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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
163/406

推理は身近なところから始まる

前回のあらすじ

新キャラ紹介しただけの回


「この回いります?」

「ひどいよ!」

ある日の昼過ぎ、ヴィザルがあくびをしながら1階に降りた。すると、正座しているサリア達と一目で大変ご立腹のエウリアがいた。


「・・・え、何?」

「ヴィザル、正座。」

「え?」


エウリアに睨まれ渋々サリアの隣に正座した。


「・・・あの、何があったんですか?」

「それをもう一回エウリアが説明する。」

「いい!?正直に白状しなさい!誰が私のおやつを食べたの!?」


鬼のような形相で睨むエウリア。彼女の代わりに隣にいたケンが説明をする。


「今朝、冷蔵庫見たらエウリアが大切にしていたおやつがなくなっていたらしい。」

「何がなくなったんですか?」

「昨日見た時あったのがショートケーキ、プリン、シュークリーム、エクレアでなくなってたのがショートケーキ、プリンだ。」


おやつを食べられたことで怒っているエウリアが怖くエレキナ立ち上がはまともに話を聞いていない。すると、ヘルマが挙手した。


「いつなくなったのか正確な時間とか分かりますか?」

「確か俺が冷蔵庫見た時間は7時だ。それでエウリアがないと騒ぎ始めたのが10時だ。」

「結構時間がありますね。」

「その間、どこで何してたか教えてくれない?」


エウリアに睨まれおそるおそる1人ずつ自分のアリバイを話していく。


「寝てた。」←ヴァンガス

「寝てた。」←ヘルマ

「覚えてない。」←エレキナ

「エレキナで妄想してたわ。」←カリスティ

「ゲルドのじいさんのところにいた。」←クロア

「・・・同じく。」←マキナ

「パチンコ。」←サリア

「推理小説呼んでました。」←ヴィザル

「だらだらし過ぎだろお前ら。」


正座しながらカリスティをしばくエレキナをなだめ検証する。確かにクロアとマキナはゲルドのところにいてサリアはパチンコですってしまっていた。

ケンがサリアをシバいているのを止め再びおやつを食べた犯人を探す。


「これ、探すの難しくない?」

「・・・ちょっといいですか?」


捜査(?)が行き詰まっていると今度はヴィザルが挙手した。


「何?」

「現場を見せてもらっていいですか?」

「現場ってここだぞ。」


エウリアが頷いたので立ち上がって周りを調べる。テーブルの上にある皿、エクレアだけある冷蔵庫、皿とフォークとスプーンが片付けられているシンク。

それらを見たヴィザルは黙り込む。そして・・・


「犯人分かったかも。」

「これだけで!?」

「はい。まず、テーブルの皿はこのクッキー生地の欠片からシュークリームだと思います。次に洗われた2枚の皿とスプーン、フォークはそれぞれプリン、ショートケーキです。」


ヴィザルの推理を聞いているサリア達。しかし、エウリアは何故か首を傾げている。


「聞いたことあるんですけどパチンコって9時から営業開始します。そして、ここから最寄りのパチンコまでわずか15分。ってことは7時から9時までのアリバイはなく服に溢したと思われるショートケーキのクリームがあるサリアさんがショートケーキを食べた犯人です。」

「ギクッ!」

「なんかどうでも推理だな。」

「そのショートケーキ、私が帰ってから食べようとしてたやつ~!」


ヴィザルの推理によって暴かれたサリアにクロアが涙目になりながら詰め寄る。


「サリア~!」

「待って!だって私の楽しみにとっておいたプリンがなくなってたからつい・・・」

「多分、プリン食べたのエレキナさんですよね?」

「ギクッ!」


ヴィザルに見られすぐ顔を背けるエレキナ。サリアが目を赤くして睨む。


「な、何を根拠に・・・」

「洗った皿とスプーンを片付ける時に向きが違います。フォークは右向きに傾いています。これはフォークを置いた人が右利きだからと思います。」

「え?そうなの?」

「知らん。」


ヴィザルの推理に疑問を持つクロア達。ヴィザルの推理を聞いているエウリアはまだ首を傾げていた。そして、ケンは黙って下を向いていた。


「それに対して振ってスプーンは左向きなので多分左利きです。」

「多分って言ったぞ。」

「自信ないのね。」

「なので、アリバイのない左利きはエレキナさんだけです。」

「証拠は!?証拠がないとそれはただの憶測よ!」

「それ、犯人が言うやつ。」


エレキナが焦りながら反論する。すると、ヴィザルは自分の頬を指差した。


「ここについてますよ。」

「何!?確かに鏡を見て確認・・・した・・・はず・・・」


エレキナが慌てて自分の頬を触って確認する。すると、ヴィザルがニヤリと笑ったので嵌められたと確信しサリアの方を向くと体中を燃やしたサリアが拳を構えていた。


「ま、待って!私も気付かなかったのよ!」

「エーレーキーナー!」

「これで一件落着。」

「してないわよ。」


サリアがエレキナにガトリングパンチをお見舞いしている様子を見て一仕事終わらた雰囲気を出しているとエウリアが宇治からぶっきらぼうな顔で話してきた。


「私のおやつは某有名店のカスタードシュークリームなんだけど。」

「え?それは分かんない。」


エウリアがテーブルの上にある皿を指差して発言する。ヴィザルがお手上げと言わんばかりに手を挙げ首を左右に振っているとケンが挙手した。


「・・・すまん。シュークリーム食ったの俺だ。」

「嘘でしょ!?」

「誰も食べてなかったからついな。」

「あ、さっきなくなったスイーツの中にシュークリーム入れてないって言ってたのにテーブルの上にシュークリームを食べた跡があったのはそういうことか。」

「ケンー!」

「すまん!」


こうして、事件(笑)は無事解決しケンはエウリアにシュークリームを奢りエレキナはサリアに、サリアはクロアに謝ったのだった。

次回予告

ホントのホントの大事件が・・・


「名探偵の出番ですね。」

「お前は迷探偵だ。」

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