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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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屍操術(ネクロマンス)は悪役にぴったり

前回のあらすじ

インドライガピンチ!


「いや、大丈夫でしょ。」

「反応薄っ!」

誰もいないはずの廃墟と化した城跡。

そこにヘリガルとインドライガがいた。が、インドライガは胸を抑え倒れると体をピクピク痙攣させている。そして、痙攣が収まるとインドライガは動かなくなった。


「最強のクランのマスターもこうなっては形無しだな。まぁ、アイアンガイアのガキ共に負けるレベルじゃ・・・」


ヘリガルが動かないインドライガに近付いた瞬間、彼の体中に電撃が走りビクンと動くとインドライガが息を吹き返した。


「はぁ、はぁ・・・」

「驚いた。まさか、自分で蘇生マッサージするとは。さすがに、簡単に殺られないか。」

「苛立つぐらい面倒な魔法だな。」

「デバフ魔法も極めれば暗殺に使えるのだよ。折角五体満足で殺してやろうと思ってたのに。」


ヘリガルは再びインドライガにデバフ魔法をかけようと手をかざした。その瞬間、ヘリガルの後ろから炎が流星のように降ってきた。ヘリガルはすぐに察知するとジャンプして避ける。


「まったく、お前さんは昔から一人で抱えすぎじゃ。」

「たまには俺達も頼ってもらいたいところだな。」


そこに現れたのはオールドマギアマスターのバースロット・ヨルムガンドとワイルドビーストマスターのギルガ・フェンリオンだった。


「恩にきる。」

「いいってことよ。インドライガ、ついさっきヴィーダさんの葬式でヴァリスが襲撃された。それと同時に残りの息子達も行方不明だ。」

「十中八九あいつらの仕業だ。」

(ちゃんと仕事しているようだな。さっさと終わらせてアイアンガイアを始末しに行った奴らと合流するか。)


ヘリガルは三人に用心しながら観察する。バースロットが杖を動かした瞬間、煙玉を投げつけて爆発させ辺り一帯を真っ白にした。


「気をつけろ!奴は病をデバフとして与えてくる!」

「ワシにとって一番きつい魔法じゃのぉ。」

「なるほど。殺しにぴったりな魔法ってわけか・・・だが!」


煙で視界を奪われた三人は背中合わせになり警戒する。すると、ギルガが大きく息を吸うとおもいっきり吐き出した。それと同時にインドライガとバースロットも風を巻き起こして煙を払った。


「・・・」


煙が晴れ視界が確保できるとヘリガルの姿がない。ヘリガルを探していると城の玄関の前に立っていた。


「煙に紛れて攻撃かと思えば逃走とはな。」

「お前ら相手に一人で勝てると思ってはいない。」


すると、ヘリガルが腕を高く上げた。その時、城跡の至るところから地面が盛り上がり何かが現れた。


「なんだ?」

「ゾンビみたいじゃ。」

「俺は殺した自分で奴を操ることができる。殺し屋にとってはこの魔法以上にぴったりな魔法はないよ。」


地面から現れたのはヘリガルが今まで殺してきた者達だった。そしてその中には・・・


「ガッチェス・・・」


魔聖七天王(セブン)のガッチェスがいた。マキナの事件から行方不明になっていたガッチェスはヘリガルに殺害され彼のゾンビ兵士の一員にされていたのだ。


「道理で見つからないわけだ。」

「哀れじゃな。」


無残な姿になったガッチェスを哀れむインドライガ達。ガッチェスの死体はヘリガルに操られるがまま他のゾンビと共にインドライガ達を襲った。


「3年前に行方不明の将軍にこの前失踪した冒険者・・・結構いるな。」

「全員、奴に殺され死体になっても操られるとは。」


ゾンビ達の攻撃を受け流すインドライガにガッチェスのゾンビが黒い稲妻を放ってきた。インドライガはシールドを展開して防ぐと今度は鋭い爪を伸ばしてかまいたちを発生させて攻撃してきた。


「なるほど。死んでも生前の技は使えるのか。」

「そりゃ厄介だ。」

「じゃがワシらが何の対策もせずにここにくると思っていたのか?」


バースロットがヘリガルに向けて笑った瞬間、ゾンビ達が一斉に吹き飛ばされた。すると、バルウェインとミョルニオスが援軍としてやってきたのだ。


「礼を言うインドライガ。バカの後始末をしなければならないからな。」

「死んでも迷惑をかけるとは情けない。」

「おー、おー。まさかのセブン筆頭と古参までやってくるとは。」

(さすがにあの二人を加えると勝算はない。ここは一旦撤退して再度闇討ちしよう。)


ヘリガルはさらにゾンビを増やすと城の中へ逃走した。

それを追いかけるインドライガ。彼の行き先を阻むようにゾンビが群がるがバースロットの風とミョルニオスの雷がゾンビを凪払った。

インドライガの後ろからガッチェスが襲いかかるがバルウェインが阻止する。


「行け!」

「ありがとう!」


バルウェイン達がゾンビの群れを相手しているうちにインドライガはヘリガルを追って城に入って行った。

インドライガは周りを警戒しながら探していると大広間にヘリガルがいた。


「逃がさんぞ。」

「ん~、なかなか厄介。だが一対一(サシ)ならあんたを殺せそうだ。」

「俺達を甘く見るなよ。」

「それよりヴァリスを守らなくていいのか?そっちに行った奴は俺よりも殺しが好きなヤバい奴だぜ。」

「言っただろ。俺達を甘く見るなと。すでに俺達の仲間が向かっている。」

「一切慌てず迷わず隙見せず、か。面倒だが正面から殺してやろう。」


ヘリガルが走り出すと同時にインドライガも走り出した。

次回予告

トールバスター達の方に戻ります。


「今回、あっち行ったりこっち行ったりとごちゃごちゃだな。」

「やっぱり構成上手い人は凄いよ。」

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