているサリア達。すると、ヴィザルが黙って映像を見ていることにオリヴィエが気付いた。
「どうしたの、ヴィザル君?」
「・・・」
オリヴィエがヴィザルを見ているとヴィザルは近くにあったマジックペンを手にとり机に何か書こうした。それをジルフレイムが殴って阻止した。
「痛い!何するんですか!?」
「いや、あんた帝都大の某教授の真似しようとしたでしょ?」
「一度やってみたかったのでつい・・・」
「それで何が分かったの?」
「一応、推測になりますが・・・」
ヴィザルが推理をジルフレイム達に話す。しばらくしてヴィザルの話が終わるとジルフレイム達は驚愕したり納得したりしていた。
「確かにその方法なら盗めるけど・・・」
「・・・マスターの推理は筋が通っています。」
「放火はそれが目的ってわけか。」
「とにかく確証がない今、逮捕は無理。だけど、もう一度話を聞くぐらいなら出来そうね。」
「なら、こうしてみませんか?・・・」
ヴィザルがみんなに作戦を提案する。それを外から聞いている女性がいた。
次回予告
とうとう犯人が判明
「さぁ、誰が犯人かみんなも推理してみよう!」
「その前にこの小説をどれぐらいの人が読んでくれているのかが問題ね。」
「・・・それは言わないでください。」




