奥の手は隠しておくもの
前回のあらすじ
エウリアがなんかカッコつけてた。
「これってさぁ、カッコつけたらカッコ良く決めるところでしょ!なんで私だけ今回凄くださいのよ!?」
「メタ的に言うとエウリアに負ける暗殺者ってどうなのと思ったから変更した。」
「ひどい!」
ジャスヘイム邸内で糸使いの暗殺者がケンから逃走している。男は糸を何重に張り巡らせたり罠を張ったりしている。すると、スマホに着信が入った。男は電話に出る。
「なんだヒュドマ?」
「作戦変更だ。こっちにいる中で残ってるのはお前と俺とトルニスだけだ。仲間を回収次第ここを離れる。ジャスヘイムの暗殺だけして撤退だ。」
「あ~、分かった。こっちもさっさと片付けて撤退するわ。」
「アラバック、一応忠告だがアイアンガイアのケン・アレスザードには気をつけろ。」
「今、そのケン・アレスザードから絶賛逃走中なんだが・・・」
「・・・健闘を祈る。」
「待って!」
ヒュドマが電話を切っても叫ぶアラバック。すると、すべて糸を切り裂いたケンが迫ってきた。
「冗談じゃねぇぞ。こんなところでやられてたまるか。」
アラバックは迫ってくるケンに向かって糸を編んで作った槍を複数投げる。それと同時に拳銃を取り出してケンに向けて発砲する。ケンは槍を切るが切られた槍が四方に糸を張りさらに行く手を阻む。その上拳銃でも攻撃してくるためなかなか近付けない。
(よし。今のうちに・・・)
アラバックはケンが近付けないと判断するとその場から逃げた。その時、銃声と共にアラバックの足を銃弾が貫通した。アラバックは倒れ銃声がした方向を見るとケンが拳銃を握っていた。
「・・・え?お前、刀だけじゃないの?拳銃も使えるのかよ?」
「使えないと言った覚えはない。」
「そんな後付け設定ありかよ。」
「後付け言うな。」
足を撃たれても走って逃げようとするアラバックにケンは弾丸に魔法を付与して撃った。
《竜牙槍》
放たれた弾丸はドラゴンみたいになりアラバックを貫いた。ケンは糸を斬りながら倒れたアラバックに近寄る。アラバックは気絶しているが命に別状はない。ケンは彼を抱えると何か焦げ臭く感じた。
一方、地下室に避難していたエウリア達も異変に気付く。屋敷が火事になっているのだ。
「ちょっとどうなってるの!?」
「早く逃げないと!」
急いで逃げようとするエウリア達。しかし、風魔法で吹き飛ばしても炎は次々と襲ってくる。そして・・・
燃えている屋敷から一人の男が出てきた。暗殺クランアビスロードのヒュドマだ。彼は屋敷に火を放つとジャスヘイムを暗殺するためにケンに変装したままサリア達を追おうとした。
「出て来ないところを見るとアラバックもやられたな。」
スマホを見て現状を知るとすぐに逃げた方向へ向かった。その瞬間、炎が前方から飛び出してきた。ヒュドマが避けるとサリアが現れた。
「そっちから来るか。」
「逃げるだけじゃいつまでも勝てないから。」
「上等。」
二人は燃える屋敷の前に立つ。屋敷が燃えたことで辺りがだんだん騒がしくなろうとすると同時に走り出した。
次回予告
サリア側決着
「本当に?」
「ほ、ホント!本当・・・なはず。」
「自信なくなってるじゃねぇか!」




