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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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消えたアテナスター File6

前回のあらすじ

アイアンガイア探偵団、結成!


「真実はいつも一つ!」

「絶対それもアウト!」

翌日、ヴィザル達アイアンガイア探偵団はジルフレイムに内緒で容疑者達に聞き込みを始めていた。

まずオリヴィエやガルム達は海藤に聞き込みするために彼の事務所にいた。


「事件当日の行動って言われてもねぇ。いつも通り内装に不備がないか見て回ってから観賞してたぐらいだからな。その時に君達にあったんだ。」


海藤はオリヴィエ達に快く調査に協力してくれた。


「それではあなたから見て盗む動機がありそうな人っていますか?」

「動機?動機って言っても警察に話したことが全部だからなぁ。例えば、オーバーヘイル美術館で盗難があった場合に保険金がおりるとかそもそもアテナスター自体に保険金をかけていたとか。」

「なるほど。」

(ジルフレイムさんが言っていたことと同じね。)


オリヴィエ達は海藤の話をメモにとる。すると、ガルムが何か気になったことがあるらしく海藤に質問した。


「そういえば、あの一つだけ違う花瓶って誰が用意したんですか?」

「ん?ああ、あれか。あれはオイアさんが用意してくれたんだ。」

「え?なんで?」

「あの花瓶は一つ30万レクスしてな。はっきり言ってうちも金欠だし特注品だからなかなか用意できなくてな。そんな時にオイアさんが近くに似たいい花瓶を売っている骨董品店があるからと言って用意してくれたんだよ。」

「さ、30万・・・」


花瓶の値段を聞いたガルムはメモ帳を落とした。実際、ガルムも花瓶を落としかけていて海藤に助けられたためもし割っていたらと思うとぞっとしていた。


一方、オーバーヘイル美術館の前にいたジストの元にはカリスティとエレキナ、ヘルマ、ヴァンガスが聞き込みに行っていた。ヘルマが声をかけるとジストは聞き込みに応じ近くの公園のベンチですることになった。


「事情聴取かい?なんでも聞いてくれたまえ。」

「じゃあまずはもし展示品が盗まれたら多額の保険金が入るって本当?」

「本当だよ。美術品や美術館に何かあれば保険金が入る。けど、そのほとんどは美術館の修復とか運営費で無くなるけどね。」


ジストの発言にカリスティは疑問を持った。もし、窃盗と放火が同一人物の犯行なら少なくとも放火に関しては彼に動機がないからだ。


「まったく。幸いあそこは何も展示してなかったから美術品に被害はなかったけど・・・」

「結局損したってか?」

「ああ・・・」


ため息をして落ち込んでいるジストにエレキナが違う質問をした。


「じゃあ、停電の装置って誰が用意できるの?」

「ん?そういえば誰だ?前日、警備主任が見回りにきた時にはなかったと言ってたから停電する直前だよな。」

「でも写真見たけどあんな大きい物持ってたら目立つよね?」

「・・・いや、そうだ。そういや、もし何事もなく過ごせたら美術館を改装するために朝早くから多くの業者のトラックが荷物を運んでいた。もしあの中に入っているとしたら・・・」

「その話、詳しく。」


カリスティ達はそれからもしつこくジストに聞き込みをしていた。


ヴィザル、サリア、マキナ、フィルディオはオバールの自宅にいた。そこにはオバールだけではなくオイアもいた。彼はオバールの所有している他の宝石の鑑定をしていた。


「まさか、サファイア君が怪盗カシオペアだったとはしてやられたよ。」


オバールは髭を触りながら残念そうに話している。そこに鑑定を済ませたオイアがオバールの隣に座った。


「どうして彼女を秘書に?」

「元の秘書が事故で全治10ヶ月と言われてね。急遽、募集した中で一番有能だったからだ。」

「ちなみに、その事故は?」

「普通の事故だ。賠償も終わってる。」


オバールが話をする。秘書の事故に不審なところはなく偶然と思えたため次の質問に移る。


「では事件当日に怪しい奴を見たとかは?」

「さぁね?でもジスト館長が何か準備のために朝からいろいろトラックを呼び込んでいたね。」

「それはワシも知ってるぞ。何かと聞くと改装のためにいろいろと準備するとか言っておったな。」

「その中にトリックを仕掛けるための何かがあったと?」

「そう考えることもできるねぇ。」


二人が気になったことを話す。ヴィザル達もそれからいろいろと聞き込みを続けた。


そして、ケン、クロア、エウリア、スヒュナはケセウスがいる警備会社に聞き込みに行っていた。


「私としてもどうやってアテナスターを盗んだのか分からないんだ。」


頭に手を当て分かりやすく落ち込んでいるケセウスに聞きにくくなったケン達は一緒にいた警備員に聞き込みした。


「私達も盗んだ方法が分からない。そもそもあのケースの鍵はジストさんだけしか持ってないうえに複製が不可能な特殊な造りなんだ。」

「それにブレーカーに細工した時間も分からん。あの日の朝も見回りにきたがその時にはまだなかった。」


事件当日のことをケセウスの代わりに話す警備員達。彼らも盗む方法が分からず落ち込んでいる様子だった。


(あれ見るとなんか犯人じゃない気がしてきたんだけど。)

(いや、意外とあれは演技だったりして。)


椅子に腰掛け落ち込んでいるケセウスを見てクロアとエウリアが脳内で会話している。まだまだ聞きたいことがあるがこれ以上聞ける雰囲気ではないのでケンが切り上げて聞き込み調査は終了した。

次回予告

さぁ、犯人は誰だ。


「みんなも推理してみよう!」

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