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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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パーフェクトゲーム

前回のあらすじ

ラグビーしようぜ!お前ボールな!


「ひでぇ。」

「目標確認。距離800ヤード。」


ユミルガルドからかなり離れた森の中に1人の男が立っていた。男はサリアの指示で空を飛んで向かっていたエレキナに狙いを定めると右手の人差し指と中指を立てた。そして、そこから光の弾丸を飛ばしてエレキナを狙撃したのだ。弾丸はまっすぐエレキナに向かう。エレキナのこめかみに命中しようとした瞬間、マキナがエレキナを弾丸から防いだ。


「あいつ、あの時のアンドロイドじゃねぇか。」


男はマキナを見ると思い出したかのように発言した。

そう、この男はゲーテウェルズ研究所を遠くから見ていた男だ。男はマキナを確認しているとスマホが鳴った。


「なんだ、いきなり?」

「アボロ。次は確実に仕留めろ。」

「分かってるって。そっちもミスるなよ。」


アボロと呼ばれた男はスマホをきると再びマキナの位置を確認した。マキナは屋根の上に立ってこっちを見ている。


「・・・目標確認。迎撃を開始します。」

「あいつ、俺と狙撃勝負するつもりか?上等だよ。やってみろ超古代殲滅兵器ゼウス・エクス・マキナ!」


アボロはニヤリと笑うと標的をマキナに変え再び狙撃した。マキナは弾丸を紙一重で避けると左手を大砲に変形させて光線で狙撃した。しかし、光線はアボロの前で曲がってしまい命中しなかった。


(無駄だ。俺はあらゆる魔法、光線を歪曲させるアンチマジカルフィールドを常に展開している。俺に魔法射撃は通用しない。)


アボロは数発撃つと木から木へ跳び移りながらマキナを狙って狙撃してくる。マキナは光線が効かないと分かると狙撃を避けながら実弾を大砲から発射して攻撃した。

実弾は真っ直ぐアボロに突き進む。しかし、アボロは余裕の笑みで構えると実弾を空中で撃ち落とした。


「・・・!」

「まぁ、そうくるよな。だけど、狙撃の天才の俺なら真っ直ぐ飛ぶ弾丸に当てるなんて朝飯前だ。」


アボロは左手も右手と同じようにすると両手から弾丸を発射して攻撃してきた。マキナは避けながら何度も狙撃するがアボロは左手で弾丸を撃ち落とし右手でマキナを狙撃する。不利と判断したマキナは建物の陰に隠れた。


「いい判断だ。だが、俺の千里眼魔法からは逃れられない。」


アボロはそう言って隠れているマキナを視線を飛ばして視認した。彼はスコープの代わりにこの魔法で相手を狙っていたのだ。マキナを視認すると両手の指を開き全指先から光線を発射した。光線はマキナの上までくるとマキナ目掛けて曲がった。


「・・・!」


マキナは急いで避けるが数発がマキナに命中した。マキナは倒れないように壁に体を凭れかかりながら走る。


「さすがに硬いな。だけど、お前は俺に近付くことも狙撃で勝つことも出来ずに終わる。俺に狙われた標的は俺の顔を知ることなく死んでいく。」


アボロは再び曲がる光線で攻撃をする。マキナは光線が曲がった瞬間にブースターで空を飛んで避ける。しかし、光線のいくつかはまだマキナを追跡する。マキナは光線を放って相殺した。その時、マキナの耳を弾丸が貫いた。


「惜しい。誤差修正1.5、次飛べば確実に仕留める。」


マキナは耳を撃ち抜かれさらに続いてブースターも撃たれたため墜落した。マキナはそれでもミサイルを生成して発射するが全て撃ち落とされた。


「俺の狙撃は百発百中。逃がしはしない。」


墜落したマキナが体を上げるとそこは野球場だった。マキナはマウンドの中央に立って周りを見る。そして自分の手を見て立ち竦んでしまう。


(・・・私は破壊兵器?違う。私はマスターに支えるアンドロイド。マスターの望まない殺しは絶対にしない。)

(どうした、超古代殲滅兵器?その力で俺を殺してみろよ。まぁ、今のお前じゃあ誰も殺せないか。)


マキナには迷いがあった。自分が超古代殲滅兵器と呼ばれていたこと。命を奪う力があること。だが、今の自分はそんな力を持たずとも共にいてくれる仲間がいること。今の自分に必要な力は何か迷っていた。

アボロは千里眼でマキナを見てマキナの動きが止まるのを確認すると再び光線を発射して攻撃した。マキナは光線を視認すると選手控え室に向かって走り出した。マキナは控え室に入り扉を閉めて光線から身を守った。


(・・・ここならあれがある。)

「おっと。そんなところに逃げ込んだか。でも俺の千里眼からは逃げれないよ。」


アボロは千里眼でマキナを見るとマキナは何かを持って今度は野球場のドームの屋根の上に移動した。


「ほぅ。逃げるのをやめて俺と一騎打ちか。」


アボロは両手を構えるとマキナを右手に持っている物を見せて構えた。持っていたのは野球ボールだった。


「?」

(・・・勝負は1球。)


アボロが不思議に思っているとマキナはピッチャーみたいに構えるとオーバースローで野球ボールを投げた。


「いやいやいやいや!そんな物がここまで届くか!」


アボロはツッコミながらもボールを撃ち落とそうと狙撃した。弾丸が野球ボールに命中しそうになった瞬間、野球ボールは落ちて弾丸を避けた。


(落ちた。まぁ、届くわけないわな。)


アボロは落ちていく野球ボールを確認すると再びマキナに狙いを定めた。その瞬間、自分に向かってくる何かの気配を感じた。その気配を探るとさっき落ちていったはずの野球ボールが曲がりながらこっちに向かってきているのだ。


「変化球かよ!」


アボロは再び野球ボールを狙撃するが今度は右に曲がって避けた。


「待て待て待て待て!なんだその変化球!?しかも、スピードが落ちねぇ!」


アボロは仕方なく避けようと左に跳んだ瞬間、野球ボールも左に反れ見事アボロの腹に命中した。野球ボールはそのまま上へと駆け上がりアボロの顎に命中するとアッパーの要領でアボロを殴り飛ばした。


「どう・・やったら・・・そんな変化球・・・・投げれ・るん・だ・・・よ・・・」


アボロは木から落ちるとそのまま気絶してしまった。


「・・・ストライク!」


マキナはアボロが倒れるのを確認するとVサインをして勝利宣言した。

次回予告

次はカリスティ戦。


「サービスAを決めるわ!」

「本当に戦いにいく気ある?」

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