忍び寄る報復
前回のあらすじ
サリア側決着
「やっぱりこの回いらないと思う。」
「それじゃあ私の活躍がなくなるじゃん!」
ヒュドマを倒したサリア。ケンの変装が燃え素顔が明るみになる。顔を確認したサリアがジャスヘイム邸に戻ろうとするとケンとエウリアがジャスヘイム達を連れてやってきた。
「ケン!エウリア!みんな大丈夫だった?」
「派手にやったな。おかげで居場所が分かったがな。」
「よくあの火災から逃げれたわね。」
「それは・・・」
エウリアがことの顛末を話す。
急いで逃げようとするエウリア達。しかし、風魔法で吹き飛ばしても炎は次々と襲ってくる。そして・・・
「《氷嵐大旋刃》!」
いきなり現れた凍える風が炎ごと廊下を凍らせたのだ。すると、アラバックを抱えたケンがやってきた。
「大丈夫か?」
「あんたってホントに鬱フラグクラッシャーよね。」
エウリア達はケンが作り出した氷の道を進み無傷で燃える屋敷から生還した。屋敷を出るとケンが屋敷を凍らせ火災を止めると火柱が見えた。
「サリアはあそこね。」
「相変わらず目立つ。」
ケン達は火柱が見えた剣道道場へ向かう。
一方、剣道道場の近くの公園で1人待っているジャスヘイムの後ろにトルニスがいた。トルニスは腕を発電させるとジャスヘイムに狙いを定めた。すると、彼の頭に小さなボールが命中し彼は気絶した。ボールを当てたのはエウリアだった。
「ホールインワン!」
「普通にやれ。」
「君達・・・」
「サリアも爪があまいな。」
ケンはトルニスも抱えるとサリアのところへと向かった。
「・・・というわけ。」
「大丈夫なら良かった。」
サリアが安心していると手足のないクロアを抱えたエレキナ。ぐったりしたヴァンガスを抱えたヘルマ。マキナとカリスティとここに来たメンバー全員が揃った。
「よくここが分かったわね。」
「建物を壊すほどの火柱と傍若無人はサリアしかいないから。」
「ひどい!」
涙目になるサリア。とりあえず、暗殺クランのメンバーを倒したサリア達はひとまず安堵するのだった。
(確かあいつはTOP3がいると言った。ここにいないとなると狙いは・・・)
サリアは空を見上げヴィザルを心配するのだった。
そのヴィザルは今ヴィーダの国葬に参加していた。
黒い喪服に身を包みヨルズ達と共に教会に向かう。オリュンティア公国の外れにある教会。そこにはオリュンティア公国現国王ケラウロス・オリュンティアとその娘のアテリナとテティア、ジルフレイムにトールバスター率いるシルバーホークにアルティネが率いるエンジェルフォースにギガントタイタンと多くの人達が参加していた。
ヴァリスの後ろに並んでいるヴィザル達。すると、ヨルズが周りをキョロキョロ見舞わしヴィザル達に耳打ちした。
「ちょっとついてきてくれない。」
「え?」
何のことかわからないヴィザル達を連れたヨルズは列から抜けた。
「ヨルズ?」
「ごめんなさい、お兄様。私達は少し席を外します。」
「?」
心配するヴァリスを他所にヨルズはヴィザル達を連れてどこかに行った。
しばらく連れて行くと何故か廃墟ビルに入った。
「姉さん、一体何を・・・」
「・・・こそこそ見ずに出てきたら?」
ヨルズがある方向を睨むと以前会ったヴィーダの執事が現れた。
「こそこそってお嬢様、私はいきなりこんなところ来るお嬢様が心配で・・・」
「そっか!私達付き合ってるもんね。」
「「「!」」」
ヨルズの発言に驚くヴィザル達。執事の男も驚いていたがすぐに話を合わせた。
「そうですよ。私とお嬢様の・・・」
執事が何か言おうとした瞬間、ヨルズは剣を出し執事を斬ろうとした。
「!?いきなり何を!?」
「付き合ってるって嘘に決まってるでしょ。それにのる執事は私の周りにはいないから。」
「「「だよねー!」」」
ヨルズの嘘と分かり安堵する3人。安堵すると今目の前にいる執事は誰なのか気になった。
「それであんた誰?さっきから殺気駄々漏れの視線を向けてたよね。」
「さっきから殺気・・・ぷっ。」
「ちょっと黙ってろ。」
ヨルズの親父ギャグに吹いたフォルスをバルドが叩いた。ヨルズも自分の発言が親父ギャグになっていることに気付き顔を赤らめるがすぐに戻って男を問い詰める。
「もしかして、お父様を殺したのあんた?」
「・・・やるじゃん。」
ヨルズが質問すると男はニヤリと笑いながら拍手をした。ヨルズは再び剣を構え男に突進する。その時、男が腕を前に突き出すとヨルズが吹き飛ばされた。
「姉さん!」
「さてと、丁度ネハンの旦那を捕らえたメンバーが勢揃いしてるからな。ここで親父の後を追わせてやる。」
男が構える。それと同時にヴィザル達も構えた。
「さぁ、報復開始だ。」
男は邪悪な笑みを浮かべてヴィザル達を見るのだった。
次回予告
とうとう父親の仇と対峙したヴィザル達。しかし、男の暗殺魔法に苦戦する。果たしてヴィザル達は勝てるのか・・・
「結構真面目だ。」
「本番はここからだからな。」