報復の魔の手
前回のあらすじ
無理矢理サッカーを交えた感が半端ない。
「知識ないのにやるから。」
「無計画すぎる。」
「うぐっ!」
ジャスヘイム邸
「・・・エリス、お前が始末してこい。」
1人廊下に佇んでいた男が誰かに電話していた。男は電話をきると周りに気配がないのを確認してその場を去る。男はタキシードを着て紳士風な雰囲気を纏わせている。
(まさか、ブラフマスがやられるとは。相手に龍人がいたとしてもあいつが負けるとはな。ここは一旦、ボスに連絡だ。)
男はスマホで何か操作していた。画面にはメーターみたなものが表示されている。すると、そのうちの一つが突然切れた。男はそれを見て動揺していた。
(まさか、ブラフマスだけじゃなくアボロもやられたのか!?)
男が動揺しているとまたメーターが切れた。
(次はエリス!?バカな!?アビスロードがマスターズで一回優勝した程度のクランに連続でやられたというのか!?)
男が動揺してスマホを見ていると後ろに誰かいるのを気配で感じた。
(誰か知らんが邪魔だな。)
男は振り返って後ろにいる誰かを攻撃しようとした。
「猛毒魔法!《ヒュドラ・・・」
「居合《鳳凰一閃》」
後ろにいたのはケンだった。ケンに斬られた男はそのまま倒れる。
「予想・・・以上に・・強・・過ぎ・る・・・」
「猛毒魔法。くらってたらこっちがヤバかったな。」
ケンは倒れた男を拘束するとスマホでサリア達に報告した。
「・・・マジ?」
「どうしたのだ?」
「すでに暗殺者が屋敷内に潜んでいるって。」
サリアの報告にジャスヘイムとその家族、執事達は驚いていた。
「だ、大丈夫なの!?」
「大丈夫です。そのうちの1人はさっき倒したってケンが言ってたから。」
「だが、ここまで来られたのも事実。」
サリアの報告を聞いてもジャスヘイムは楽天的にならずに妻と娘を執事達に言って安全な場所へ向かわせた。
「あなたは?」
「私はここに残る。奴の狙いは私だがテレアとスフィの身に何があってもいかんからな。私の暗殺に巻き込ませたくはない。」
「・・・」
ジャスヘイムは窓の外を眺めた。
一方、ジャスヘイムの家族テレアとスフィは屋敷の地下へ向かっていた。すると、一番後ろにいた執事風の男が不敵な笑いをして何かをしようとした。
「はい~、そこまで!現行犯だから変な真似しないように!」
すると、男の後ろにいつの間にかいたエウリアに杖を背中に突き付けていた。エウリアの発言に気づいたテレア達がすぐに振り返る。男はエウリアに杖を突き付けられても慌てることなく手を動かした。その時、男が凍りついた。
「言ったでしょ?変な真似しないようにって。」
「・・・」
エウリアが魔法で凍りらせるとテレア達に逃げるように促した。その時、凍りついていた男が笑い氷を切り裂いた。
「逃げて!」
エウリアが叫ぶとテレア達は地下室へ逃げてしまった。すると、男は地下室の入口を糸で封じてしまった。
「あいつらは後でじっくり殺るとして、まずはお前らからだアイアンガイア。」
男は腕を振るとあらゆるところから糸が現れエウリアを攻撃した。エウリアは軽快にバク転しながら避ける。
「意外と素早いな小娘。」
男はエウリアを逃がさないように辺りに糸を張る。
「逃がさねぇよ。お前はすでにクモの巣にかかった無力な蝶だ。」
「・・・ねぇ、知ってる?クモの巣にかかった虫が生き残る方法。蜘蛛をぶっ飛ばすのよ。」
「やってみろ。」
エウリアは糸を使う男に向かって杖を振りかざした。
一方、サリアと一緒にいるジャスヘイムのところにも暗殺の魔の手が・・・
「はい。そこに隠れてないで姿見せろ。」
その魔の手をサリアはあっさり払い何もないところを蹴ると誰かが吹っ飛ばされた。そして、若い男が姿を現した。
「いって~!なんで分かった?」
「殺意駄々もれ。」
「嘘~。」
「・・・」
サリアはジャスヘイムの前に立って構える。男は腕を伸ばすと電撃を飛ばしてきた。しかし、サリアは炎を纏った拳で防いだ。
「え、嘘!?」
「若いな~。私を暗殺するには全然経験値が足りないよ~。」
ビビっている男に対しサリアが悪党みたいにニヤニヤ笑いながら近づいた。
次回予告
そろそろサリア側が終わります。
「本番はこれから。」
「え?私達ってもしかして前座?」




