消えたアテナスター File2
前回のあらすじ
宝石が盗まれた。
「大事件だよ!」
オイアが偽物と叫んだ。その瞬間、部屋は騒然とした。
「本当にカシオペアがきた!」
「でも時間が違くない?」
アテナスターが偽物と言われたことでオバールは膝をつきサファイアは目を丸くしていた。ジルフレイムがすぐに部屋の扉を閉める。
「みんな、動かないで!今から身体検査するわ!」
「とにかく、このことを知らせねば。」
「そうね。オイアさん。このことを知らせて展示を中止させて。」
オイアが慌てて外に出る。彼に続いて警備主任の男も報せるために放送室へ向かって行った。
「今!?」
「ちょっとこれから予定あるだけど。」
「それよりどうやって偽物を入れ替えたんだ?」
騒ぎ始める客達。ジルフレイムと他の警備員達が客達を落ち着かせる。
「落ち着いてください!脱がすような身体検査はしません!それと氏名と住所、電話番号を教えて下さればすぐ帰ってもらってかまいません!」
「・・・まぁ、それぐらいなら問題ねぇけど。」
「でも・・・」
ジルフレイム達のおかげで騒ぎは収まった。ジルフレイムが他のマジックガーディアンと共に1人ずつこの部屋にいる客達を別室に連れて事情聴取する。ヴィザル達は別室から出てきたジルフレイムに近付いた。
「ジルフレイムさん、僕達も協力しますよ。」
「あ、いらない。」
「ええー!」
ジルフレイムに言われヴィザルは不満そうに驚く。
「当たり前でしょ?民間人を捜査に加えるわけないでしょ。」
「だってコ◯ンや金◯一達は普通に捜査に参加してますよ!?」
「それ、普通じゃないから!それが許されるのは湯◯教授までだから!」
なんとか粘ろうとするが結局捜査に参加することは出来なかった。すると、いつもジルフレイムの隣にいるマジックガーディアンのメンバーがいた。
「すみません。」
「ん?何だい?」
青年は爽やかに返事する。ヴィザルは彼の反応を見るとニヤリと笑った。
「ジルフレイムさんが僕達に捜査状況を教えるようにって言ってましたよ。」
(ヴィザル君!?)
(マジか!?)
(さらっと嘘付きやがったぞ!)
ニッコリとしながら平気で青年を騙すヴィザルにオリヴィエ達は驚き少し、いやドン引きしていた。
「え?そうなの?」
(え?これで騙せれるの!?)
(あんた、警察組織だろ!?)
(守秘義務とか大丈夫か!?)
オリヴィエ達の心配を他所に青年は周りをキョロキョロするとヴィザルに耳打ちした。ちなみに、オリヴィエ達もちゃっかり話を聞こうと集まっていた。
「リーダーの命令なら仕方ないけど本来はダメだからね。」
(じゃあ教えるなよ。)
「実は、事情聴取していくうちに以前、窃盗で逮捕された人がいてね。彼女が最有力容疑者なんだ。今、彼女の事情聴取をしているところ。」
青年はこそこそとヴィザル達に情報をばらしている。ちなみに、オリヴィエ達もちゃっかり聞いていた。
その女性はケイティといいアテナスターをただじっと見ている女性だった。彼女は現在ジルフレイムの事情聴取を受けている。
「確かに昔万引きとか盗みはしたし、あの宝石も欲しいな~とは思ってたけどあんな厳重な警備の中で盗めるわけないでしょ!」
「・・・はぁ。とりあえず、簡単な身体検査を受けてもらうから。」
「いいよ!何度でも受けてあげる!」
ケイティの事情聴取を壁の外側から聞いているヴィザル達。すると、ジルフレイムがいきなり扉を開けたために慌てて変なポーズをとったり知らないふりをして下手な口笛をふいていた。
「何やってんのあんた達?」
「・・・暇潰し。」
「無理あるから。」
ジルフレイムによって別の部屋に連れていかれたヴィザル達。すると、ヴィザルは誰かに電話した。
「もしもし、ジルドさん。ヴィザルです。」
「あいつ、いつの間に電番交換したんだ!?」
「恐るべし、ヴィザルのコミュ力。」
オリヴィエ達が驚いているとヴィザルは電話をきった。
「で、どうだった?」
「いい情報がきましたよ。」
電話をきったヴィザルはみんなの方を向いてニヤリとした。
次回予告
ヴィザルのちゃんとした(?)推理が始まる。
「前よりましにはなります。」
「前は推理すらしてなかったよね?」




