ラーメン屋はどの世界でも愛される
前回のあらすじ
コラボ出来て大満足!
「またやりたいな~。」
遺跡調査のクエストが終わってから数日後、ヴィザルはサリアと二人でクエストを終わらせ帰宅している途中だった。
「まさか、あそこでああなるとはな~!」
「そうですね。」
「お腹へった。」
「えっ?」
サリアがお腹をおさえて呟く。ヴィザルもお腹がへったらしくぐ~っと腹の虫が鳴っていた。
「そういえば、この先に美味しいラーメン屋があるけど行く?」
「いいですね~。行きましょう!」
サリアの提案に乗ってヴィザルはその店に向かった。
「・・・」
「さぁ、ここだ。」
外見はボロボロで頭の無い壊れた人形や不気味なカラスが大量にいるうえに看板には『らぁめぇん』と書いてあった。
(・・・ぎゃーっす!)
「・・・帰る!」
「待って!何で!?」
「こんな明らかにヤバそうなラーメン屋行けるわけないでしょ!」
「見た目で決めちゃダメでしょ!1/216の確率で普通かも知れないでしょ!?」
「サイコロ3回振って連続で1が出る確率じゃないと普通じゃない店なんてお断りじゃぁ!」
「いいからさっさと入れ!」
サリアに蹴飛ばされ店に入るとカウンターにいた鬼人の男が出迎えてくれた。どうやら彼が店長みたいだ。
「いらっしゃい!サリアか!久しぶりだな!」
「いや~、最近ここに来てなかったな~。店長、いつもの!」
サリアは常連のようで店長に気さくに声をかけるとカウンターに座った。ヴィザルも店内を見回しながらサリアの隣に座る。店内は外と違って少しボロいがキレイに掃除されている。しかし、客は誰もいない。
「それで隣の子は?もしかしてサリアのこれかい?」
「違うよ。新しくアイアンガイアに入ったヴィザルだ。よろしく頼むよ。」
「そうか!俺も自己紹介しないとな!俺はここ、らぁめぇんの店主、チャーシュだ!ラーメン店を開いて19年!
1にラーメン、2にラーメン、3,4にラーメン、5にカレーよ!」
「なんで最後カレー!?」
ヴィザルはチャーシュにツッコミながらメニューを見る。
ラーメン(醤油、味噌、豚骨) 550レクス
チャーシュー麺 700レクス
メンマ大盛ラーメン 650レクス
担々麺 650レクス
マジ辛ラーメン 700レクス
炒飯 500レクス
餃子 500レクス
天津飯 600レクス
オムライス 650レクス
「・・・なんでオムライスだぁ!?」
ヴィザルが叫ぶ。
「何で!?何でオムライス!?そこはカレーって書くべきでしょ!しかも意外とリーズナブル!」
「ここのオムライス美味しいぞ。」
「ここラーメン屋ですよね!?」
「はいよ!醤油ラーメン半炒飯&半餃子セット!」
「いただきまーす!」
「それで坊主はどれにする!」
「そ、それじゃあオムライスで。」
「あいよ!ケチャップ、オムライス入ったぜ!」
「はぁ~い。」
チャーシュが奥に向かって注文を復唱すると奥から少女が現れた。ケチャップと呼ばれた彼女はエルフ耳と牛の角が特徴的で真っ赤なチャイナ服を着ていた。そして、ヴィザルが凝視してしまうほどの爆乳だった。
「・・・」
「オムライスですね~。畏まりました~。」
柔らかな雰囲気を纏ったケチャップは奥に入ってしばらくするとオムライスを持ってヴィザルの前にきた。
「お待ちどう様~。オムライスで~す。」
ケチャップが持ってきたオムライスには卵の上に何もない。すると、ケチャップがケチャップを持って卵の上に♥️を描き始めた。
「美味しくな~れ~。」
「・・・」
「出来上がり~!」
「・・・なんかもうお腹いっぱいです。」
「ヴィザル!?」
ケチャップの爆乳を間近で見てしまったヴィザルはそれからしばらく下を向いたままオムライスをなんとか平らげた。
それからヴィザルがらぁめぇんの常連客になるのは言うまでもなかった。
次回予告
久しぶりに登場したオリヴィエの頼みを受けたアイアンガイアのメンバー。しかし、それはとんでもないものだった。
「ごめんね!ヴィザル君!」
「私にも謝罪を・・・」




