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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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正義は勝つ?違う、主人公勢だから勝つのだ

前回のあらすじ

ヒュドマがしぶとい。


「あいつの活躍、あれだけでいいじゃん。」

「あれは活躍とは言わないだろ。」

燃える屋敷。向き合う二人。ぞろぞろと野次馬が集まりそうになった瞬間、二人同時にその場から離れるように走り出した。


「・・・」

「・・・」


お互い何も話さずに走る。しばらく走っていると誰もいない剣道道場に着いた。


「・・・ここで戦うつもりか?」

「ここなら誰もいないから存分に本気が出せる。」


サリアは両腕を燃やすと構えた。ヒュドマは構えずに足から毒々しい色の液体を出すをサリアを攻撃した。サリアは燃える腕を大きく振ると毒が蒸発した。


「毒を蒸発か。面白い。」


ヒュドマはニヤリと笑うと両手をパンッと鳴らした。しかし、何も起きない。が、サリアはすぐに顔を抑え辺りを炎で燃やした。


(ほぅ。無味無臭の毒ガスを対処するのか。なかなか経験豊富のようで。)


サリアの行動に感心したヒュドマは周囲に針を生成しサリアに向けて発射した。サリアもさっきと同じように燃やそうとしたが針は燃えずサリアはなんとか避けた。


「もちろん、あの針も毒付き。」

「君達を甘く見ていたことを反省しているよ。まさか、ここまで惨敗するとは思わなかったよ。が、うちのTOP3には勝てんだろ。」

「TOP3?全員で来いよ。」

「そうはいかん。うちもいろいろ忙しいのでね。」


ヒュドマは一通り話し終わるとさっきの毒々しい液体をぐにゃぐにゃさせると首が9つのドラゴンに変形させ自身の体に纏わせた。


「《ヒュドラ・ナイト》」

「・・・」


ヒュドマは纏った首の一つから紫色の毒ガスを吐いて攻撃をした。サリアは下がって避けるがヒュドマが接近してきた。そのままサリアの腹を蹴って飛ばした。サリアは飛ばされた後腹を抑えようとすると腹が毒に侵食されようとしているのに気付いた。


「・・・触れたら終わりか。」


すると、サリアは服を脱いで毒に犯された腹を燃やした腕を当て焼いたのだ。それを見たヒュドマは追撃しようとしていたのを少し躊躇い距離をとった。


「!」

「これで毒には犯されない。」

「なんちゅう胆力。女にしておくにはもったいないな。」

「それって女性差別じゃない?」


サリアは腹を焼くと涙を流しつつ周囲に無数の拳を炎魔法で作ってヒュドマを攻撃した。ヒュドマはシールドを貼って防ぐ。


「いいぜ。お前を標的じゃなく一人の戦士として葬ってやる。お前が匿っているジャスヘイムに伝えてやる。お前は勇敢な女だったってな!」

「勇敢な女だった・・・違うだろ。勇敢な女だ!今も未来もな!」


サリアとヒュドマの殴り合いが始まる。お互いに炎と毒を両手に纏い殴る。気化した毒と首から放つ毒光線がサリアを苦しめる。それでも踏ん張り首を一つ、また一つとぶっ飛ばしていく。そして、最後の首をぶっ飛ばすと炎を高く巻き上げ炎柱を作った。その時に気化した毒を蒸発させながら炎と共に巻き上げた。


「くそっ。首が再生しねぇ。完全に焼き斬りやがった。」

「見せてやるよ。正義の炎拳!」

「正義?そんなものは権力者によって書き換えられてきた!正義なんて曖昧なもので俺に勝てると思うな!」

「あ、先に言っておくけど別に正義が常に勝つとは思ってないよ。ただ私が正義が好きなだけ。」


ヒュドマの猛毒魔法を次々と蒸発させていくサリア。そして、ヒュドマに接近すると腹に炎を纏った拳をくらわせた。


「《エリュマントス》!」

「!」

「それと勝つのはいつも正義でも強者でもない。小説の主人公の仲間達だ!」

「それ言ったらダメなやつだろ!」


サリアの攻撃を受けても尚倒れないヒュドマ。サリアは炎で刀を生成すると一気に走り出した。


「ふざけてんじゃねぇぞ!《ヘル・スコーピオン》!」

「私はいつも真面目だよ!」


サリアは向かってくる毒の槍を真っ二つに切る。そのままヒュドマに向かって突進する。


「猛毒魔法!《ヒュドラ・・・

「居合炎刀!《イオラオス》!」


そして、ヒュドマが魔法を撃つ前にサリアがヒュドマを斬った。


「くそっ・・・どいつもこいつも予想以上に強すぎだろ・・・」

「ごめんね~。私、主人公側なんで。」


倒れるヒュドマに向かってサリアはウインクした。

次回予告

やっとヴィザルサイドへレッツゴー!


「そんな雰囲気じゃないけど・・・」

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