仕事とプライベートのギャップが大きい人は意外とモテるらしい
前回のあらすじ
終幕
「いろいろ付け足したせいで長くなりすぎた。」
「作者って途中にいろんな要素ぶちこむよね?」
ある日
「え?魔聖七天王の候補にケンが?」
メタルバンドにやってきたフレアガルドがサリア達にそう言っていた。
「そう。ガッチェスがクビになったうえに死んだから空きが一つあるんだよ。だから、そこに高い能力を持ってかついい影響力のある人材を探している。今までインドライガやトールバスターに声をかけたけど二人ともマスターの仕事で忙しいと断られたから今度はマスター以外で選ぼうということになった。」
「それで白矢の羽が立ったのがケンってわけ?」
「そうゆうこと。それでオリュンティア城に招待しようと思ってな。」
「行きまーす!」
「お前が言うのかよ。」
ケンより先に反応したサリアによってアイアンガイアのメンバーは全員オリュンティア城に招かれた。
オリュンティア城に行くと玉座の間に案内された。そこには残りの魔聖七天王のメンバーとケラウロスがいた。
「久しぶりだな。元気かヴィザル。」
「はい。おかげさまでなんとか立ち直っています。」
「そうか。それは良かった。それで話が変わるがケンよ。お主はセブンになってみないか?」
「・・・いえ。セブンへのお誘い嬉しく思います。しかし、ゼウラルさんとの約束もありアイアンガイアを離れるわけにはいけません。なので断らせていただきます。」
「なるほど。」
ケンの回答を聞いたケラウロスは頷く。すると、彼はこんな提案をした。
「折角きたんだ。ここを見学してみないか?」
「それは名案です。ガッチェスの件でお世話になりましたから。そのお礼として私が案内しましょう。」
ケラウロスの提案にバルウェインも乗った。彼が賛成したことで魔聖七天王のメンバー全員も賛成した。
まず案内してもらったのは魔聖七天王の部屋だった。と、いうよりオリュンティア城は関係者以外立入禁止が多く見れるところが少ない。だからバルウェインはヴィザル達を部屋に案内した。
最初に入ったのはバルウェインの部屋。きっちりとしていて生活に必要な物以外はなかった。
「面白くねぇ。」
「部屋に笑いを求めるな。」
つまらないと表情で表しながら見ているフレアガルドの頭を軽く叩く。すると、後ろでカシャカシャと音が鳴る。何かと後ろを向くといつの間にか現れたフィルディオがカメラで写真を撮っていた。
「お前はいつ来た?」
「やだな~。こんななかなか来れないところなんて撮りがいがありますよ~。」
サリアにアイアンクローされてもニコニコしながら話しているフィルディオに呆れるヴィザル達。仕方なくフィルディオも同行を許したバルウェインは次の部屋に案内した。
次にきたのは向かいにあるロキエルの部屋だった。中に入ると野球の道具とドラムやギターがあった。
「野球以外もやってたんだ。」
「おう!最近の趣味だ。」
「おかげで五月蝿い。」
ロキエルが答えると背中に乗っているネフティウスが目を瞑りながら口を開いた。そのネフティウスの部屋が隣にあるため彼の部屋に向かった。
「そういえば魔聖七天王ってオリュンティア城に住んでいたんだ。」
「この部屋は長い間この城で過ごす時用の部屋だ。簡単に言えば賃貸マンションだ。」
「身も蓋もないことを・・・」
いろいろ言いながらネフティウスの部屋に入ると大きなベッドと大量のぬいぐるみがあった。
「「可愛い~。」」
子供らしい部屋に女性陣がみんなメロメロになっていた。みんな寝ているネフティウスの頭を撫で撫でした。ネフティウスはいやいやしているようだが満更でもない様子だ。
「やっぱガキはいいよな。」
「可愛いは正義ですね。」
「何に嫉妬してんだお前ら。」
ネフティウスを見たヴァンガス達をケンが諌める。次に向かいの部屋に行こうとするとアルトディーナが慌てて扉の前に立った。どうやらこの部屋は彼女の部屋のようだ。
「?」
「どうした?」
「ちょっと待って。10分、いや30分待って!」
「増えてるぞ。」
顔を真っ赤にして一瞬で部屋に入っていくアルトディーナ。それから、10分が経過した。まだアルトディーナは出てこない。すると、サリアがニヤリとした。
「何考えてる?」
「いやぁ、あそこまでして隠そうとしているの怪しいなぁ。これ、何か企んでませんか?バルウェイン卿~。」
「お前、楽しんでるだろ。」
ニヤニヤしていらサリアがバルウェインにそう言うとすぐにアルトディーナの部屋の扉を力強く(かかってた鍵を破壊して)開けて突入した。
「観念しろー!」
「きゃー!」
