強くなるきっかけは些細な言葉
前回のあらすじ
ヴィザルハーレム
「・・・」
「どうしたの、ヴィザル君?」
ヴィザルは考えるのをやめていた。
理由はヴィザル以外、女性しかいないからだ。ヴィザルは幼い頃に母を亡くし姉以外はオリヴィエとしか話していないため女性に囲まれたことがないのだ。
ちなみに、アイアンガイアにいた頃はケンやヴァンガスがいたのとアイアンガイアのメンバーが女性らしくないから大丈夫だったという。
「ヴィザル君、しゃべってくれなくなった。」
「・・・」
「ヴィ~ザル~、生きてる?」
「・・・はい。」
「大丈夫?」
「・・・はい。」
「ヴィザル君、私達とエッチする?」
「・・・・・・いいえ。」
「ちょっと考えたでしょ?」
エンジェルフォースのメンバーがヴィザルをからかっているとある場所に着いた。
「さてとヴィザル君で暇潰しできたし、次のクエストをやるよ。」
「はーい。」
メンバーの声にヴィザル以外が返事した。
「・・・」
動かないヴィザルを見たメンバーの一人が彼の耳に息を吹き掛けた。
「!Σ( ̄□ ̄;)!」
「待って。今、どうやってしゃべったの!?」
「フリーラ、何やってるの?」
「あ、あれ?」
びっくりしたヴィザルはやっと考えることを再開した。
「大丈夫、ヴィザル君?」
「う、うん。」
オリヴィエに聞かれ、ヴィザルが答えているとメンバーの一人がヴィザルに近よってきた。
「ごめんね。私はフリーラ・スルトゥム。よろしくね。」
「は、はい。」
「早速だけど手伝ってくれない?」
「え?」
「私達のクエストはこの辺りにあるこんな薬草の採取なの。」
そう言ってフリーラは若草色で細長い薬草を見せた。
「わ、分かりました。」
「ありがとう!」
フリーラ達と別れたヴィザルはオリヴィエと二人で一緒に薬草を探し始めた。しばらくするとヴィザルは気になっていることをオリヴィエに聞いた。
「そういえば、僕達はマスターズで戦うことになるよね?」
「うん、そうだね。でも、私は負けないよ。一生懸命頑張る!」
オリヴィエの元気な返事に少し戸惑うヴィザル。しばらくしてまた気になってオリヴィエに聞いてみた。
「オリヴィエさんは凄いね。エンジェルフォースに入ったんだから。才能があったんだね。」
「ううん、それは私の才能じゃないよ。夢に向かって無我夢中で頑張ったから今の私がいるんだよ。」
「無我夢中、か。僕にはないのかな。」
「そんなことないよ!ヴィザル君は凄いよ!それを自分で認めてないだけだよ!」
「認めてない?」
「うん!ヴィザル君は自分を信じたらもっと強くなれるよ!」
「自分を、信じる。」
「そうだよ!思いは強さになるよ!」
「思いを強さに・・・」
ヴィザルはオリヴィエの言葉に励まされ、自分の手を見た。ヴィザルは何かを考えているようでオリヴィエが呼んでも聞こえてないようだった。
しばらくしてヴィザルは握り拳を作ってオリヴィエの方を向いた。
「ありがとう!」
「え!?あ、う、うん。良かったぁ!」
ヴィザルとオリヴィエが楽しく話ながらクエストをしているのを陰からフリーラ達が見守っていた。
すると、後ろからケンがやってきた。
「あ、ケン。」
「予想以上の結果だな。ここまでヴィザルが自信をつけるとは。彼女にはそういう才能があるかもな。」
「そうね。ところで、ヴィーナは?」
「彼女ならあそこに吊るしてる。」
フリーラ達がケンが指差した方向を見ると
「んー!ん~!」
猿轡をされ、亀甲縛りで吊るされているヴィーナがいた。
「ヴィーナ~!」
フリーラ達があわててヴィーナを下ろしていた。
すると、ケンのところにヴィザルとオリヴィエがきた。
「どうしたんですか、ケンさん。」
「いや、何でもない。それよりどうだ。自分がわかってきたんじゃないか?」
「はい!もう大丈夫です!」
ヴィザルはハッキリ答えた。その目にはもう迷いななかった。
「そうか。それはいいことだ。とりあえずヴィザル、オリヴィエが持っている薬草と違う奴を持ってるぞ。」
「え?」
ヴィザルはケンに言われて見るとヴィザルが持っていたのは若草色で刺々しい草だった。
「いった~!」
「ヴィザルく~ん!」
「よく持てたな。」
その後、ヴィザルはオリヴィエの回復魔法で傷を治してもらった。
次回予告
なんかめんどくさい。
「仕事を放棄するな!」