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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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暑い日は毒虫にご用心

前回のあらすじ

某有名アニメのテニス技ってもはやルール無用だよね。


「みんなはどう思う?」

「読者に聞くな!」

「ヴァンガス、ヘルマ・・・走って!」

「「!」」


カリスティがそう言って走るとヴァンガスとヘルマも別方向へ走り出した。それを追って武器を持った人達も二手に別れた。

ヴァンガスとヘルマが逃げていると前方からも武器を持った人達が現れた。


「どうしよう!?」

「こんな時は・・・」


ヴァンガスはそのまま突撃し無双ゲームの如く弾き飛ばして行った。


「え~。」

「よし!このまま・・・・!?」

「?」


ヴァンガスがそのまま突撃を再開しようとすると腕に激痛が走った。腕を見ると何かに刺された跡があった。


「どうしたの?」

「虫に刺された。めっちゃ痛い。」

「大丈夫!?」

「大丈夫、大じょう・・・」


ヴァンガスが気張ろうとすると目眩がして立ち眩みを起こした。ヘルマが倒れようとするヴァンガスを抱える。後ろからはまだ武器を持った人達が襲ってくる。二人は近くのサッカースタジアムに逃げ込んだ。その姿を近くのベンチから見ている男がいた。


サッカー場に着くと医務室に向かいヴァンガスの治療をしたが痛みはまだ治まらない。ヘルマがヴァンガスの腕に包帯を巻いていると壁に虫がいるのを見た。その虫は鋭い顎に黄色と黒の縞模様。その虫は・・・


「は、蜂!」


ヘルマが叫ぶとヴァンガスも後ろを向いて蜂を確かめる。そこにいたのはまさしく蜂、しかもスズメバチだった。


「逃げるぞ!」

「はい!」


二人は急いで医務室を出た瞬間、待ってましたと言わんばかりに大量のスズメバチが襲ってきた。


「うわっ!どうしよう!?」

「面倒くせぇ!《アルカディア・バーン》!」


ヴァンガスはスズメバチの大軍を吹き飛ばすとサッカーコートへ逃げ出した。そこに行ってもスズメバチの大軍は襲ってくる。ヴァンガスは周りを見て何かを察知すると観客席に向かって風の刃を飛ばした。刃は観客席に命中すると土煙の中から何かが飛び出した。


「てめえがあの蜂共を操ってた犯人か?」

「ご名答。さすが狼、鼻と耳はいいようで。」


すると、何もないところからスーっと男が現れた。さっきヴァンガスとヘルマを見ていた男だった。サングラスにスーツとどこにでもいそうなサラリーマンという雰囲気を醸し出している。


「侮ってはいかんな。俺はザ・ビー。」

「何そのださい名前?」

「お前ら教える偽名なんてこのレベルで充分。」


ザ・ビーはそう言って両手から大量の蜂を召還した。


「召還魔法。また珍しいものを・・・ってか蜂ってそこら辺にいる奴しか召還出来ねぇのか?」

「甘いな。そこら辺にいるからこそ暗殺に向いている。蜂はどこにでもいる存在。だからこそ警戒はされるが疑われることはない。実際、俺は今まで一度も失敗したことはない。」


ザ・ビーは大量の蜂を召還すると二人に向かって攻撃を始めた。ヘルマはヴァンガスを庇うように立ち炎の渦を放って蜂の大軍を焼いた。しかし、ザ・ビーはまだまだ大量の蜂を召還し続ける。すると、蜂達が球体状に集まるとザ・ビーはそれを投げてきた。


「《蜂球(ビーボール)》」

「なんだそれ!?」

「蜂の中にはお互いに集合し相手を蒸し焼きにする技がある。俺はこれにさらに熱を加えて燃え盛る蜂球を作ることができる。」


ザ・ビーがご丁寧に説明していると蜂球が本当に燃え始めた。そのまま二人に突っ込んでいくとヘルマが両手に土や岩石を纏って蜂球を止めた。


「《ガイアハンド》!」

「大丈夫か?それ訴えられないか?」


ヴァンガスが心配しているが肝心の蜂球は止まり蜜蜂達が崩れながら飛んでいく。すると、今度はヘルマが土や岩石を球体にして蹴ってきた。ザ・ビーは蜂で壁を作って防ぐ。ヴァンガスは一瞬、膝を着いたが再び立ち上がろうとする。


「大丈夫、ヴァンガス!?」

「安心しろ。この程度の毒で俺がやられるわけねぇだ・・・ゴホッ!」

「バッチリ効いてるじゃねぇか。」

「やるしかねぇ。あいつをやって血清を手に入れるしかねぇ!」

「血清ってこれのことか?」


血を吐きながらヴァンガスがふらふら立つとザ・ビーは赤い液体が入った小瓶を出して見せた。すると、周りにいた蜂達が集まり始めだんだんと人を形成して行った。


「《蜂人間(ビーマン)》」

「ピーマン?」

「シーマン?」

「ビーマン。」


ザ・ビーは蜂人間を10体作ると二人に向かって攻撃を始めた。ヘルマは再びボールを作ると今度はヴァンガスがボールに風魔法を付与して蹴った。


「《ヴァンガストルネードシュート》!」

「ヴァンガス、その技もヤバそうだよ。」


ヴァンガスのシュートは蜂人間に止められる。蜂人間はボールに蜂を纏わせると蹴り返してきた。ヘルマは足に岩石を纏わせて蹴り返す。しばらく蹴り合いしているといつの間にか蜂人間達がサッカーを始めた。


「何してんだ、お前ら。」


ザ・ビーがツッコミいれているとヴァンガスが蜂人間達の間をぬってザ・ビー目掛けて蹴り飛ばしてきた。ザ・ビーはため息つくとショットガンでボールを破壊した。


「下らねぇ。お遊びに付き合ってる暇はねぇんだよ。」


ザ・ビーが蜂人間に指示して再び攻撃をしようとした瞬間、ヴァンガスが風で蜂人間達をバラバラにした。


「!?」

「やっとここまでこれた。」

「蜂のほとんどはメスなんですよ。もっと優しくしてください。」


二人はおもいっきりジャンプするとザ・ビーの顔面を勢いよく蹴り飛ばした。


「「《ガイアトルネード》!」」

「・・・・てめえら、一回訴えられろ。」


ザ・ビーはサッカーゴールのポストに頭をぶつけネットにシュートされるとメタ発言を残して倒れた。


「よっしゃあ!・・・ゴフッ!」

「ヴァンガス~!」


ヘルマは倒れたヴァンガスに急いで血清を持ってくるのであった。

次回予告

やっとサリア達の出番。


「長いってホントに!」

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