サリアが突入すると辺り一面変な人形や壺などで溢れ返っていた。それを見たサリア達は唖然としているアルトディーナは耳まで真っ赤になった顔を手で覆ってへたりこんだ。
「なんだこの汚部屋・・・」
「しかも見たことないなんて言ったらいいのかわからない物まであるんだけど・・・」
ごちゃごちゃになっているアルトディーナの部屋を探索するヴィザル達。ベッドの周りだけ何もないけどそれ以外は足の踏み場もない。そして、同じ物がいくつもある。
「これ何?」
「え?買った運気が上がる壺だけど。」
「これは?」
「数量限定で売っていた人形よ。」
「じゃあこの絵は?」
「美人って言われてつい・・・」
「それでなんで枕が3つあるの?」
「買って欲しいと泣きつかれたから。」
「完全に詐欺に会う人じゃん。」
アルトディーナの意外な部屋に驚くヴィザル達。さすがのバルウェイン達も意外な部屋に何も言えずにいた。
「・・・とにかく次行くか。」
「お願いします。」
しゅんとしてしまったアルトディーナを残しバルウェインは次の部屋に行く。しかし、入らずに次の部屋に行こうとする。
「この部屋は?」
「ガッチェスの部屋だ。もう何もない。」
「ねぇ。いきなり部屋の案内するってやっぱりガッチェスの件で?」
「そうだ。ガッチェスの件で俺達の中に危険思想の奴がいないかどうか調べる目的もあった。」
バルウェインが説明しながら向かいの部屋に行く。その部屋はフレアガルドの部屋だった。彼の部屋の前に着くといつの間にかフレアガルドがいないことに気付いた。
「そういえばフレアガルドはどこじゃ?」
「あ、フレアガルドさんなら俺の部屋も汚いから片付けると言って入っていきましたよ。」
ミョルニオスがフレアガルドの居場所を聞くとフィルディオが答えた。サリア達が扉の前で耳を立てると確かに扉を開ける音や慌ただしい足音が聞こえる。すると、またサリアがニヤリと笑い強引に扉を(破壊して)開けた。
「さぁ、観念しろ!」
「うおぉ!びっくりした!」
サリアが突入するが一見すると普通の男性の1人暮らしの部屋って感じで特に特徴はなかった。
「・・・つまんな~。」
「まぁ、俺もアルトディーナほどじゃないが散らかっていたからな。急いで片付けた。」
サリアが怪しいとにらみながら部屋中を探している。しかし、何もおかしいところはない。一通り見ても納得できず頬を膨らまして部屋を出ようとするサリア。ヴィザルも一緒に出ようとした瞬間、フレアガルドの口角が少し上がったのを見逃さなかった。
(なんか、隠している。)
フレアガルドの行動を不審に思ったヴィザルは何かを探す動作をした。
「どうした?」
「すみません。無くしてしまいまして。」
「何を?」
(考えろ。あの時、何を隠そうとしていたのか。)
ヴィザルは何かを探すふりしながらフレアガルドの行動を振り替える。
すると、聞き耳立てていた時の扉の音を思い出した。それと同時にいつ居なくなったのか考えるとフィルディオが現れた時からだと思い出した。
「見つかったか?」
「・・・多分。」
「多分ってなんだよ。」
フレアガルドがヴィザルに近付く。ヴィザルは周りをキョロキョロ見ると明らかに何か詰め込んだ形跡のあるクローゼットを発見した。他の部屋ではきっちり閉まっていたはずのクローゼット。しかし、フレアガルドの部屋のクローゼットは扉が少し開いていた。
クローゼットをじーっと見るヴィザル。フレアガルドがヴィザルの肩を掴んだ瞬間、ヴィザルはクローゼットに直進し扉を開けた。
「バカ!やめろー!」
フレアガルドの制止も虚しくクローゼットからは大量の写真がばらまかれた。ヴィザルがそのうちの1枚を拾って見るとエレキナの全裸露出徘徊写真があった。
「・・・」
「なにこれ?」
サリア達が集まって写真を見ると明らかに盗撮と思われるサリア達アイアンガイアの女性メンバーやアルトディーナの写真があった。
「おい。これどうやって撮った?」
「多分、これ撮ったのフレアガルドさんじゃないと思いますよ。」
そう言ってヴィザルが玄関を見るとそーっと逃げようとするフィルディオがいた。
「・・・」
「・・・さらば。」
「お前かー!」
逃走したフィルディオを追うサリア達。フレアガルドもそーっと逃げようとするとバルウェインに捕まれた。
「おい。」
「・・・出来心で。」
その後、バルウェインにこっぴどく叱られアルトディーナに写真を燃やされるフレアガルドであった。
「あれ?ミョルニオスさんの部屋は?」
「ワシはワープ魔法で実家から直接来ているから部屋はないぞ。」
「ずるー!」
次回予告
ヴィザルの友達が久しぶりに登場。
「ついでにちょっとこの物語に関わる話をする予定。・・・ケンが。」
「俺かよ!」




