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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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性能の前に安全を

前回のあらすじ

久しぶりにラーメンが食べたくなってきた。


「チャーシュー麺食べたい。後、炒飯と唐揚げ。」

「あらすじで言うことじゃない。ってか食い過ぎだろ!」

ある日、アイアンガイアのメンバー達はオリヴィエに依頼されてある場所にいた。


「・・・ここは?」

「私のお父様、アストライカ財閥会長のレディング・アストライカが経営する実験場です。」

「実験場?」

「はい。実は・・・」

「そこからは私達が説明しますよ、オリヴィエお嬢様。」


オリヴィエが説明しようとすると数人の男達がやってきた。男達はヴィザルに近付くと名刺を渡して自己紹介を始めた。


「初めまして、オルディダンテ家のご子息様。私はアストライカコンツェルン開発担当のキース・ベレベゼートでございます。」

「同じく開発担当を務めます。ケイン・フォーラーです。」

「同じくアレックス・フェルナンドです。」

「あ、ありがとうございます。」


次々とヴィザルに名刺を渡していく男達にサリアは少しイラついていた。


「何あいつら?ヴィザルにあんなヘコヘコして。」

「彼はお嬢様の許嫁ですから。もし結婚された場合、アストライカ財閥を継ぐのは彼になりますからね。皆さん必死なんですよ。」


すると、サリアに近付いた青年が名刺を渡して自己紹介をした。


「私はアストライカコンツェルン元技術担当で今は広報を担当しています。マリウス・アンドロメダです。よろしくお願い致します。」

「は、はい・・・」


マリウスから名刺を受け取ったサリアは去っていくマリウスの背中を顔を赤くしながら見ていた。


「サリア?」

「・・・カッコいい。」

「嘘でしょ!?サリアが一目惚れ!?」

「悪いか。」


エウリアの頭を拳でグリグリしているとヴィザルとオリヴィエがキース達と一緒にやってきた。


「それでは皆さんの依頼はこちらです。」


そう言ってキース達は変わった形の乗り物をサリア達に見せた。その乗り物は軽自動車ぐらいの大きさでタイヤがなく変な足が三本付いていた。


「何これ?」

「これは竜車に変わる次世代小型飛行自動車アガレスです。これは風魔法を利用して空中に浮遊し時速100㎞で移動が可能です。あなた達にはアガレスの試運転を依頼したいのです。」

「なんで私達?」

「お願いします。」


何故試作機の運転を頼まれたのか聞こうとするがキース達が強引にアガレスに乗せる。仕方なく乗ったサリア、ケン、エレキナ、ヴァンガスは乗り心地をキース達に報告した。


「結構シートはふかふかしてるぞ。」

「座り心地はいい方ね。」

「浮いてるのは少し違和感があるけどな。」

「それでは試運転お願いします。」

「ほ~い。」


キースに言われるがまま運転席に座っているサリアが発車しようとアクセルを踏んだ瞬間、あっという間にアガレスは消え実験場の壁に激突した。


「失敗ですかね?」

「ええ、初速から時速100㎞になるようにしてみたんですがねぇ。」

「殺す気かー!」


キース達の会話にヴィザルが驚愕し言葉を失いアガレスから出てきたケンが大声で叫んだ。


「あんなのミサイルでやれ!」

「そのミサイルからヒントを得たのですが・・・」

「ふざけるな!」

「あの~、これって・・・」


さすがにオリヴィエも引いたらしくキースに抗議している。しかし、キースはニコニコしたままオリヴィエに説明した。


「お嬢様、これは必要なことです。文明の進歩に犠牲は付き物です。そうやって我々は進歩していったのです。」

「その犠牲に俺達を選ぶなー!」

「その通りです。広報としてこれは発売禁止にするべきです。」


キースの説明にケンと一緒になんとか出てきたヴァンガス達も苛立ちながらツッコミを入れた。それに合わせてマリウスも反対した。しかし、キースはそんなこと気にせず続行するつもりだ。


「無事で良かったです。」

「良くねーよ!」

「そうです!ヴィザル君にこんなことさせませんからね!」

「私達の心配をしてくれないかな!?」


ヴィザルに抱き付きながら擁護するオリヴィエに対して再びツッコミするサリア達。そんなことわ気にせずに再びアガレスを用意してきたケイン達。


「おい!何またヤバい奴出してんだ!もう乗らねーよ!」

「大丈夫。これはさっきのとは違い速度調節していますから。」

「本当に?」

「本当です。」

「じゃあ、カリ、ヘルマ。あなた達が乗って。」

「「なんで!?」」

「今私達ボロボロだから何かあったら耐えれそうにないの。」

「ちょっとー!」


新しいアガレスがくるとサリア達は無理矢理カリスティ達を乗せた。運転席に座ったカリスティはおそるおそるアクセルを踏んだが何事もなくアガレスは動いた。


「ほっ。」


安心したカリスティは速度を徐々に上げても何の問題もない。すると、ヘルマが赤いボタンを押した。その途端、天井が開き二人は高く打ち上げられた。


「「あぁ~!」」

「えー!?」

「あらら。緊急脱出ボタンを押しましたね。あれはもし事故りそうになった時に押すのですが・・・」

「事故る前に死ぬわ!」


ケンとマキナがなんとか落ちていく二人を受け止めた。


「っていうかこれならあなた達の誰かがやればいいんじゃない?」

「あぁ~。内緒ですけど実はこういう性能実験で以前死者が出てるんで誰もやりたがらないんですよ。」

「おい待て!何怖いこと言ってんの!?」

「罪悪感持て、罪悪感!」


サリア達は文句を言いまくるが現在金欠のため仕方なく試運転した。しかし、途中爆発したり空に飛んだまま戻って来なかったりブレーキが全然効いていなかったりしたため結局アガレスは発売が見送りとなった。

それから数日間、オリヴィエに守られたヴィザルとアンドロイドのマキナ、幼いエウリア以外は全身の痛みに悩まされたのだった。

次回予告

久しぶりに集まったオルディダンテ一家。病に倒れたヴィーダ・オルディダンテがみんなに話す内容とは?


「僕達ホントに久々の登場だねぇ~。」

「そうだな。」

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